セキュリティ資格3分類|採用担当89%のデータで比較

🎓 一次データで選ぶ 2026年版

サイバーセキュリティ資格は
結局どれが効くのか

採用担当の89%が資格保有者を選ぶ。一方で、資格を1つだけ持つ人の多くは「実務で使う機会がない」と答える。
この落差を、公式統計と国際調査だけで説明します。

🏷️ 登録セキスペ 🏷️ CISSP 🏷️ OSCP 🏷️ 難易度・費用・年収 🏷️ 目的別ルート

■ 結論(先に5行で)

  1. 資格は効きます。採用担当の89%が資格保有者を採用したいと答え、四年制大学卒を考慮する52%を上回っています。学歴より資格が見られている領域です。
  2. ただし1つだけでは効きません。複数保有者は「昇進に直結した」と答え、単一保有者は「実務で使う機会が少ない」「会社の評価が低い」と答えます。
  3. 資格は3種類に分かれます。制度で効く(入札要件になる)/市場で効く(転職と報酬)/実務で効く(手が動く証明)。この区別をしないと選べません。
  4. 公式統計で見ると、情報処理安全確保支援士は年7,333名が合格しているのに、登録者は年約2,400名しか増えていません。ボトルネックは試験ではなく維持です。
  5. だから資格選びの基準は「取れるか」ではなく「3年後も払い続け、使い続けられるか」。維持費と実務機会をセットで見てください。
01

📈 そもそも資格は効くのか

「資格は意味がない」も「資格があれば安泰」も、どちらもデータとは合っていない。

🤨

採用する側は、実際に何を見ているのか

Fortinetが29の国・地域のIT意思決定者1,850人に実施した2025年の調査に、採用時の判断材料がはっきり出ています。結論から言うと、セキュリティ分野において資格は学歴より重視されています。

▼ 図1:採用担当者は資格をどう見ているか(Fortinet 2025/29の国・地域、1,850人)
項目割合
資格保有者を採用したい
89%
資格を見る理由:意識と知識の証明になる
67%
資格を見る理由:進化する脅威に追随できている証
61%
資格を見る理由:ベンダー製品への習熟
56%
採用時に専門資格を考慮する
65%
採用時に四年制大学卒かを考慮する
52%

下の2行が重要です。資格を考慮する65%が、学歴を考慮する52%を上回っています。セキュリティは、学歴フィルターより資格フィルターのほうが強く働く数少ない職域だということです。学歴で不利を感じている人にとって、これは明確な追い風になります。

ただし「1つ取って終わり」はほとんど効かない

一方で、資格を過大評価しないための数字もあります。JNSA/ISEPAが2026年3月に公表した調査(全国のセキュリティ関連業務従事者1,000人)では、何らかの資格保有者は65%、セキュリティ資格の保有者は32%。そして、保有数によって体験がはっきり分かれました。

複数保有者

ポジティブな記述が多い

「キャリアアップや昇進に直結した」「業務の幅が広がった」「社内外で信頼されるようになった」「複数を組み合わせることで専門性や市場価値が高まった」「学び直しの意欲が続く」

単一保有者

効果は限定的

「昇進や転職時に有利だった」という声もある一方で、「実務で使う機会が少ない」「会社の評価が低い」「自己満足にとどまる」「一つだけではキャリアの幅が広がりにくい」

🔑

ここから導かれる原則

資格は単体ではなく「組み合わせ」と「使う機会」とセットで初めて効く。同じ調査で当事者が挙げた必要な支援の筆頭は「取得資格を活かせる業務やプロジェクトへの優先配置」でした。取ることより、取ったあとに使わせてもらえるかが効果を決めています。

