家庭用NASは本当に安全?知らないと危険なNASセキュリティ対策をわかりやすく解説

家庭用NASは本当に安全?知らないと危険なNASセキュリティ対策をわかりやすく解説​ 個人・家庭のセキュリティ

「家族の写真や動画をまとめて保存できて便利」
「クラウド代わりに使えるって聞いた」

そんな理由で家庭用NAS(ナス)を使っている、または検討している方も多いと思います。

ですが実は、家庭用NASは設定を間違えると“とても危険な機器”になります。
この記事では、なぜNASが狙われるのか、何が危険なのか、どう守ればいいのかを、できるだけわかりやすく解説します。

家庭用NASが狙われる流れ

  1. 家庭用NASとは?便利さの裏にある“落とし穴”
  2. 家庭用NASが狙われる理由【実際に起きている脅威】
    1. 24時間電源が入っている
    2. セキュリティ設定が甘い家庭が多い
    3. 個人データの宝庫
  3. 実際に起きている家庭用NASの被害事例
    1. 写真・動画の流出
    2. ランサムウェア被害
    3. 犯罪の踏み台にされる
  4. 危険度が一気に上がるNG設定・使い方
    1. 見落とされがちな最大の罠:UPnP
  5. 最低限やるべき家庭用NASセキュリティ対策【初心者向け】
    1. 強いパスワードを設定する
    2. 2段階認証を有効にする
    3. 外部公開はしない(またはVPNを使う)
    4. 自動アップデートを有効にする
    5. 初期ユーザー名「admin」を使わない【重要】
    6. 物理的な盗難対策も忘れない
      1. ケンジントンスロットによる盗難防止
    7. NAS標準のセキュリティアプリを導入・設定確認
    8. 外部からの侵入を防ぐネットワーク防御
      1. ファイアウォール設定
      2. NASが不必要に外部公開されていないか
    9. 自動ブロックとアカウント保護(ブルートフォース対策)
      1. 自動ブロックの有効化
      2. アカウント保護の有効化
    10. 通信を守る:暗号化された接続(HTTPS / SSL)
      1. HTTPSを必ず使用
      2. その他の暗号化ポイント
    11. ルーター側のポート開放は「最小限」に
    12. DoS(サービス拒否)攻撃への備え/DoS保護を有効化
    13. デフォルト管理ポートの変更
    14. 特定の国からのアクセスを遮断(ジオブロック)
    15. ログイン失敗時の自動ブロック
  6. セキュリティ設定のチェックリスト
    1. ① アカウント・パスワード編(最重要)
    2. ② 外部アクセスの基本ルール
    3. ③ アップデート・基本防御
    4. ④ ネットワーク防御(侵入対策)
    5. ⑤ ブルートフォース(総当たり)攻撃対策
    6. ⑥ 通信の暗号化(盗聴対策)
    7. ⑦ ルーター・ポート設定
    8. ⑧ 攻撃トラフィック対策
    9. ⑨ 国別・地域別アクセス制限
    10. ⑩ 物理的な盗難対策
    11. ⑪最終チェック
  7. メーカー別に注意すべきポイント(Synology / QNAP など)
  8. NASとクラウド、どちらが安全?正しい使い分け
    1. NASが向いている人
    2. クラウドが向いている人
  9. 小学生でもわかる!NASを安全に使う3つの約束
  10. RAIDシステムの搭載により冗長化を実現する仕組み
    1. RAIDの役割は「故障対策」
    2. 家庭用NASでよく使われるRAIDレベル
  11. 重要:RAIDは「バックアップ」ではない
  12. NAS内データのウイルス感染防止も重要
    1. NASがウイルスに感染する主な経路
    2. 対策として有効なポイント
  13. 暗号化前の正常なデータを残せるバックアップ方式を選ぶ
    1. 世代管理(バージョン管理)ができるバックアップ
  14. クラウドバックアップという選択肢
    1. メリット
    2. 注意点
  15. NASからNASへのバックアップ(テラステーション同士など)
    1. NAS間バックアップの強み
  16. 最も安全な構成まとめ(家庭〜小規模向け)
  17. まとめ|家庭用NASは「便利」だが「放置」が一番危険

家庭用NASとは?便利さの裏にある“落とし穴”

