エックスサーバーの全データをバックアップする方法

Web・ECサイト防御

― Webサイト・データベース・メール・ログを丸ごとダウンロードする完全手順 ―

対象:エックスサーバーでWebサイトとメールを運営しているすべての方

  1. なぜ「全データのバックアップ」が必要なのか
  2. 全体像 ── 「完全バックアップ」に必要な6つのデータ
  3. 事前準備 ── 必要なツールを揃えておく
    1. ① Webサイトのファイルを丸ごとダウンロードする(FTP)
      1. エックスサーバーのディレクトリ構造を理解する
    2. WinSCPを使ったダウンロード手順(Windows)
    3. FileZillaを使ったダウンロード手順(Mac・Linux対応)
    4. エックスサーバー自動バックアップ機能の活用
  4. ② データベースをエクスポートする(最重要)
    1. 方法①:phpMyAdminを使う(初心者向け・おすすめ)
    2. 方法②:コマンドライン(SSH)で一括エクスポート
    3. エックスサーバーのDB自動バックアップ機能
  5. ③ メールデータをバックアップする
    1. 方法①:Thunderbirdで全メールをローカルに保存(おすすめ)
    2. 方法②:FTPでメールデータを直接ダウンロード
    3. 方法③:SSHとtarコマンドで高速バックアップ
    4. 複数メールアカウントがある場合の確認方法
  6. ④⑤ アクセスログ・エラーログを取得する
    1. 方法①:サーバーパネルからダウンロード(初心者向け)
    2. 方法②:FTPでログフォルダを直接ダウンロード
    3. ログの読み方 ── アクセスログの基本
    4. 方法③:SSHで特定期間のログを抽出する
  7. ⑥ SSL証明書・各種設定情報を記録する
    1. SSL証明書の確認と保存
    2. Cronジョブの設定を記録する
    3. メールアカウント・メール転送設定の記録
  8. よくある落とし穴と対策
  9. バックアップを自動化する ── 定期実行のすすめ
    1. エックスサーバーのCronで自動バックアップスクリプトを実行
  10. まとめ ── バックアップ作業のチェックリスト

なぜ「全データのバックアップ」が必要なのか

「サーバーのデータをすべてバックアップしたい」──このニーズは、さまざまな場面で発生します。たとえば、サーバー移行(他社への乗り換え)、大規模な改修前の保全、ハッキングや誤操作によるデータ消失への備え、または業務上の記録保管としての必要性などです。

エックスサーバーは国内最大手のレンタルサーバーの一つで、多くの個人・企業がWebサイトとメールの運営に使っています。しかし「全データを丸ごとダウンロード」するには、データの種類ごとに異なる手順を踏む必要があります。1クリックで全部バックアップできるボタンはないのです。

本記事では、エックスサーバーで運営しているWebサイトとメールに関わる、すべてのデータを取得するための具体的な手順を、初心者にもわかりやすく解説します。

📌 この記事でカバーする内容:① Webサイトのファイル一式 ② データベース(WordPress等) ③ メールデータ ④ アクセスログ・エラーログ ⑤ SSL証明書・各種設定情報

全体像 ── 「完全バックアップ」に必要な6つのデータ

まず、「Webサイト+メールの全データ」が何から成り立っているかを理解しましょう。バックアップが不完全だと、いざというとき復元できなかったり、メールが消えてしまったりします。

データ種別内容取得方法重要度
① WebサイトファイルHTML/PHP/画像/CSS等FTPでダウンロード★★★ 必須
② データベースWordPressの記事・設定等phpMyAdminまたはコマンド★★★ 必須
③ メールデータ受信・送信・下書きメールIMAPソフト or FTP★★★ 必須
④ アクセスログ誰がいつアクセスしたかサーバーパネル or FTP★★☆ 推奨
⑤ エラーログサーバーのエラー履歴サーバーパネル or FTP★★☆ 推奨
⑥ SSL証明書・設定SSL/Cron/メールアカウント等手動スクリーンショット★☆☆ 任意

⚠️ 特に重要:WordPressなどのCMSを使っている場合、「データベース」を取らないと記事・画像・設定がすべて失われます。ファイルだけ取っても復元できません。この点が最大の落とし穴です。