02

🧭 「有用」を3つの物差しに分ける

性質の違う資格を一列に並べるから、比較が噛み合わなくなる。

「どの資格が一番いいですか」という問いに一つの答えが出ないのは、資格の効き方が3系統に分かれているからです。目的が違えば、正解も変わります。

📊 図2:資格が効く3つの経路

制度で効く 「ないと参加できない」 ・入札仕様書の配置要件 ・法律上の名称独占 ・社内規程・監査要件 情報処理安全確保支援士 CompTIA Security+ (米国防総省の承認資格) 効く相手:発注者・監査・人事 市場で効く 「報酬レンジが上がる」 ・転職市場での共通言語 ・グローバル案件の前提 ・管理職への橋渡し CISSP CISM / CISA (実務経験の年数が要件) 効く相手:採用担当・経営 実務で効く 「手が動く証明になる」 ・実技試験で技能を直接証明 ・現場の技術者に伝わる ・不足スキル領域に直結 OSCP / GIAC クラウド系(SC-200 等) (不足スキル2位=クラウド) 効く相手:現場・技術評価者

自分がどの相手に評価されたいのかを決めれば、選ぶべき列は自動的に決まる。3列を同時に狙うのは、費用と時間の両面で現実的ではない。

いま不足しているスキルが、そのまま資格の地図になる

どの領域を選ぶかで迷ったら、需要側のデータを見るのが早道です。ISC2が2025年に実施した調査(回答者16,029人)で挙がった不足スキルの上位は次の通りでした。

🤖

AI|41%

不足スキル第1位。対応する定番資格はまだ確立途上

☁️

クラウド|36%

AWS・Azure系とCCSPが直撃する領域

⚖️

リスク評価|29%

支援士・CISM・CRISCの土俵

🧱

アプリセキュリティ|28%

診断・セキュア開発。実技系が効く

セキュリティエンジニアリング27%、GRC 27%が続きます。AIとクラウドが上位2つという事実は、これから資格を選ぶ人にとって重要な示唆です。伝統的な資格だけで固めるより、クラウド系を1本混ぜたほうが需要と噛み合います。

03

📐 公式統計で見る国内試験の実力

IPAが公表している統計データから、難易度を正確に把握する。

国内資格の難易度は、推測ではなく公式統計で確認できます。IPAが公開している令和7年度(2025年度)の統計データから、セキュリティに関係する試験区分を抜き出しました。

▼ 図3:令和7年度(2025年度)情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の実績(IPA公式統計)
試験区分応募者受験者合格者合格率
ITパスポート(レベル1) 307,266271,352132,012
48.6%
情報セキュリティマネジメント(レベル2) 50,22645,92432,141
70.0%
基本情報技術者(レベル2) 172,217147,18656,370
38.3%
応用情報技術者(レベル3) 125,04182,66819,319
23.4%
情報処理安全確保支援士(レベル4) 49,03035,3427,333
20.7%

読み取れることが2つあります。情報セキュリティマネジメントは合格率70.0%で、受験率も91.4%と極めて高い。CBT方式で通年受験できるため、申し込んだ人はほぼ受験し、その7割が受かります。社内展開に向いた試験です。

一方、支援士は受験率72.1%・合格率20.7%。申し込んだ4人に1人以上が受験自体を諦め、受験した5人に4人が落ちます。応用情報(23.4%)よりさらに低く、国内では最上位クラスの難易度です。

重要な発見:合格者は足りている。足りないのは登録者

ここからが、この記事で最も伝えたい部分です。支援士の応募者数は、この3年で大きく伸びています。

📊 図4:情報処理安全確保支援士のファネル(令和7年度)

応募者 49,030人 3年で+30% 受験者 35,342人 受験率72.1% 合格者 7,333人 合格率20.7% 登録者の純増 年 約2,400人 2024年10月22,845名 → 2026年4月26,453名から算出 試験は年7,000人以上を供給できている。減るのはその後

応募者数は令和5年度37,697人 → 令和6年度43,597人 → 令和7年度49,030人と3年で約30%増加。それでも登録者は年約2,400人しか増えていない。

合格者は年7,333名。ところが登録者の総数は、2024年10月の22,845名から2026年4月の26,453名へ、1年半で3,608名の増加にとどまります。年に換算すると約2,400名。合格者数の3分の1程度しか、登録者として積み上がっていない計算です。

経済産業省の検討会も、この停滞をこう分析しています。登録セキスペの活躍イメージを提示できていない、人手不足の中小企業とのミスマッチが起きている、その結果「登録更新に係る費用を支払うだけの動機が失われ、登録者数の大幅な増加には至っていない」。