NASとは、簡単に言うと
「家の中に置く、みんなで使えるデータ保管庫」です。

  • 写真・動画の保存
  • パソコンやスマホのバックアップ
  • 外出先からのデータアクセス

とても便利ですが、ここで大事なポイントがあります。

NASは小さな“サーバー”
インターネットにつながることが多い

つまり、正しく守らないと
「家の金庫を玄関先に置いて、鍵をかけ忘れている」
ような状態になることがあるのです。


家庭用NASが狙われる理由【実際に起きている脅威】

攻撃者(ハッカー)は、次のような理由で家庭用NASを狙います。

24時間電源が入っている

パソコンと違い、NASは常に動いています。
これは攻撃者にとって好都合です。

セキュリティ設定が甘い家庭が多い

  • 初期パスワードのまま
  • 更新していない
  • よくわからないまま外部公開

守られていない機器」が大量に存在する

個人データの宝庫

家族写真、動画、仕事の資料など
攻撃者にとって価値のあるデータが詰まっているからです。


実際に起きている家庭用NASの被害事例

「自分は大丈夫」と思っている人ほど要注意です。

写真・動画の流出

NASが不正アクセスされ、
家族写真や動画が外部に漏れたケースがあります。

ランサムウェア被害

ある日突然、
「データを元に戻したければお金を払え」
と表示され、中身がすべて暗号化される被害。

犯罪の踏み台にされる

自分のNASが知らないうちに
他人を攻撃するための中継点として使われることもあります。


危険度が一気に上がるNG設定・使い方

次のうち、1つでも当てはまったら要注意です。

  • 初期パスワードのまま使っている
  • インターネットから直接アクセスできる設定にしている
  • 更新(アップデート)を何年もしていない
  • 管理画面に誰でも入れる状態
  • 「よくわからないけどそのまま使っている」

「便利そうだから」で設定したまま放置
これが一番危険です。

見落とされがちな最大の罠:UPnP

UPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイとは、
ルーターが自動で通信設定を行う仕組みです。

これが有効だと、

自分では設定していないのに
NASが自動的にインターネット公開される

という事態が起こります。

「何もしていないのに危険な状態」
これがUPnPの怖さです。


最低限やるべき家庭用NASセキュリティ対策【初心者向け】

ここからは「これだけはやってほしい」対策です。

強いパスワードを設定する

  • 12文字以上
  • 英大文字・小文字・数字・記号を混ぜる
  • 他のサービスと使い回さない

2段階認証を有効にする

ログイン時に
パスワード+スマホ確認
を求める仕組みです。

パスワードが漏れても突破されにくくなります。

外部公開はしない(またはVPNを使う)

「外からNASに直接アクセス」は非常に危険。

  • どうしても必要 → VPNを利用
  • 使わない → 完全にオフ

自動アップデートを有効にする

更新は「面倒」ではなく
穴を塞ぐ大事な作業です。

初期ユーザー名「admin」を使わない【重要】

多くのNASは、管理者ユーザー名が admin です。

これは攻撃者にとって「最初から分かっている入口」。

adminを無効化
自分専用の管理者アカウントを新規作成

これだけで、攻撃成功率は大きく下がります。

物理的な盗難対策も忘れない

ケンジントンスロットによる盗難防止

NASは盗まれたら終わりです。

  • 本体背面のケンジントンスロットを利用
  • ワイヤーロックで固定
  • 物理盗難によるデータ流出を防止

NAS標準のセキュリティアプリを導入・設定確認

まず確認すべきポイント:

  • NAS標準のセキュリティアプリを導入しているか
  • 定義ファイル・スキャン設定が適切に有効化されているか

「入れて安心」ではなく、設定が正しいかが重要です。

外部からの侵入を防ぐネットワーク防御

ファイアウォール設定

  • NAS内蔵ファイアウォールを有効化
  • 必要な通信のみ許可

NASが不必要に外部公開されていないか

  • 使っていないポートが開いていないか
  • インターネットに直接晒していないか

自動ブロックとアカウント保護(ブルートフォース対策)

自動ブロックの有効化

一定回数ログイン失敗すると、
攻撃元IPアドレスを自動でブロックできます。

対象サービス例:

  • SSH / FTP / WebDAV
  • DSM / File Station
  • Synologyモバイルアプリ など

アカウント保護の有効化

ブルートフォース攻撃から
ユーザーアカウント自体を保護します。

対応サービス:
DSM、File Station、Audio / Video Station、Cloud Station など

通信を守る:暗号化された接続(HTTPS / SSL)

