はじめに(小学生でもわかる話)
みなさんは、いつもと同じ道を通って学校や会社に行きますよね。
もしある日、真夜中に、知らない道を通って、知らない場所へ行こうとしたら、
家族は「ちょっと待って、大丈夫?」と心配するはずです。
実は、インターネットバンキングも同じように行動を見ています。
「この人、いつもと違うぞ?」
「なんだか怪しいぞ?」
そう思ったときに、不正な振込や不正ログインを止める仕組みがあるのです。
ふるまい検知ってなに?(行動チェック)
小学生向けに言うと
いつもと違う動きをしたら気づく仕組みです。
実際の専門用語
この仕組みは、不正検知システム(Fraud Detection System:FDS)と呼ばれています。
たとえば…
- いつもは日本からログイン
- いつもは昼間に操作
- いつもは10万円以下の振込
こんな人が、
- いきなり海外から
- 深夜3時に
- 300万円を
- 初めての相手に振り込もうとした
すると銀行のシステムは、
「これは危ないかもしれない」
と判断します。
根拠(信頼できる理由)
金融庁の
「主要行等向けの総合的な監督指針」では、
不正送金を早期に発見するための取引モニタリング体制
を整えることが、銀行に求められています。
最近ではAIが、数千万件以上の過去データから
「犯罪に多い行動パターン」を学び、
リアルタイムで点数(リスクスコア)をつけて、
危険な取引を止めています。
IPアドレスと端末情報のチェック
かんたんに言うと
どこから・どんな機械で使っているかを見る仕組みです。
専門的には?
これは リスクベース認証 と呼ばれる考え方です。
銀行は、
- IPアドレス(国・地域)
- OSの種類(Windows、iPhoneなど)
- ブラウザの種類
- 言語設定
- 端末のクセ
を組み合わせて、
「いつもの本人らしさ」
を判断しています。
この仕組みは
デバイス・フィンガープリント(端末の指紋)とも呼ばれます。
マウスの動きや入力スピードも見ている
これは最新技術
生体行動認証(Behavioral Biometrics)です。
人は、
- キーボードを打つリズム
- マウスの曲線的な動き
- スマホを操作する速さ
に、それぞれクセがあります。
なぜ見抜けるの?
ウイルスや自動プログラム(BOT)は、
- 動きが直線的
- 速すぎる
- 迷いがない
という特徴があります。
そのため、
「これは人じゃない操作だ」
と判断され、不正アクセスとして止められるのです。
※この技術は、実際にメガバンクなどで導入が進んでいます。
振込先もチェックしている
見ていないわけがありません
銀行は、
- 初めての振込先
- 短期間に大量の入金がある口座
- 開設してすぐ多額のお金が動く口座
を特に警戒しています。
根拠
警察庁や
全国銀行協会(全銀協)と連携し、
- 不正に使われた口座リスト
- 被害報告のある口座情報
と照合しています。
最近では、
「この口座は過去に被害報告があります」
と、警告を出す共同システムも使われています。
それでも詐欺がなくならない理由
理由① 本人が操作してしまう
特に多いのが
フィッシング詐欺です。
- 本物そっくりの銀行サイト
- 「至急対応してください」というSMS
にだまされ、
本人が自分でログインをしてしまいます。
犯人は、犯人の作った偽の銀行サイトに送られてきたIDとパスワードを盗んでしまいます。
理由② 安全と便利さのバランス
少しでも怪しかったら全部止めると、
- 旅行中
- 引っ越し直後
- 急な高額支払い
でも使えなくなります。
銀行は、
安全すぎても不便、便利すぎても危険
という難しいバランスの中で運用しています。
最後の砦「多要素認証」
振込の最後に、
- スマホアプリで承認
- ワンタイムパスワード入力
を求められることがあります。
これは 多要素認証 と呼ばれ、
👉 最後の砦(とりで) です。
たとえパスワードが盗まれても、 本人のスマホが手元になければ送金できません。
まとめ
- 行動分析(FDS)は実在し、金融庁指針にも基づく
- IP・端末チェックはリスクベース認証
- 入力のクセを見る生体行動認証も実用化
- 振込先は警察・全銀協と連携して監視
技術的な防御は、すでに高いレベルにあります。
私たちができる一番の防御
- 急がせる連絡は疑う
- SMSや電話での振込指示は要注意
- 迷ったら、家族や銀行に相談
「おかしいかも?」
と思ったら、止まる勇気が最大のセキュリティです。
おわりに
インターネットバンキングは、
- 行動
- 場所
- 端末
- 振込先
を総合的に見て、不正を防いでいます。
それでも防ぎきれないのは、 人の心を狙う攻撃があるからです。
だからこそ、
システム × 人の注意
この2つがそろって、はじめて本当の安全になります。
なくならない不正送金
これだけの検知システムがあってもなくらない不正送金の被害があるということも、忘れないでください。

銀行、証券、クレジットカードにかかわる被害を下記にまとめたよ。
いずれも、右肩上がりで企業のセキュリティ対策が間に合っていないことがわかる。



引用元:警察庁「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
」 https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7kami/R07_kami_cyber_jyosei.pdf

企業に頼らずに自分でセキュリティ知識を上げることが大事にゃん



コメント