事前準備 ── 必要なツールを揃えておく

作業を始める前に、以下のツールをPCにインストールしておきましょう。すべて無料で使えます。

ツール名用途対応OSダウンロード先
WinSCPFTPでファイルをダウンロードWindowshttps://winscp.net/
FileZillaFTPでファイルをダウンロードWindows/Mac/Linuxhttps://filezilla-project.org/
Thunderbirdメールの同期・保存Windows/Mac/Linuxhttps://www.thunderbird.net/
phpMyAdminDBのエクスポート(ブラウザで利用)全OS(ブラウザ)エックスサーバーに組み込み済み

エックスサーバーのFTP情報の確認方法:

  1. エックスサーバーのサーバーパネル(https://www.xserver.ne.jp/login_server.php)にログイン
  2. 「FTPソフト設定」または「サーバー情報」メニューを開く
  3. 以下の情報をメモしておく
項目確認場所
FTPホスト名サーバーパネル→サーバー情報sv****.xserver.ne.jp
FTPユーザー名サーバーパネル→サーバー情報(エックスサーバーのアカウントID)
FTPパスワード登録時に設定したもの(ご自身のパスワード)
FTPポート番号通常は21(または22:SFTP)21

✅ セキュリティ上の推奨:FTP(ポート21)よりもSFTP(ポート22・SSH暗号化)を使うと通信が暗号化されて安全です。WinSCP・FileZillaともにSFTPに対応しています。

① Webサイトのファイルを丸ごとダウンロードする(FTP)

Webサイトを構成するHTML・PHP・JavaScript・画像・CSSなど、すべてのファイルはFTPでダウンロードできます。これがWebサイトの「本体」にあたるデータです。

エックスサーバーのディレクトリ構造を理解する

FTPで接続すると、以下のようなフォルダ構造が見えます。

/home/

  └── (アカウントID)/

        ├── ドメイン名1/

        │     └── public_html/   ← Webサイトの本体はここ

        ├── ドメイン名2/

        │     └── public_html/

        ├── mail/               ← メールデータ

        └── log/                ← ログファイル

ドメインごとにフォルダが分かれており、それぞれの「public_html」フォルダ内にWebサイトのすべてのファイルが格納されています。WordPressを使っている場合は、ここに wp-content・wp-admin・wp-includes フォルダが見えるはずです。

WinSCPを使ったダウンロード手順(Windows)

  • WinSCPを起動し、「新しいサイト」を選択
  • 以下を入力して「ログイン」
設定項目入力値
転送プロトコルSFTP(推奨)またはFTP
ホスト名sv****.xserver.ne.jp(サーバーパネルで確認)
ポート番号22(SFTP)または21(FTP)
ユーザー名エックスサーバーのアカウントID
パスワードサーバーパネルのパスワード
  • 左ペイン(PC側)に保存先フォルダを選択
  • 右ペイン(サーバー側)で /home/アカウントID/ドメイン名/public_html/ に移動
  • 右ペインの「public_html」フォルダを右クリック →「ダウンロード」を選択
  • 「OK」をクリックしてダウンロード開始

💡 ファイル数が多い(WordPressの場合1,000〜10,000ファイル以上)ため、ダウンロードには数分〜数十分かかります。WinSCPを「バックグラウンドで転送」に設定しておくと便利です。

FileZillaを使ったダウンロード手順(Mac・Linux対応)

  1. FileZillaを起動し、上部の「クイック接続」バーに入力
  2. ホスト:sftp://sv****.xserver.ne.jp ユーザー名・パスワード・ポート(22)を入力して「クイック接続」
  3. 右ペイン(リモートサイト)で /home/アカウントID/ドメイン名/public_html/ に移動
  4. 左ペイン(ローカルサイト)にダウンロード先を指定
  5. 右ペインで「public_html」を右クリック →「ダウンロード」

⚠️ 注意:public_htmlの中身が大量の場合、ダウンロード中にタイムアウトが発生することがあります。その場合はフォルダを分割してダウンロードするか、エックスサーバーのバックアップ機能(後述)を活用しましょう。

エックスサーバー自動バックアップ機能の活用

エックスサーバーには「自動バックアップ」機能が標準搭載されています(スタンダードプラン以上)。過去14日分のバックアップが保存されており、ファイルをまとめて取得できます。

  1. サーバーパネルにログイン
  2. 「バックアップ」メニューを選択
  3. 「ホームディレクトリ」タブでバックアップ日を選択
  4. 「ダウンロード」ボタンを押してtar.gz形式でまとめてダウンロード

✅ この方法が最も確実かつ速いです。ただしファイルはtar.gz形式で圧縮されているため、解凍ソフト(7-Zip等)が必要です。Macは標準で解凍できます。

② データベースをエクスポートする(最重要)