HTTPSを必ず使用

  • DSM管理画面(Synology)
  • Synology Drive / Photos / Chat など

設定例:

  • HTTP → HTTPS 自動リダイレクト
  • HSTS(※同時有効はNG)

SSL証明書は必ず有効なものを設定してください。

その他の暗号化ポイント

共有フォルダ同期 → SSH暗号化

FTP → FTPS / SFTP

Hyper Backup → 転送暗号化を有効

ルーター側のポート開放は「最小限」に

NASは便利ですが、
公開ポートが多い=攻撃対象が増える ということ。

対策:

  • 必要なサービスのポートのみ開放
  • 不要なポートは即閉鎖

DoS(サービス拒否)攻撃への備え/DoS保護を有効化

効果:

  • 異常なPing・大量通信を自動制限
  • NASのダウンを防止

デフォルト管理ポートの変更

攻撃者はデフォルトポートを最初に狙います

代表的な初期値:

  • HTTP:5000
  • HTTPS:5001
  • SSH:22

特定の国からのアクセスを遮断(ジオブロック)

  • 業務上アクセス不要な国をブロック
  • 海外IP経由の攻撃を大幅に削減

ログイン失敗時の自動ブロック

  • 連続失敗 → IP自動遮断
  • パスワード総当たり攻撃を防止
やさい
やさい

ここまでで、セキュリティ設定にうんざりしていないですか。

これを設定しない、できないなら「クラウドサービス」を使うことをお勧めする。

安全ねこ
安全ねこ

大変だから、ぎゅっとまとめて、チェックリスト型にしといたにゃ

セキュリティ設定のチェックリスト

① アカウント・パスワード編(最重要)

強いパスワードを設定している
(12文字以上・英大文字/小文字/数字/記号を混在)

使い回しパスワードを使っていない

初期ユーザー名「admin」を使っていない【重要】

2段階認証(2FA)を有効にしている


② 外部アクセスの基本ルール

NASを直接インターネットに公開していない

外部から使う場合はVPN経由にしている

使っていないリモートアクセス機能を無効化している


③ アップデート・基本防御

NASのOS(DSMなど)が自動アップデート設定になっている

NAS標準のセキュリティアプリを導入している

セキュリティアプリの設定・定義更新を確認した


④ ネットワーク防御(侵入対策)

NAS内蔵ファイアウォールを有効にしている

必要な通信だけ許可するルールになっている

NASが不必要に外部ネットワークへ公開されていない


⑤ ブルートフォース(総当たり)攻撃対策

ログイン失敗時の自動ブロックを有効にしている

アカウント保護機能を有効にしている

管理画面への不正ログイン対策が有効


⑥ 通信の暗号化(盗聴対策)

DSM管理画面はHTTPS接続のみ使用している

HTTP→HTTPS自動リダイレクトを有効にしている

有効なSSL証明書を設定している

FTPではなくFTPS / SFTPを使用している(該当者)


⑦ ルーター・ポート設定

ルーターで開放しているポートは最小限

使っていないポートはすべて閉じている

デフォルト管理ポートを変更している


⑧ 攻撃トラフィック対策

DoS(サービス拒否)保護を有効にしている

異常な通信が来た場合に制限される設定になっている


⑨ 国別・地域別アクセス制限

特定の国からのアクセスを遮断(ジオブロック)している

海外アクセスが不要な構成になっている


⑩ 物理的な盗難対策

NAS本体を簡単に持ち去れない場所に設置している

ケンジントンスロットでワイヤーロックしている


⑪最終チェック

「もし今ランサムウェアに感染しても、復旧できる自信がある」


メーカー別に注意すべきポイント(Synology / QNAP など)

有名メーカーでも過去に大きな被害が起きています。

  • 脆弱性(セキュリティの穴)は必ず出る
  • 「有名だから安全」は間違い
  • 重要なのは使い方と管理

メーカー任せにせず、利用者が守る意識を持つことが重要です。


NASとクラウド、どちらが安全?正しい使い分け

NASが向いている人

  • 家族内でデータ共有したい
  • 月額費用をかけたくない
  • 自分で管理できる

クラウドが向いている人

  • 管理が苦手
  • セキュリティは任せたい
  • 外出先からよく使う

NAS+クラウド併用が最も安全なケースも多いです。


小学生でもわかる!NASを安全に使う3つの約束

  1. 知らない人に見せない
  2. 鍵(パスワード)を強くする
  3. 壊れても困らないようにコピーを取る

これだけ覚えておけばOKです。


やさい
やさい

次は、データの保存方法について説明するよ。

RAIDシステムの搭載により冗長化を実現する仕組み

多くのNASには、RAID(レイド)と呼ばれる仕組みが搭載されています。
RAIDとは Redundant Arrays of Inexpensive Disks の略で、
複数のHDD(またはSSD)を組み合わせてデータを保存する技術です。

