③【令和6年版・警察庁調査の徹底考察】なぜ組織のセキュリティ対策は進まないのか?―「コスト・人材・終わりの見えない不安」を断ち切る現実的アプローチ

企業のセキュリティ

「セキュリティ対策が重要なのは分かっている。でも、どこまでやれば十分なのか分からない」
「人もお金も足りない中で、これ以上は手が回らない」

これは、多くの企業・団体が共通して抱えている“本音”ではないでしょうか。
実際、近年の調査結果から見えてきた課題は、最新技術の不足ではなく、組織構造そのものが生む“停滞”にあります。

本記事では、調査結果をもとに

  • 組織が抱えるセキュリティ不安の正体
  • なぜ対策が「点」で止まってしまうのか
  • 現実的に不安を解消するための具体策

を、専門知識がなくても理解できる形で解説します。

引用元:https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/pdf/R6countermeasures.pdf


セキュリティ対策の問題は「技術」ではなく「構造」にある【結論】

3つの構造的問題

多くの組織のセキュリティ対策が進まない原因は、
①コスト・人材不足、②経営層の認識不足、③対策のゴールが見えない不安
という3つの構造的問題に集約されます。

理由

最新の攻撃は高度化していますが、被害の多くは

  • パスワード管理の不備
  • 教育不足
  • 初動対応の遅れ

といった「基本動作の欠如」から発生しています。
つまり、技術以前に組織としての判断と運用が追いついていないのです。


組織が抱えるセキュリティ不安の全体像【一覧で整理】

大項目具体的な問題点・不安
人的・組織的課題専門人材が不足/兼務で対応できない/経営層の理解不足
コスト・投資課題費用対効果が不明確/製品が高額で、中小規模の組織では導入が難しい/直接利益を生まないため、予算取得の優先順位が低い
技術・運用の不安攻撃が巧妙化し、自社の対策がどこまで有効か見えない/パッチ不具合が怖い/利便性とセキュリティの両立(多要素認証の手間など)への反発
外部・環境課題サプライチェーン(取引先・子会社)の対策レベルの低さ/海外拠点・テレワーク管理の難しさ

ポイント:「怖い」「分からない」「責任を取りたくない」という心理的要因

注目すべきは、「怖い」「分からない」「責任を取りたくない」という心理的要因が、すべての項目に共通している点です。


なぜ対策はいつも「途中」で止まるのか?【課題構造の可視化】

セキュリティ対策の停滞サイクル(図解イメージ)

【経営・投資の壁】                  【現場・実務の壁】
経営層の意識不足  ───→  専門人材の不在
(コストと認識)      [予算不足]    (兼務による疲弊)
      ↑                                   |
      |                                   | 対策の遅延
[効果が不明確]                            ↓
      |                          攻撃の高度化・巧妙化
      +───────────────→(どこまでやるべきか不安)

結果

  • 単一の対策だけ導入(アンチウイルスのみ等)
  • 属人化した対応
  • インシデント時に場当たり的な対応

という点のセキュリティ」から抜け出せなくなります。


不安を現実的に解消するための3つのアプローチ

① 組織・人的課題への対策

教育を実施しない理由
人材確保施策

結論:内製にこだわらないことが最短ルート

  • 教育の強化と外部リソースの活用:社内に指導者がいない場合(51.6%)、外部セミナーの受講(49.5%)や公的機関(IPA、警察庁等)の教材を活用してリテラシーを底上げする。
  • 経営層には「技術」ではなく事業リスクとして説明
    • 情報漏えい時の信用失墜
    • 取引停止・損害賠償リスク

セキュリティは「ITの話」ではなく「経営判断」

教育内容
やさい
やさい

まずは、上位のお題から教育コンテンツの作成OR入手をすることがおすすめ。

更に、お題ごとに「上級・中級・初級」のレベル分けをして、初心者でも初級から勉強しやくすしてあげましょう。

② 技術・運用の不安への対策

結論:完璧を目指さない

優先順位に基づいた「身の丈」の対策:効果が高い基本対策は明確です。

  • データのバックアップ
  • ウイルス対策ソフトの導入
  • 多要素認証の有効化
  • パスワード管理の徹底

例えるなら、
「最新の防犯システムより、まず玄関の鍵を閉める
これが最も費用対効果の高い対策です。

さらに、

  • 事故対応マニュアルの整備(51.4%が実施)
  • ログの長期保管(1年超を推奨)

により、「侵入されない」前提から「被害を最小化する」発想へ切り替えます。

対策
対策
やさい
やさい

他の企業が考えている優先順位がわかるね。

まずは、上位のものから自社が対策できているか確認しましょう。


③ 公的支援・ガイドラインの活用

結論:「ゴール」を他人に決めてもらう

  • IPAや公的機関のガイドラインを参照
  • 「最低限ここまでやればOK」という基準を設定
  • JPCERT/CCや警察など、相談先を把握しておく

判断を一人で抱え込まないことが、不安解消の最大の近道です。

IPA:https://www.ipa.go.jp

JPCERT:https://www.jpcert.or.jp

NISC:https://www.cyber.go.jp


まとめ:最大の対策は「日常動作の徹底」

調査結果から明らかなのは、
被害を受けた組織ほど、事後に「基本対策」に戻っているという事実です。

  • パスワードの再設定
  • 教育の強化
  • 運用ルールの見直し

セキュリティ対策に「終わり」はありません。
しかし、「不安が消えるライン」は設定できます。

まずは、

  • できること
  • 効果が高いこと
  • 説明できること

から始めることが、最も現実的で持続可能な対策です。

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