WordPressをはじめとするCMSは、記事の内容・カテゴリ・コメント・ユーザー情報・プラグイン設定など、サイトの「中身」をすべてデータベース(MySQL)に保存しています。ファイルだけをバックアップしても、このDBデータがなければサイトは復元できません。

⚠️ 最重要:DBのバックアップを忘れると、WordPressの記事・設定・コメントが完全に消えます。ファイルだけDLして「完璧!」と思わないでください。

方法①:phpMyAdminを使う(初心者向け・おすすめ)

phpMyAdminはブラウザから操作できるデータベース管理ツールです。エックスサーバーに標準搭載されています。

  1. サーバーパネルにログイン
  2. 「MySQL」→「phpmyadmin(MySQL5.7)」(または MySQL8.0)を選択
  3. 左ペインからエクスポートしたいデータベース名をクリック(WordPressのDBはwp_などで始まることが多い)
  4. 上部メニューの「エクスポート」タブを選択
  5. エクスポート方法:「詳細」を選択
  6. 以下の設定を確認・変更
設定項目推奨値理由
エクスポート方法詳細細かい設定ができる
形式SQLどこでも復元できる標準形式
CREATE TABLE文を追加✅ チェックありテーブル構造も含めて保存
完全なINSERT文を追加✅ チェックありデータが確実に入る
圧縮gzip(.sql.gz)ファイルサイズを小さくできる
  • 「実行」ボタンをクリック → .sql または .sql.gz ファイルがダウンロードされる

💡 複数のDBがある場合(ドメインごとにDBを分けている場合)は、一つひとつエクスポートする必要があります。左ペインのDB名が複数あれば、全部エクスポートしましょう。

方法②:コマンドライン(SSH)で一括エクスポート

SSHが使える方は、コマンドで高速にエクスポートできます。エックスサーバーはSSH接続(SSHアクセス設定を有効化後)に対応しています。

# SSHでサーバーに接続

ssh アカウントID@sv****.xserver.ne.jp -p 10022

# DBを1つエクスポート(backup.sqlという名前で保存)

mysqldump -u DB名 -p DB名 > ~/backup_$(date +%Y%m%d).sql

# 複数のDB名を確認したい場合

mysql -u アカウントID -p -e 'SHOW DATABASES;'

# エクスポートしたファイルをgzip圧縮

gzip ~/backup_$(date +%Y%m%d).sql

# ローカルPCにダウンロード(別のターミナルで実行)

scp -P 10022 アカウントID@sv****.xserver.ne.jp:~/backup_*.sql.gz ./

💡 エックスサーバーのSSHポートは10022です(標準の22ではありません)。また、SSHを使うにはサーバーパネルの「SSH設定」で有効化する必要があります。

エックスサーバーのDB自動バックアップ機能

ファイルと同様に、DBも自動バックアップ機能で取得できます。

  • サーバーパネル →「バックアップ」→「データベース」タブ
  • 対象のデータベースと日付を選択
  • 「ダウンロード」を押して .tar.gz 形式でダウンロード

✅ 最も手軽な方法です。ただし最新データを取りたい場合(たとえば今朝投稿した記事も含めたい)は、自動バックアップのタイミングによってはデータが古い可能性があります。最新データが必要なら手動エクスポートを行いましょう。

③ メールデータをバックアップする

メールのバックアップは3つの方法があり、状況によって使い分けます。最も確実なのは「Thunderbirdを使ったIMAPバックアップ」です。

方法メリットデメリットおすすめ度
① Thunderbird(IMAP)中身まで完全取得、読めるアカウント設定が必要★★★
② FTPで直接取得コマンドなしで可、速いMaildir形式で読みにくい★★☆
③ SSH+tarで圧縮取得大量メールを高速バックアップSSH操作の知識が必要★★☆

方法①:Thunderbirdで全メールをローカルに保存(おすすめ)

Mozilla Thunderbirdを使えば、サーバー上のすべてのメールをPC上にダウンロードして、人間が読める状態で保存できます。最も確実で安全な方法です。

ステップ1:ThunderbirdにIMAPでメールアカウントを追加

  • Thunderbirdを起動 →「新しいアカウントを設定」→「メール」
  • 以下の情報を入力(エックスサーバーの標準設定)
設定項目
受信サーバー(IMAP)sv****.xserver.ne.jp
IMAPポート993(SSL/TLS)
送信サーバー(SMTP)sv****.xserver.ne.jp
SMTPポート465(SSL/TLS)
ユーザー名メールアドレスのフルアドレス(例:info@example.com)
パスワードメールアカウントのパスワード
  • 「完了」→「メールアドレスを確認」でアカウントが追加される

