SPFの書き方(例文つき)|1行の「送ってよい送信元の名簿」を読めて書けるようになる

📮 基礎知識|メールのなりすまし対策

SPFの書き方(例文つき)1行の「送ってよい送信元の名簿」を、読めて・書けて・確かめられるようになる

「SPFを設定してください」と言われて、v=spf1 include:… ~all という暗号のような1行を前に手が止まっていませんか。部品は5種類だけ。名簿にたとえると、10分で読めるようになります。コピペ用の例文も状況別に用意しました。

SPFレコードv=spf1include~all / -allDNSDMARC

🧭 結論:SPFは「うちの名前でメールを出してよい送信元の名簿」を1行で書くこと

  1. SPFは、ドメインのDNSに置く1行のメモです。「example.jp のメールは、この送信元からしか出しません」と世界に公開します。
  2. 書き方の基本形はv=spf1(表紙)+ 送信元の一覧 + ~all か -all(名簿にない送信元の扱い)。これだけです。
  3. 使っているサービスごとに公式マニュアルに書かれた include:〜 を足すのが基本。自分でIPアドレスを調べて書く場面は多くありません。
  4. 失敗の多くは3つ。SPFを2行作ってしまう/参照回数が10回を超える/送信サービスの入れ忘れ。どれも「SPFが効かない」か「本物が迷惑メール扱い」になります。
  5. SPFだけでは差出人欄の偽装は防げません。SPF → DKIM → DMARCの順で3点セットにするのがゴールです。メールを送らないドメインにも v=spf1 -all を置きましょう。

名簿は「全部を書く」「1枚にまとめる」「書きすぎない」。この3つを守れば、SPFはほぼ間違えません。

PICTURE0

まずこの1枚

SPFの1行は、5種類の部品でできている

よくあるSPFレコードを、部品ごとに分けてみる

example.jp のDNSに置くTXTレコード(1行) v=spf1 ip4:203.0.113.10 include:_spf.google.com mx ~all 1 2 3 4 5 1 名簿の表紙 「これはSPFの名簿です」という宣言。必ず先頭に1回だけ 2 住所を直接書く このIPアドレスのサーバーから出たメールはOK 3 別紙を見て Googleが管理する名簿に載っている送信元もOK 4 うちの受付窓口 メールを受け取るサーバー(MX)から出たメールもOK 5 名簿にない送信元 ここまでに当てはまらなければ「たぶん偽物」と判定して 受け取る側は左から順に照合 → 最初に一致した部品で結果が決まる

※ 例文のIPアドレス(203.0.113.10)とドメイン(example.jp)は、説明用に予約されたものです。実際には自分の環境の値に置き換えます。

💡 この図のポイントは1つだけ

SPFは「OKな送信元を並べて、最後に“それ以外はどうするか”を書く」という形しかありません。ip4 や include の数が増えても、この形は変わりません。

METAPHOR1

たとえると

SPFは、会社が玄関に貼る「送信元の名簿」

メールの差出人は、実は誰でも書き換えられます。手紙で言えば、誰でも封筒の裏に「〇〇株式会社」と書いてポストに入れられる状態です。

そこで会社は、玄関(DNS)に名簿を貼っておきます。「うちの名前の手紙は、この郵便局から出したものだけが本物です」。受け取った側は名簿を見に行き、手紙が出された局が名簿に載っているかを確かめます。これがSPFです。