RAIDの役割は「故障対策」

RAIDの最大の目的は、HDDの故障に備えることです。

たとえば、

  • HDDが1台壊れても
  • すぐにデータが消えない
  • 交換すれば復旧できる

という「冗長化(じょうちょうか)」を実現します。

家庭用NASでよく使われるRAIDレベル

家庭・小規模用途のNASでは、主に次のRAIDが使われます。

  • RAID1
    → 同じデータを2台のHDDに同時保存(ミラーリング)
  • RAID5
    → 3台以上のHDDでデータを分散保存し、1台故障まで耐えられる

RAIDのレベルによって、

  • 信頼性
  • 容量効率
  • 読み書き速度

が異なります。


重要:RAIDは「バックアップ」ではない

ここは非常に重要なポイントです。

RAIDは
❌ ウイルス感染
❌ ランサムウェア
❌ 誤操作による削除
❌ 不正侵入

には 無力 です。

たとえば、ランサムウェアに感染すると、

暗号化されたデータが、すべてのHDDに同時に書き込まれる

つまり、
RAIDを組んでいても一瞬で全滅します。

RAIDは
「HDD故障対策」
「データ保全対策」ではない

この誤解が、被害を大きくします。


NAS内データのウイルス感染防止も重要

NASはパソコンほど頻繁に操作しないため、
感染に気づきにくいという特徴があります。

NASがウイルスに感染する主な経路

  • パソコン経由で感染したファイルを保存
  • 外部公開設定の悪用
  • 脆弱性を突かれた侵入

対策として有効なポイント

  • NAS対応のウイルス対策機能を有効化
  • ファームウェアを常に最新に保つ
  • 不要なサービス・共有を停止
  • adminアカウントの無効化

NASは「置いたら終わり」ではなく、守る機器です。


暗号化前の正常なデータを残せるバックアップ方式を選ぶ

ランサムウェア対策で最も重要なのは、

感染前の状態に戻せること」

です。

世代管理(バージョン管理)ができるバックアップ

  • 昨日
  • 先週
  • 先月

といった 過去の状態を残せる方式 を選ぶことで、
暗号化前の正常なデータを復元できます。


クラウドバックアップという選択肢

クラウドバックアップは、

  • 災害
  • 盗難
  • 全損

にも強いのが特徴です。

メリット

  • NASが壊れてもデータは残る
  • 物理的被害に強い
  • 自動化しやすい

注意点

  • 月額費用がかかる
  • アップロードに時間がかかる
  • 重要データだけを選別すると現実的

「全部クラウド」ではなく、重要データのみが現実解です。


NASからNASへのバックアップ(テラステーション同士など)

もう一つ、非常に強力なのが
NAS → NAS のバックアップです。

たとえば、

  • メインNAS(普段使い)
  • バックアップNAS(電源OFF・別室)

という構成です。

NAS間バックアップの強み

  • ランサムウェア感染時、切り離せば被害を防げる
  • 大容量データでも高速
  • クラウドよりコストを抑えられる

特に テラステーション同士 など、
同一メーカー製NASでは管理も容易です。


最も安全な構成まとめ(家庭〜小規模向け)

おすすめの考え方は次の通りです。

  • NAS内:RAIDでHDD故障に備える
  • NAS外:
    • 外付けHDD
    • クラウド
    • もう1台のNAS

「1か所にしか存在しないデータは、存在しないのと同じ」

引用元:Synologyナレッジセンター https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/tutorial/How_to_add_extra_security_to_your_Synology_NAS

まとめ|家庭用NASは「便利」だが「放置」が一番危険

家庭用NASは、正しく使えばとても便利な機器です。
しかし、

  • 何もしない
  • よくわからないまま使う
  • 初期設定のまま放置する

これが最大のリスクになります。

「知らなかった」では済まされない時代です。
家庭のデータは、家庭で守る
その第一歩として、ぜひ見直してみてください。

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