ステップ2:全フォルダを同期する

  • 左ペインにアカウントが表示されたら、受信トレイ・送信済み・ゴミ箱などすべてのフォルダを右クリック
  • 「このフォルダのすべてのメッセージを取得」を選択
  • フォルダ数・メール数が多い場合は時間がかかります(数百通なら数分、数万通なら数十分)

ステップ3:ローカルフォルダにコピーしてエクスポート

  • 同期が完了したら、各フォルダを右クリック →「コピー先」→「ローカルフォルダ」を選択
  • ローカルフォルダに移動したメールは、PC内の以下の場所に保存される
Windows: C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\

Mac:     ~/Library/Thunderbird/Profiles/
  • 必要に応じてこのProfilesフォルダ全体をコピーして外付けHDDやクラウドに保管

💡 Thunderbirdの拡張機能「ImportExportTools NG」を使うと、メールをmbox・EML・CSV形式でエクスポートできます。特に証拠保全や他のメールソフトへの移行に便利です。

方法②:FTPでメールデータを直接ダウンロード

エックスサーバーのメールデータは、以下のパスに「Maildir形式」で保存されています。FTPでこのフォルダを丸ごとダウンロードすれば、すべてのメールデータをバックアップできます。

/home/(アカウントID)/mail/(ドメイン名)/(メールアカウント名)/

  ├── cur/   ← 既読メール

  ├── new/   ← 未読メール

  └── tmp/   ← 一時ファイル

FTPソフトで上記のパスに移動し、フォルダを丸ごとダウンロードします。ただし、「Maildir形式」は1通のメールが1ファイルとして保存されているため、そのまま開いても読みにくいのが難点です。

⚠️ Maildir形式のメールをそのまま閲覧するには専用ソフトが必要です。Thunderbirdで読み込む場合は「Maildir方式」の設定変更が必要で、やや上級者向けです。バックアップ目的のみであれば問題ありませんが、「すぐに中身を読みたい」場合はIMAPによるThunderbirdでの取得を推奨します。

方法③:SSHとtarコマンドで高速バックアップ

メール数が多い(数万通以上)場合、SSHでサーバーに接続してtarコマンドで圧縮してからダウンロードする方法が最も効率的です。

# SSHでサーバーに接続

ssh アカウントID@sv****.xserver.ne.jp -p 10022

# メールデータを圧縮(全ドメイン分)

tar -czf ~/mail_backup_$(date +%Y%m%d).tar.gz ~/mail/

# 特定ドメインのメールだけ圧縮したい場合

tar -czf ~/mail_example.tar.gz ~/mail/example.com/

# ローカルPCにダウンロード(別ターミナルで実行)

scp -P 10022 アカウントID@sv****.xserver.ne.jp:~/mail_backup_*.tar.gz ./

複数メールアカウントがある場合の確認方法

エックスサーバーで複数のメールアカウントを使っている場合、それぞれのアカウントのデータが別フォルダに存在します。サーバーパネルから全アカウント一覧を確認し、漏れなくバックアップしましょう。

  • サーバーパネル →「メールアカウント設定」を選択
  • ドメインごとのメールアカウント一覧が表示される
  • アカウント数・ドメイン数を確認してメモしておく

💡 メールアカウントのパスワードはサーバーパネルからリセットできますが、元のパスワードを確認することはできません。Thunderbirdで接続する際にパスワードがわからない場合は、一度サーバーパネルからリセットして新しいパスワードを設定してください。

④⑤ アクセスログ・エラーログを取得する

ログはWebサーバーの「行動記録」です。誰がいつどのページにアクセスしたか(アクセスログ)、サーバーでどんなエラーが発生したか(エラーログ)が記録されています。セキュリティ調査・トラブルシューティング・不正アクセスの追跡に欠かせないデータです。

⚠️ ログの保存期間は限られています!エックスサーバーのアクセスログは通常30日分程度しか保管されていません。過去のログが必要な場合は、定期的にダウンロードして保管する習慣をつけましょう。

方法①:サーバーパネルからダウンロード(初心者向け)