📝 名簿を書くのは「送る側」

自分のドメインのDNSに、1行のTXTレコードとして書きます。書き換えられるのはドメインの持ち主だけです。

🔍 名簿を見るのは「受け取る側」

Gmail や Outlook などが、メールを受け取るたびに自動で見に行きます。受け取る人は何もしなくてかまいません。

⚖️ 判定結果は「材料」

不合格でも即削除とは限りません。迷惑メールに振り分ける、警告を出すなど、扱いは受け取る側が決めます。

部品一覧:名簿の書き方を表で覚える

部品名簿でいうと書き方の例参照回数
v=spf1名簿の表紙。「SPFです」の宣言v=spf1(必ず先頭、小文字でこのまま)0
ip4: / ip6:郵便局の住所を直接書くip4:203.0.113.10
ip4:198.51.100.0/24
ip6:2001:db8::/32
0
include:「この業者の名簿も見て」と別紙を指すinclude:_spf.google.com1+別紙の中身
aうちのWebサイトと同じ建物a / a:mail.example.jp1
mxうちの受付窓口(受信サーバー)mx1
all名簿にない送信元の扱い。必ず最後~all(怪しい)/ -all(偽物)0
redirect=「名簿は丸ごとあちらを見て」redirect=_spf.example.jp1

「参照回数」は、受け取る側がDNSに問い合わせる回数です。合計10回までという決まりがあります(数え方は「参照は10回まで」の章で説明します)。

部品の前に付く記号(4種類)

各部品の前には記号を付けられます。付けなければ +(OK)扱いです。ふだん記号を付けるのは、最後の all だけと考えてかまいません。

記号意味判定結果の名前使いどころ
+(省略可)本物として通してよいpass送信元の部品。書かなくても同じ
~(チルダ)たぶん偽物。受け取ってよいが印を付けてsoftfail最後の ~all
-(マイナス)偽物。受け取らなくてよいfail最後の -all
?何とも言わないneutral試験中だけ。本番では使わない

※ 名簿のたとえは最初の理解のための比喩です。実際に照合しているのは「郵便局」ではなく、メールを送り出したサーバーのIPアドレスです。

HOW IT WORKS2

どうやって確かめる?

受け取る側は、こうやって名簿と照合している

あなたが [email protected] からメールを送ったとき、受け取る側(たとえばGmail)の中では、次のことが一瞬で起きています。

  1. メールが届く。送ってきたサーバーのIPアドレス(例:203.0.113.10)が分かります。
  2. 「封筒の差出人」のドメインを見る。SPFが見るのは、画面に出る差出人名ではなく、配送用の差出人(Return-Path)のドメインです。
  3. そのドメインのDNSに名簿を聞きに行く。example.jp のTXTレコードから v=spf1 で始まる1行を探します。
  4. 左から順に照合する。ip4 に一致するか、include 先の名簿に載っているか…と進み、最初に一致したところで止まります。
  5. 結果が決まる。一致すれば pass。どれにも一致しなければ最後の ~all や -all に従って softfail / fail。
  6. DMARCに引き継ぐ。SPFの結果とDKIMの結果を合わせ、画面上の差出人と一致しているかをDMARCが最終判定します。

⚠ SPFだけでは「差出人欄のなりすまし」は防げない

手順2のとおり、SPFが確かめるのは配送用の差出人です。攻撃者は配送用の差出人を自分のドメインにしてSPFに合格させ、画面に見える差出人だけを「〇〇銀行」にできます。このズレを取り締まるのがDMARCです。SPFはあくまで3点セットの1つ目と考えてください。

SPF・DKIM・DMARCの役割分担

仕組みたとえると確かめることSPFとの関係
SPF送信元の名簿決められたサーバーから送られたかこの記事の主役。転送されると失敗しやすい
DKIM封筒の封印途中で書き換えられていないか(電子署名)転送されても残りやすい。SPFの弱点を補う
DMARC名前の照合と処分ルール画面の差出人とSPF・DKIMの結果が一致するかSPFかDKIMの合格が前提。レポートでSPFの漏れも見つかる

ヘッダーの見方やDMARCの詳しい話は、メールヘッダーでDMARCを確認する方法、メール全体の守りはメールセキュリティ7つの壁でも解説しています。

EXAMPLES3

例文集

状況別の例文12個:自分に近いものから選ぶ

まずは自分の状況を下の4つから選んでください。該当する例文に進めば、ほぼそのまま使えます。

  • A. メールを送らないドメインサイト専用・転売対策で取っただけ → 例文1
  • B. クラウドのメールだけGoogle Workspace や Microsoft 365 → 例文2・3
  • C. レンタルサーバーのメールエックスサーバーなど → 例文6・7
  • D. いくつものサービスから送る配信サービス・予約システム・自社サーバー → 例文4・5・8〜12