💡

あなたにとっての意味

支援士を狙うなら、合格したあとに登録する価値があるかを先に判断してください。3年で14万円の維持費を払い続ける理由(入札要件、資格手当、顧客への提示)があるかどうか。理由がないなら、合格だけして登録を見送るのも一つの判断です。実際、多くの人がそうしています。

04

🏛️ 制度で効く資格:登録セキスペ

「あると有利」ではなく「ないと参加できない」領域がある。

情報処理安全確保支援士(通称・登録セキスペ)は、国内唯一のサイバーセキュリティ国家資格です。情報処理の促進に関する法律に基づく登録制で、他のIT系資格とは法的な性質が違います。

法的な地位

名称独占と守秘義務

弁護士や公認会計士と同様に、資格がなければ名乗れない名称独占資格です。また、業務上知り得た秘密を漏らしてはならないという守秘義務が法律上課され、これは資格を失った後も継続します。

情報処理の促進に関する法律登録制
最大の実利

入札の配置要件になる

政府調達の仕様書に「本業務の従事者として、支援士の登録を受けている者を1名以上配置すること」と書かれる案件があります。重要インフラ、マイナンバー系、SOC運用、脆弱性診断などで顕著です。経済産業省も「各種制度における登録セキスペ配置の要件化」を方針として明記しています。

政府調達重要インフラ
項目内容
難易度合格率 20.7%(令和7年度)。レベル4。応用情報(23.4%)より低い
受験料7,500円(非課税)。年2回(春期・秋期)
免除応用情報技術者試験に合格していると、午前Iが2年間免除
維持費登録後は毎年のオンライン講習(各2万円)+3年に1回の実践講習または特定講習(8万円)で3年間で計14万円
2026年の変化4月から「実務経験者に対する講習制度」が開始。所定の実務経験がIPAに認定されると講習がオンラインのみとなり、8万円の実践講習が免除される(申請手数料3,500円)
弱点独占「業務」はなく、名称独占のみ。維持費が国内資格として突出して高い

合わせて押さえたい国内2資格

非技術職に最適

情報セキュリティマネジメント(SG)

合格率70.0%、7,500円、CBTで通年受験可能。技術者ではなく、情報を扱う部門の管理者・利用者を想定した試験です。管理部門や営業部門を含めた社内一斉展開に最も向いています。ただし技術職の市場価値には直結しにくい点は理解しておくべきです。

レベル2通年CBT管理部門
コスパ最強の土台

応用情報技術者(AP)

合格率23.4%、7,500円。セキュリティ専門ではありませんが、支援士の午前Iを2年間免除できるため、支援士を目指すなら実質的な前哨戦になります。ネットワーク・データベース・開発・マネジメントを横断的に押さえられ、土台としての費用対効果が最も高い試験です。

レベル3午前I免除土台
05

🌏 市場で効く資格:CISSP・CISM・CISA

転職市場と報酬レンジに効く国際資格。ただし実務経験が前提になる。

国際資格の代表格

CISSP

提供:ISC2

8つのドメインを横断する広範な試験。最大の特徴は「技術的に正しい答え」ではなく「管理者の視点で最も適切な答え」を選ぶ思考が問われる点で、技術力だけでは通りません。さらに合格しても5年以上の実務経験がなければ正式に認定されないという壁があります。

💰 受験料$749(2026年3月時点で約11万円)
🎯 効く場面外資、グローバル案件、CISO候補
実務5年管理者視点年会費あり
マネジメント

CISM

提供:ISACA

セキュリティプログラム全体の管理を問う資格。個々の技術ではなく、セキュリティ活動がビジネス目標と整合しているか、リスクは許容範囲内かといった観点が中心です。CISSPが「城を設計し守る将軍」なら、CISMは「国全体の方針を決める側」に近い位置づけです。

💰 受験料ISACA会員 $575/非会員 $760
🎯 効く場面セキュリティ責任者、管理職
管理職向け年会費$145+支部費
監査

CISA

提供:ISACA

情報システム監査の資格。守る側ではなく「守れているかを確かめる側」の視点を扱います。内部監査部門、第三者評価、ISMS周辺の業務で強く効きます。セキュリティ実装のキャリアとは別ルートですが、需要は安定しています。

