「どうやってパスワードをハッキングするの?」
そう疑問に思うこと自体が、実は最強のセキュリティ対策の第一歩です。
なぜなら、攻撃者の手口を知ることは
泥棒の侵入経路を知って、先に鍵を強化することと同じだからです。
現代のハッカーは、運や勘でパスワードを当てているわけではありません。
AI・専用ツール・自動化を使い、「効率の良い作業」として大量のアカウントを狙っています。
この記事では、サイバーセキュリティの専門家の視点から
「よく使われる4つの代表的手口」と、それぞれの防御策を、専門知識がなくても理解できる形で解説します。

「数」で攻める計算攻撃
― ブルートフォース・辞書攻撃・AI解読 ―
短く単純なパスワードは、もはや人間ではなく「機械」に破られます。
どんな手口?
ハッカーは、人間では不可能なスピードで
パスワードを試し続ける「自動ツール」を使います。
- ブルートフォース攻撃(総当たり)
aaa → aab → aac…と、すべての組み合わせを機械的に試す方法
6桁程度なら数秒〜数分 - 辞書攻撃
「password」「123456」「qwerty」など
よく使われる単語リストを使って効率的に突破 - AIによる解読(例:PassGAN系)
人間が作りがちな
・誕生日
・単語+数字
・大文字1文字だけ
といったクセを学習して高速解読
言い換えると
これは、ダイヤル式の鍵を
「0001、0002…」と一瞬で回し続け全自動鍵開けロボットです。
防御策
- 12〜16文字以上の長さを確保する
- 単語+数字だけの構成を避ける
→ 長さは計算攻撃に対する最強の防御
「偽物」で騙す心理攻撃
― フィッシング詐欺 ―
技術的に破れないなら、人を騙す。
これが最も成功率の高い攻撃です。
どんな手口?
- 銀行・Amazon・SNSを装った
「重要なお知らせ」メール - 本物そっくりの偽ログイン画面へ誘導
- 入力したID・パスワードが即座に盗まれる
さらに最近は、
- 偽画面に2段階認証コードまで入力させ
- その場で本物のサイトにログインする
というリアルタイム中継型(別名:リアルタイムフィッシング)も増えています。
言い換えると
本物の銀行員を名乗って訪問し、
「点検のため暗証番号を教えてください」と言う詐欺師と同じです。
防御策
- メールのリンクからログインしない
- URL(ドメイン)を必ず確認
- MFA(多要素認証)+パスキーを優先利用
「ミス」を突く使い回し攻撃
― クレデンシャルスタッフィング ―
パスワードの使い回しは、最大のリスク要因です。
どんな手口?
- どこかから流出した
ID+パスワードのリストを入手 - それを
Amazon / 楽天 / 銀行 / SNS などに
自動で総当たりログイン
1サイトの流出が、全サービス乗っ取りに直結します。
言い換えると
- 家の鍵
- 金庫の鍵
- 車の鍵
これらを全部同じ鍵にしている状態です。
防御策
- サイトごとに完全に別のパスワード
- 人力管理は不可能 → パスワードマネージャー必須
「裏」から盗む技術攻撃
― キーロガー・セッションハイジャック ―
正しいパスワードを使っていても、端末が汚染されていれば意味がありません。
どんな手口?
- キーロガー
ウイルスを仕込み、キーボード入力をすべて記録 - セッション・ハイジャック
ログイン後に発行される
「通行証(セッションID)」を盗み、
パスワード不要でなりすましログイン
防御策
- OS・ブラウザ・アプリを常に最新に
- 信頼できないソフトを入れない
- セキュリティ機能(Defender等)を無効化しない
まとめ|ハッキングから身を守る4つのアクションプラン
| 優先度 | 対策 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| ★★★ | 12〜16文字以上の長いパスワード | 総当たり攻撃を現実的に不可能に |
| ★★★ | 多要素認証(MFA) | パスワード漏洩後の最終防壁 |
| ★★★ | パスワードマネージャー | 使い回しを物理的に防止 |
| ★★☆ | OS・ソフトの更新 | マルウェア侵入経路を遮断 |



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