基本の4パターン

例文1メールを一切送らないドメイン

v=spf1 -all

名簿に誰も載せず「このドメインからのメールは全部偽物」と宣言します。使っていないドメインは、詐欺メールの差出人に悪用されやすいので必ず置きましょう。Microsoftもこの書き方を案内しています。DMARC(p=reject)も合わせて置くとさらに確実です。

例文2Google Workspace だけで送る

v=spf1 include:_spf.google.com ~all

Googleの管理者ヘルプに載っている形そのままです。Googleは最後を ~all にすることを推奨しています。

例文3Microsoft 365 だけで送る

v=spf1 include:spf.protection.outlook.com -all

Microsoft Learn に載っている形です。Microsoftは、DKIMとDMARCも設定する前提で -all を推奨しています(Googleと推奨が違う理由は「~all と -all の選び方」で)。

例文4自社のメールサーバー1台から送る

v=spf1 ip4:203.0.113.10 -all

送信サーバーのグローバルIPアドレスを直接書きます。社内のIP(192.168.〜 や 10.〜)を書いても意味がありません。インターネット側から見えるIPアドレスを書きます。

範囲・IPv6・レンタルサーバー

例文5IPアドレスの範囲とIPv6もまとめて書く

v=spf1 ip4:198.51.100.0/24 ip6:2001:db8:10::/48 -all

/24 は「198.51.100.0〜198.51.100.255 の256個」という範囲の書き方です。範囲を広くしすぎると、同じ範囲を使う他人のメールまで合格してしまうので、必要な分だけにします。

例文6エックスサーバーの初期設定(実例)

v=spf1 +a:sv***.xserver.jp +a:example.com +mx include:spf.sender.xserver.jp ~all

エックスサーバーでは、独自ドメインを追加するとこの形のSPFが自動で入ります(sv*** は契約サーバー名、example.com は自分のドメインに置き換わります)。+a: や +mx の「+」は省略できる記号を明示的に書いているだけで、意味は同じです。自動で入っているので、多くの場合は触らなくて大丈夫です。

例文7エックスサーバー+Gmailから独自ドメインで送る

v=spf1 +a:sv***.xserver.jp +a:example.com +mx include:spf.sender.xserver.jp include:_spf.google.com ~all

Gmail(Googleのサーバー)を送信サーバーとして使い、独自ドメインのアドレスで送る場合の追加例です(エックスサーバーのマニュアル掲載の形)。新しい行を作るのではなく、既存の1行の ~all の前に足すのがポイントです。

複数サービス・分割・使い回し

例文8Google Workspace+Salesforce から送る

v=spf1 include:_spf.google.com include:_spf.salesforce.com ~all

サービスが増えたら include: を並べるだけです。include値は必ずそのサービスの公式マニュアルで確認してください(Googleのヘルプには Amazon SES・Mailchimp・Shopify・Zendesk などとの組み合わせ例も載っています)。

例文9Microsoft 365+自社サーバー1台

v=spf1 ip4:203.0.113.10 include:spf.protection.outlook.com -all

複合機のスキャン送信や、社内システムの通知メールを自社サーバーから送っている場合の形です。「人が送るメール」以外の送信元を忘れやすいので注意します。

例文10メルマガ配信だけサブドメインに分ける

example.jp の名簿 v=spf1 include:spf.protection.outlook.com -all news.example.jp の名簿(別のTXTレコード) v=spf1 include:mail.example-esp.net -all