💰 受験料ISACA会員 $575/非会員 $760
🎯 効く場面内部監査、第三者評価、ISMS
監査人CPE必須
需要直撃

CCSP

提供:ISC2

クラウドセキュリティに特化した国際資格。ISC2自身の調査でクラウドセキュリティは不足スキル第2位(36%)。需要側のデータと最も素直に噛み合う一枚です。CISSPと同じ団体の資格で、体系も連続しています。

🎯 効く場面クラウド移行案件、SaaS事業者
クラウド不足スキル2位
⚠ 注意

国際資格は受験料より維持費のほうが効いてきます。ISACAは年会費($145)に加えて支部年会費、そしてCPE(継続教育ポイント)の取得義務があります。ISC2にも年会費があります。会社が負担してくれるかを、受験を決める前に確認してください。Fortinetの調査では、資格費用を会社が負担する割合は2023年の89%から73%へ低下しています。

06

⚙️ 実務で効く資格:OSCP・GIAC・クラウド

「知っている」ではなく「できる」を証明する系統。

実技の代名詞

OSCP / OSCP+

提供:OffSec

試験は24時間の実技とレポート作成。実際に侵入できなければ合格しません。知識問題ではないため、「手が動く」ことの証明として国内の診断ベンダーでも技術力の指標として重視されます。難易度は高。

💰 費用$1,749(コース込み)
🎯 効く場面脆弱性診断、ペネトレーションテスト
24時間実技難易度:高
最高級

GIAC(GPEN・GCIH など)

提供:GIAC/SANS

SANSのトレーニングとセットで受けるのが一般的で、費用は$8,000以上。試験は3時間・選択式75問+ハンズオン8問という構成で、難易度は「中」とされます。内容の密度は最上位ですが、個人負担で受けるのは非現実的。会社負担が前提の資格です。

💰 費用$8,000以上(コース込み)
🎯 効く場面SOC、インシデント対応、フォレンジック
会社負担前提領域別に多数
世界標準の基礎

CompTIA Security+

提供:CompTIA

ベンダーニュートラルな基礎資格。最大の強みは米国防総省(DoD)の承認資格である点です。2026年2月15日からDCWF(職務ベースの枠組み)へ移行しましたが、Security+は引き続き最も多く挙げられる基礎要件として機能しています。外資系や防衛関連で効きます。

📝 形式90問・90分のCBT
🎯 効く場面外資、防衛関連、キャリア初期
DoD 8140ベンダー中立
費用対効果◎

クラウド系(SC-200・AWS SCS)

提供:Microsoft/AWS

Microsoft SC-200(Security Operations Analyst)は$165と、この記事で扱う資格の中で圧倒的に安価です。日本語での受験にも対応しています。不足スキル第2位のクラウド領域に直接刺さり、費用も1〜3万円台という点で、最初の1枚としても追加の1枚としても優秀です。

💰 費用SC-200 は $165
🎯 効く場面クラウド運用、SOC、事業会社の情シス
日本語対応安価需要直結
07

💰 費用は「桁」が違う

同じ「資格」でも、7,500円と120万円が同じ言葉で語られている。

資格選びで最も見落とされやすいのが、費用の規模感です。対数目盛で並べると、その差がよく分かります。

📊 図5:初期費用の比較(対数目盛・1ドル150円換算)

1万円 10万円 100万円 IPA各試験 7,500円 SC-200 約2.5万円($165) CISM / CISA 約8.6万円〜($575〜) CISSP 約11万円($749) OSCP+ 約26万円($1,749) GIAC 約120万円〜($8,000〜/SANSコース込み)

対数目盛のため、バーの見た目の差以上に実額の差は大きい。IPA試験とGIACでは約160倍の開きがある。為替により円換算額は変動する。

そして「維持費」は取得費より重い

資格取得時維持
登録セキスペ 7,500円 3年で14万円(オンライン講習2万円×3+実践講習8万円)
※2026年4月から、実務経験が認定されれば実践講習8万円が免除
CISM / CISA $575〜$760 ISACA年会費 $145+支部年会費+CPE取得義務
CISSP / CCSP $749(CISSP) 年会費(AMF)+CPE取得義務
IPA試験(支援士以外) 7,500円 なし(合格は生涯有効)
🧮