  • サーバーパネルにログイン
  • 「アクセスログ」メニューを選択
  • ドメインを選択し、「ダウンロード」ボタンを押す
  • 同様に「エラーログ」も取得

この方法で取得できるのは最新のログのみです。日付を選んで取得したい場合はFTPを使います。

方法②:FTPでログフォルダを直接ダウンロード

FTPでサーバーに接続し、ログフォルダを丸ごとダウンロードします。

/home/(アカウントID)/log/(ドメイン名)/

  ├── access_log        ← 最新のアクセスログ

  ├── access_log.1.gz   ← 1日前

  ├── access_log.2.gz   ← 2日前

  ├── error_log         ← 最新のエラーログ

  └── error_log.1.gz    ← 1日前

FTPソフトで上記パスに移動し、logフォルダ内のすべてのファイルをダウンロードします。.gz形式の圧縮ファイルは7-Zip(Windows)またはターミナルの gunzip コマンドで解凍できます。

ログの読み方 ── アクセスログの基本

ダウンロードしたアクセスログを開くと、以下のような形式でデータが並んでいます(Apache Combined Log Format)。

203.0.113.42 – – [28/Mar/2026:10:23:15 +0900] “GET /wp-login.php HTTP/1.1” 200 1234 “-” “Mozilla/5.0…”

フィールド内容
IPアドレスアクセス元のIPアドレス203.0.113.42
日時アクセスした日時[28/Mar/2026:10:23:15 +0900]
リクエストHTTPメソッドとURLGET /wp-login.php HTTP/1.1
ステータスコードHTTPレスポンスコード200(成功)/ 404(未検出)/ 403(禁止)
レスポンスサイズ送信したバイト数1234
User-Agentブラウザ・ボットの種別Mozilla/5.0…

📌 不正アクセスの兆候チェック:/wp-login.php や /xmlrpc.php への大量アクセス(ブルートフォース攻撃)、見知らぬIPからの管理画面へのアクセスなどはセキュリティインシデントのサインです。ログを定期的に確認しましょう。

方法③:SSHで特定期間のログを抽出する

大量のログから特定の情報を抽出したい場合は、SSHでgrepコマンドを使うと効率的です。

# 特定IPからのアクセスをすべて抽出

grep '203.0.113.42' access_log

# 404エラーになったアクセスだけ抽出

grep '" 404 ' access_log

# wp-login.phpへのアクセスをすべて抽出(ブルートフォース確認)

grep 'wp-login.php' access_log | wc -l

# 特定日付のログだけ抽出(例:2026年3月28日)

grep '28/Mar/2026' access_log > log_20260328.txt

# アクセス数の多いIPランキングを表示

awk '{print $1}' access_log | sort | uniq -c | sort -rn | head -20

⑥ SSL証明書・各種設定情報を記録する

SSL証明書・Cronジョブ・メールアカウント一覧などの「設定情報」は、FTPやコマンドで自動的にダウンロードできるものではありません。しかし、サーバー移行や設定の再現に必要になることがあるため、手動で記録しておきましょう。

SSL証明書の確認と保存

エックスサーバーで独自SSL(Let’s Encrypt または 独自証明書)を使っている場合、証明書のファイル自体はサーバーパネルから直接ダウンロードできないことがあります。以下の方法で記録します。

方法A:サーバーパネルのSSL設定をスクリーンショット

  • サーバーパネル →「SSL設定」を開く
  • 各ドメインのSSL有効状態・証明書の種類・有効期限をスクリーンショットで保存

方法B:SSHで証明書ファイルを取得

# Let’s Encryptの証明書ファイルの場所

ls /etc/letsencrypt/live/(ドメイン名)/

  ├── cert.pem      ← サーバー証明書

  ├── chain.pem     ← 中間証明書

  ├── fullchain.pem ← フルチェーン

  └── privkey.pem   ← 秘密鍵(取り扱い注意!)

⚠️ privkey.pem(秘密鍵)は絶対に第三者に渡してはいけません。万が一流出すると、攻撃者があなたのサーバーになりすますことができます。バックアップする場合は暗号化して厳重に保管してください。

Cronジョブの設定を記録する

定期実行タスク(Cron)を設定している場合、その内容を記録しておきましょう。

  • サーバーパネル →「Cron設定」を開く
  • 設定されているCronジョブの一覧をスクリーンショットまたはテキストでコピー

# SSHから確認する場合

crontab -l

メールアカウント・メール転送設定の記録

  • サーバーパネル →「メールアカウント設定」→ 全アカウント一覧をスクリーンショット
  • 「メール転送設定」も確認して記録
  • 「迷惑メールフィルタ設定」「メール自動返信設定」も必要に応じて記録