配信サービスは news.example.jp のようなサブドメイン専用の名簿に分けると、参照回数の節約にもなり、配信側のトラブルで本業のメールの評判が下がるのも防げます(Microsoftが推奨する分け方)。サブドメインは親の名簿を引き継がないので、送るサブドメインごとに名簿が必要です。mail.example-esp.net は説明用の架空の値です。

例文11長くなった名簿を分けて書く

“v=spf1 ip4:198.51.100.0/24 ip4:203.0.113.0/25 ip6:2001:db8:10::/48 ” “include:_spf.google.com -all”

TXTレコードの1つの文字列は255文字まで。それを超えるときは "…" "…" と区切ります。受け取る側はすき間を入れずにつなげて読むので、1つ目の最後にスペースを入れておくのがコツです。レコードは2つにしません(間違い探し参照)。

例文12複数のドメインで同じ名簿を使い回す

_spf.example.jp に本体の名簿を置く v=spf1 include:_spf.google.com ip4:203.0.113.10 -all example.jp と example.co.jp の名簿 v=spf1 redirect=_spf.example.jp

redirect= は「名簿は丸ごとあちらを見て」という意味です。ドメインをいくつも持っている会社で、名簿の修正を1か所で済ませたいときに便利です。redirect を使うときは同じ行に all を書きません。

✅ 例文を使うときの3つの約束

  • SPFの行はドメインごとに1つだけ。足すときは既存の行に書き足す
  • include値は各サービスの公式マニュアルからコピーする(記事やブログの値を信じない)
  • DNSの反映には時間がかかる。Googleは「最長48時間ほど」と案内しています
CHOICE4

いちばん迷うところ

最後の「all」はどれにする? ~all と -all の選び方

SPFで一番質問が多いのがここです。実はGoogleとMicrosoftで推奨が違います。

書き方名簿でいうと危険度こんなときに
-all名簿にない局の手紙は偽物🟢 強い送信元を全部把握できている/メールを送らないドメイン。Microsoftの推奨
~all名簿にない局の手紙は、たぶん偽物🟢 標準送信元の洗い出しに自信がない間。Googleの推奨
?all名簿にない局でも、何とも言わない🟡 弱い試験期間だけ。本番では使わない(Microsoft)
+all誰が出しても本物扱い🔴 危険使ってはいけない。名簿の意味がなくなり、なりすましに合格を与える
(all なし)名簿の最後に何も書いていない🟡 弱いどれにも一致しないと neutral 扱い。必ず書く

GoogleとMicrosoftの言い分を並べると

Google:~all を推奨

名簿の書き漏れがあっても、本物のメールがいきなり拒否されにくい。最終的な処分はDMARCに任せる考え方です。

Microsoft:-all を推奨

DKIMとDMARCも設定する前提で -all を推奨。DKIM署名のないメールでは、~all だとDMARCの処分が実質的に効かない場合がある、と説明しています。

このサイトのおすすめ

まず ~all で始め、DMARCレポートで送信元の漏れがないと確認できたら -all。メールを送らないドメインは最初から -all。

🚨 -all にする前に必ず確認すること

名簿に載っていない正規の送信元(予約システム、請求書の送信サービス、複合機、Webサイトの問い合わせフォームなど)があると、-all にした瞬間にそのメールが相手に届かなくなることがあります。DMARCを p=none(監視だけ)で入れてレポートを数週間見てから切り替えると安全です。

昔と今:SPFは「やったほうがいい」から「ないと届かない」へ

項目以前今(2024年2月〜)
Gmail宛てに送る全員SPFがなくても届くことが多かったSPFかDKIMのどちらかが必須
Gmail宛てに1日5,000通以上送る送信者同上SPFとDKIMの両方+DMARCが必須。差出人欄のドメインとSPFかDKIMのドメインの一致も必要
SPFの役割単独のなりすまし対策DMARCの材料の1つ。DKIMとセットで使う