判断基準はここ

資格を選ぶときの問いは「受かるか」ではなく「3年後も払い続けられるか、そして使い続けられるか」です。会社が負担しない前提なら、維持費のない試験(IPAの支援士以外)と安価なクラウド系を軸に組み立てるほうが合理的です。

08

💴 年収はどこまで言えるのか

「この資格で年収○○万円」の多くは、公的統計ではない。

ここは慎重に扱う必要があります。ネット上に流通している「この資格を取れば年収○○万円」という数字の大半は、転職エージェントや資格スクールが自社データや推計から算出したもので、公的統計ではありません。信頼できる順に並べます。

信頼度数値出どころ
公的統計 約629万円
セキュリティエキスパート(オペレーション)令和6年度
厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」
公的統計 約460万円
全職種の平均給与(令和5年分)
国税庁「民間給与実態統計調査」
調査機関 $95,200〜$140,000超
ISC2認定資格保有者の世界の中央値(資格・経験・役割による)
ISC2
調査機関 $150,000
米国のセキュリティ専門職の中央値
ISC2 2025年人材調査(16,029人)
民間推計 「CISSP保有者の平均年収800〜1,000万円」等 転職メディア・資格スクールの推計。一次データではない

この記事として言えるのは、次の範囲までです。

📊

公的統計から言えること

セキュリティという職種は、資格の有無を問わず、全職種平均に対して約170万円のプレミアムがある(629万円 vs 460万円)。資格個別の上乗せ額については、日本国内の公的統計は存在しません。ただし採用担当の89%が資格保有者を選ぶ以上、資格は「年収を直接上げる装置」ではなく「より高い年収レンジの求人に応募できる資格を得る装置」と理解するのが実態に近いはずです。

09

🗺️ 目的別・推奨ルート6パターン

「どれがいいか」ではなく「どこへ行きたいか」から決める。

目的ルート理由
日本の事業会社で
社内キャリアを作る
SG → AP → 登録セキスペ 国内評価が最も安定。入札要件のある会社なら登録まで進む価値がある
診断・攻撃側に行きたい AP → OSCP →(会社負担が出れば GIAC) 実技試験でしか証明できない領域。24時間実技の重みは現場に伝わる
管理職・CISOを目指す 登録セキスペ or CISM → CISSP 技術者としての実績を前提に、管理者視点の資格へ橋渡しする
クラウド中心の現場 SC-200 / AWS Security → CCSP 不足スキル2位に直撃。費用が安く、最初の1枚としても優秀
外資・防衛関連 CompTIA Security+ → CISSP 米DoDの承認資格。英語圏の求人票で名前が通る
非技術職・管理部門 SG 一本 合格率70%、通年CBT。無理に技術資格へ進む必要はない

どのルートでも共通する3つの原則

1

2枚目を前提に1枚目を選ぶ

単一保有者の多くが「実務で使う機会が少ない」「会社の評価が低い」と答えています。1枚目を選ぶ時点で、2枚目に何を重ねるかまで決めておくと、効果がまったく変わります。

2

受験前に会社の負担範囲を確認する

受験料だけでなく、更新費用・CPE・年会費まで。資格費用を会社が負担する割合は世界的に89%(2023年)から73%(2025年)へ下がっています。「取ったあとに自腹になる」パターンを避けてください。

3

取ったら「使える配置」を交渉する

当事者調査で必要な施策の筆頭に挙がったのが「取得資格を活かせる業務やプロジェクトへの優先配置」でした。合格を報告するときが、担当業務を交渉する最良のタイミングです。

10

⚠️ 5つの落とし穴と、この記事の限界

最後に、書いておかないとフェアではないこと。

🕳️ 資格選びの5つの落とし穴

  • 取得費より維持費のほうが高い。登録セキスペは受験7,500円に対し維持が3年14万円。ISACAやISC2も年会費とCPEが続きます
  • 1枚だけでは効きにくい。複数保有者と単一保有者で、実感される効果がはっきり分かれています
  • 会社の負担意欲が下がっている。資格費用を負担する企業は89%→73%。スキル不足は悪化しているのに投資は縮小しています
  • 「合格」と「登録・認定」は別物。支援士は登録しなければ名乗れず、CISSPは合格しても実務5年がなければ認定されません
  • 年収の数字は出どころを確認する。資格別の年収を示す日本の公的統計は存在しません