よくある落とし穴と対策

バックアップ作業で多くの方が陥りがちな失敗をまとめました。作業前に必ず確認しましょう。

落とし穴起こりうる問題対策
DBを取らずにファイルだけDLWordPressが復元できない必ずphpMyAdminでSQL形式でエクスポート
FTPのみでメールを取得Maildir形式で読めないThunderbirdでIMAP同期してからエクスポート
ログの取得を後回しにする保存期間(30日)が過ぎて消える作業前に最初にログをDL
FTPのタイムアウト大量ファイルのDL中に切断自動バックアップ機能を使う、またはSSHでtar
秘密鍵を平文で保管流出時に深刻な被害7-Zipの暗号化機能で保管
バックアップの世代管理なし古いバックアップで上書き日付フォルダを作って世代管理する

バックアップを自動化する ── 定期実行のすすめ

手動バックアップは忘れがちです。エックスサーバーのCron機能と組み合わせて、自動化することを強くおすすめします。

エックスサーバーのCronで自動バックアップスクリプトを実行

以下のシェルスクリプトをサーバーに設置し、毎日深夜に自動実行する設定を行います。

#!/bin/bash

# auto_backup.sh ── 毎日深夜に実行するバックアップスクリプト

DATE=$(date +%Y%m%d)

BACKUP_DIR="/home/アカウントID/backup/$DATE"

mkdir -p $BACKUP_DIR

# ① Webサイトファイルをバックアップ

tar -czf $BACKUP_DIR/public_html_$DATE.tar.gz /home/アカウントID/ドメイン名/public_html/

# ② データベースをバックアップ

mysqldump -u DB名 -pパスワード DB名 | gzip > $BACKUP_DIR/db_$DATE.sql.gz

# ③ メールをバックアップ

tar -czf $BACKUP_DIR/mail_$DATE.tar.gz /home/アカウントID/mail/

# ④ ログをバックアップ

tar -czf $BACKUP_DIR/log_$DATE.tar.gz /home/アカウントID/log/

# 30日より古いバックアップを削除(ディスク容量節約)

find /home/アカウントID/backup/ -type d -mtime +30 -exec rm -rf {} \;

echo "[$DATE] Backup completed." >> /home/アカウントID/backup/backup.log
  • 上記スクリプトを /home/アカウントID/scripts/auto_backup.sh として保存
  • 実行権限を付与:chmod +x /home/アカウントID/scripts/auto_backup.sh
  • サーバーパネル →「Cron設定」→「Cronを追加」
  • 実行時刻:毎日 3:00(深夜3時・アクセスの少ない時間帯を選ぶ)
  • コマンド:/bin/bash /home/アカウントID/scripts/auto_backup.sh

✅ バックアップデータはサーバー上だけでなく、定期的にローカルPCやクラウドストレージ(Google Drive・Dropbox等)にもコピーしましょう。サーバー自体が障害を起こした場合でも復元できるようにするためです(3-2-1バックアップルール)。

まとめ ── バックアップ作業のチェックリスト

本記事の内容を、実際の作業手順としてまとめます。これを見ながら順番に進めれば、完全なバックアップが取得できます。

手順作業内容方法完了チェック
1FTPソフト・Thunderbirdをインストール事前準備
2FTP接続情報をサーバーパネルで確認事前準備
3Webファイルをダウンロード(自動バックアップ推奨)FTP or バックアップ機能
4DBをphpMyAdminでSQLエクスポートphpMyAdmin
5メールをThunderbirdでIMAP同期&ローカル保存Thunderbird
6アクセスログ・エラーログをダウンロードサーバーパネル or FTP
7SSL設定・Cron・メールアカウント一覧をスクリーンショット手動記録
8バックアップデータをクラウドや外付けHDDにコピーローカル保管
9自動バックアップスクリプトをCronに登録任意・推奨

「サーバーのデータを全部取りたい」というシンプルな要望でも、実際にはWebファイル・DB・メール・ログと複数の場所に分散しています。それぞれの特性を理解して、一つひとつ丁寧に取得することが完全なバックアップへの道です。

特に「DBを忘れない」「メールはThunderbirdで」「ログは早めに」の3点は必ず覚えておいてください。この記事を参考に、定期的なバックアップ習慣を身につけましょう。

本記事の情報はエックスサーバーの仕様に基づいています。サーバーパネルの画面やパスは変更になる場合があります。最新情報は公式サポートページでご確認ください。

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