出典:Google「メール送信者のガイドライン」。1日5,000通は個人アカウント(Gmail)宛ての合計です。

COUNT5

見落としやすい上限

「参照は10回まで」を実際に数えてみる

SPFには「名簿を読む途中で、別の場所を見に行くのは合計10回まで」というルールがあります(RFC 7208)。これを超えると、名簿そのものがエラー(permerror)扱いになり、本物のメールでもSPFに合格できなくなります。

数えるのは include・a・mx・exists・redirect(と非推奨の ptr)。ip4・ip6・all は0回です。落とし穴は、include先の名簿の中にさらに include があると、それも数えることです。

例:エックスサーバー+Gmail(例文7)を数えると

部品回数中身(2026年9月30日にDNSで確認)
+a:sv***.xserver.jp1サーバーのIPアドレスを調べる
+a:example.com1自分のドメインのIPアドレスを調べる
+mx1受信サーバーを調べる
include:spf.sender.xserver.jp1+2中にさらに include が2つ入っている
include:_spf.google.com1中身はIPアドレスの一覧だけ(追加の参照なし)
合計7上限10回まで、残り3回

見た目の部品は5つでも、実際は7回。ここに配信サービスを3つ足せば上限ぎりぎりです。各社の名簿の中身は予告なく変わることもあるので、回数は定期的に数え直すのが安全です(下の確認方法で使うチェックツールの多くは、回数を自動で数えてくれます)。

10回を超えそうなときの3つの手

  1. サブドメインに分ける(例文10)。サブドメインごとに10回の枠があります。
  2. 使っていない送信サービスを名簿から消す。解約済みのサービスの include が残っていることはよくあります。
  3. include を IPアドレスに置き換える(フラット化)。ただし相手のIPが変わると追いかける必要があり、Microsoft 365のようにIPが頻繁に変わるサービスでは勧められていません。
QUIZ6

あなたは見抜ける?

間違い探し:このSPF、どこがおかしい?

実際によくある失敗を6問にしました。答えを考えてからタップしてください。

Q1. DNSに次の2行を登録した
v=spf1 include:_spf.google.com ~all
v=spf1 include:spf.protection.outlook.com ~all

答え:SPFが2つある。1つのドメインにSPFは1つだけ。2つあると受け取る側はどちらを使うか決められず、エラー(permerror)になります。正しくは v=spf1 include:_spf.google.com include:spf.protection.outlook.com ~all と1行にまとめます。サービスを追加するときに一番起きやすいミスです。

Q2. v=spf1 include=spf.protection.outlook.com -all

答え:「=」ではなく「:」。include: です。redirect= と混ざりやすい書き間違いで、Microsoftも典型的な誤りとして挙げています。

Q3. v=spf1 include:spf.protection.outlook.com. -all

答え:ドメイン名の最後の「.」が余計。DNSの画面ではドメインの最後にピリオドを付ける習慣があるため、つい付けてしまうミスです。同じく include: spf… のように「:」の後ろにスペースを入れるのも誤りです。

Q4. v=spf1 ip4:203.0.113.10 +all

答え:+all は「誰でも合格」。最後の all に + を付けると、名簿に載っていない世界中のサーバーが合格になります。なりすまし対策どころか、偽物に合格証を渡すことになります。~all か -all にします。

Q5. v=spf1 -all include:_spf.google.com

答え:all が先頭側にある。照合は左から順で、all は「すべてに一致」します。そのため -all の時点で全員が不合格になり、後ろの include は読まれません。all は必ず最後に置きます。

Q6. 会社のメールは [email protected] と [email protected]。SPFは example.jp にだけ登録した

答え:shop.example.jp の名簿がない。サブドメインは親の名簿を引き継ぎません。shop.example.jp にも専用のSPFを登録します。逆に、メールを送らないサブドメインのなりすましは、DMARCのサブドメイン設定で守るのが基本です。