📌 この記事の限界

  • 日本国内の資格保有者数は、多くが確認できませんでした。ISC2は国別の会員数内訳の公表をやめており、OSCPやGIACの国内保有者数も非公表です。「日本のCISSP保有者は約3,300名」という数字が流通していますが、これは2022年時点の情報で、最新値は確認できていません
  • CompTIA Security+ と AWS Certified Security – Specialty の受験料は、公式で確認できませんでした。本記事では金額を記載していません
  • 資格別の年収上乗せ額は示していません。日本には該当する公的統計がなく、民間推計を断定的に書くことは避けました
  • ドル建て資格の円換算は1ドル150円で計算した参考値です。為替により実額は変動します
  • 登録者の年間純増(約2,400名)は本記事の計算値です。公表値である2024年10月22,845名、2026年4月26,453名から算出したもので、差分には登録の失効・抹消が含まれます
✅ 最終結論

セキュリティ資格は効きます。採用担当の89%が資格保有者を選び、それは学歴を考慮する52%を上回っています。ただし効くのは「制度で効く/市場で効く/実務で効く」のどの経路を狙うかを決め、複数枚を組み合わせ、取ったあとに実務で使い、維持費を払い続けられた場合に限られます。支援士の合格者が年7,333名出ているのに登録者が年2,400名しか増えていない事実は、この構造をそのまま表しています。資格は取る瞬間ではなく、使い続ける期間に価値が出ます。

📚 出典一覧(すべて一次資料を確認)

  1. IPA「統計資料(令和7年度)」情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表(応募者・受験者・合格者・合格率) — https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/toukei.html
  2. IPA「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報」(2026年4月1日時点 26,453名) — https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/reports/data/index.html
  3. IPA「実務経験者に対する講習制度について」(2026年4月開始、実践講習の免除、申請手数料3,500円) — https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/forriss/practical.html
  4. IPA「スケジュール、手数料など」(受験手数料7,500円) — https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/schedule.html
  5. 経済産業省「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会(第4回)事務局説明資料」2025年2月(登録者数が伸びない要因、アクティブリスト、みなし受講制度、登録セキスペ配置の要件化) — https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_keiei/cyber_human/pdf/004_03_00.pdf
  6. 経済産業省「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ」2025年5月14日 — https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250514002/20250514002.html
  7. Fortinet「2025 Cybersecurity Skills Gap Global Research Report」(29の国・地域、1,850人、2025年2月調査。資格保有者を採用したい89%、資格考慮65%、四年制大学卒考慮52%、会社負担73%) — https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/reports/2025-cybersecurity-skills-gap-report.pdf
  8. ISC2「2025 ISC2 Cybersecurity Workforce Study」2025年12月(16,029人。不足スキル AI 41%/クラウド36%/リスク評価29%) — https://www.isc2.org/Insights/2025/12/2025-ISC2-Cybersecurity-Workforce-Study
  9. ISC2「What Does a Cybersecurity Career Look Like? Certification, Salaries and Growth Opportunities」(認定資格保有者の世界の中央値 $95,200〜$140,000超) — https://www.isc2.org/insights/2026/07/cybersecurity-career-growth-and-earning-potential
  10. JNSA/ISEPA キャリアデザインWG「セキュリティ人材および関連業務に携わる方へのアンケート調査 ver1.0(速報)」2026年3月(1,000人。資格保有65%、セキュリティ資格32%、複数保有者と単一保有者の差) — https://www.jnsa.org/result/isepa/2025/2025-002.pdf
  11. 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」セキュリティエキスパート(オペレーション)/国税庁「民間給与実態統計調査」令和5年分 — https://shigoto.mhlw.go.jp/User/
  12. IPA「情報処理安全確保支援士制度の仕組みについて」(名称独占・守秘義務・登録制) — https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/about.html

コメント