ほかにも多い「効かないSPF」

失敗何が起きる直し方
全角スペース・全角コロンが混ざる読めずにエラー半角で打ち直す。Wordやチャットからのコピペで起きやすい
v=spf1 を v=spf や spf1 と書くSPFとして認識されない(SPFなし扱い)先頭は必ず v=spf1
DNSの「SPF」というレコード種類で登録今の仕組みでは見てもらえない種類は必ず TXT。SPF専用の型は廃止扱い
ptr を使う遅く、不安定RFCで「使うべきでない」とされている。ip4 や include に置き換える
存在しないドメインを includeエラー(permerror)になることがある解約・移行したサービスの include を消す
複合機・フォームの送信元を入れ忘れそのメールだけ迷惑メール扱いDMARCレポートで送信元を洗い出す
CHECK7

自分で試す

自分のSPFを確かめる3つの方法

方法1:コマンドで名簿を読む(1分)

Windowsなら「コマンドプロンプト」、Macなら「ターミナル」で、次のように打ちます(example.jp を自分のドメインに)。

Windows nslookup -type=txt example.jp Mac / Linux dig txt example.jp +short

表示された中に v=spf1 で始まる行が1つだけあればOKです。0行ならSPF未設定、2行あればQ1の失敗です。

方法2:自分宛てにメールを送って、判定結果を見る(3分)

  1. 自分のドメインのアドレスから、自分のGmailアドレス宛てにメールを1通送る
  2. Gmail(パソコン)でそのメールを開き、右上の「︙」→「メッセージのソースを表示」
  3. 上部の表に SPF: PASS と出ていれば合格。SOFTFAIL / FAIL なら、送ったサーバーが名簿に載っていない

同じ画面の下の方にある Received-SPF: の行には、どのIPアドレスから届いて、なぜその判定になったかが書かれています。名簿に足すべきIPを探すヒントになります。

方法3:チェックサービスで回数まで数える

「SPF チェック」などで検索すると、ドメインを入れるだけで構文の誤り・参照回数・重複を調べてくれる無料サービスが見つかります。設定を変えたらその都度通しておくと安心です。

あなたのドメインは大丈夫? 診断チェック

□ 当てはまらないものがあれば、そこが次の作業です

  • メールを送るドメインに、v=spf1 で始まるTXTレコードがちょうど1つある
  • 最後が ~all か -all になっている(+all・?all・なし ではない)
  • メールを送るすべてのサービス(予約・請求・配信・フォーム・複合機)が名簿に入っている
  • 参照回数が10回以内(include の中身まで数えて)
  • メールを送らないドメインに v=spf1 -all を置いている
  • SPFだけでなく、DKIMとDMARCも設定している
ACTION8

今やること

今日やることは3つだけ

  1. いまのSPFを読む。nslookup -type=txt 自分のドメイン で、v=spf1 の行が1つだけか、最後が ~all / -all かを確認する。
  2. メールを送っているサービスを書き出す。メールソフト以外(予約・請求書・メルマガ・フォーム・複合機)も含めて一覧にし、名簿の include と見比べる。足りなければ既存の1行に書き足す。
  3. 使っていないドメインに v=spf1 -all を置く。あわせてDMARC(まずは p=none の監視モード)とDKIMの設定を予定に入れる。
✅ ここまでできれば合格ライン

SPFが1行・漏れなし・10回以内・all付き。これで「うちの名前のメールはここからしか出ない」という名簿が正しく公開されます。次の一歩はDKIMとDMARCです。

FOR PROS9

担当者向け

仕様の細かい話(RFC 7208)

判定結果は7種類

結果意味主な原因
pass送信を許可された送信元名簿の部品に一致
fail許可されていない(強い主張)-all などに一致
softfailたぶん許可されていない(弱い主張)~all に一致
neutral何とも言わない?all、または all なしでどれにも不一致
noneSPFがないTXTに v=spf1 の行がない、ドメインが存在しない
temperror一時的なエラーDNSのタイムアウトなど。再試行で直ることがある
permerror名簿そのものの誤りSPFが複数、構文誤り、参照10回超え、void lookup 超過

知っておくと役に立つ仕様

項目内容
照合の対象SMTPの MAIL FROM(Return-Path、RFC5321.MailFrom)のドメイン。MAIL FROM が空(エラー通知メールなど)の場合は HELO/EHLO の名前で照合する。ヘッダーFromは見ない
DNS参照の上限include・a・mx・ptr・exists・redirect の合計10回。超えると permerror
void lookup応答が空(NXDOMAIN や回答0件)の参照は2回までにすべき(SHOULD)。超えると permerror
mx の上限mx が指す受信サーバーの住所(A/AAAA)の問い合わせは10件まで。超えると permerror
include の意味参照先の評価が pass のときだけ「一致」。参照先の fail は「不一致」として次の部品へ進む(参照先の -all がそのまま結果になるわけではない)
文字数TXTの1文字列は255オクテットまで。複数文字列はすき間なしで連結される。DNS応答が収まるよう全体は450オクテット未満が目安
レコード型TXTのみ。SPF専用のRR型(99)はRFC 7208で使われなくなった
ptr「使うべきでない(SHOULD NOT)」とされている
TTLMicrosoftは3600秒(1時間)以上を推奨
転送転送先では送信元IPが転送サーバーになるためSPFは失敗しやすい。DKIMの署名を維持し、DMARCはDKIM側の一致で合格させる設計にしておく

⚠ 「include したサービスの利用者全員」が合格になる

include: は、そのサービスの共用サーバー全体を名簿に入れることでもあります。同じサービスを使う別の利用者が、配送用の差出人にあなたのドメインを書いて送れば、SPFは合格してしまう可能性があります。DMARCでヘッダーFromとの一致を求め、DKIMで自分の署名を付けることで、この穴を埋めます。

FAQ10

よくある疑問

SPFの書き方でよく聞かれること

DNSの画面の「ホスト名」には何を入れる?

ドメインそのもの(example.jp)のSPFなら、ホスト名は空欄か「@」にする管理画面が多いです。サブドメインなら「shop」のようにサブドメイン部分だけを入れます。表記は事業者ごとに違うので、各社のマニュアルを確認してください。

値を「”」(ダブルクォート)で囲む必要はある?

管理画面が自動で付ける場合と、自分で付ける場合があります。多くの管理画面では囲まずにそのまま入力します。長い名簿を分割する(例文11)ときだけ、区切りとして使います。

設定したのに反映されない

DNSの変更が世界中に行き渡るまで時間がかかります。Googleは最長48時間ほどと案内しています。nslookup で新しい値が見えるか確認し、見えていれば自分宛てのテストメールで判定を確かめます。

a と mx は書いたほうがいい?

WebサーバーやMXサーバーから実際にメールを送る場合だけ書きます。送らないなら不要で、書くと参照回数を1回ずつ使います。レンタルサーバーの自動設定に入っている場合は、そのままで問題ありません。

SPFを設定すれば、なりすましメールは来なくなる?

SPFは「自分のドメインを名乗る偽メール」を受け取る側が見抜く材料を公開するものです。他人のドメインを名乗る詐欺メールがあなたに届くのは防げません。また、SPFだけでは差出人欄の偽装を防げないため、DKIMとDMARCが必要です。

メールを送らないドメインにもSPFは必要?

必要です。SPFもDMARCもないドメインは、詐欺メールの差出人に使われても受け取る側が見抜けません。v=spf1 -all を置き、DMARCも p=reject で置いておくのが基本です。

📚 出典・参考資料(2026年9月30日確認)

仕様

メールサービス・事業者の公式手順

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参照回数の表は、2026年9月30日に各社のSPFレコードをDNSで取得して数えたものです。各社の名簿の中身は変わることがあります。

📮 SPFは「名簿を1枚、漏れなく、書きすぎず」

表紙(v=spf1)→ 送信元 → 最後の all。形はいつも同じです。名簿ができたら、次は封印(DKIM)と照合ルール(DMARC)へ。

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