セキュリティ対策をしていないのは誰?子どもと高齢者の盲点

📊 総務省 通信利用動向調査(35,794人)を読む

セキュリティ対策をしている人の割合は、きれいなU字を描く

国の調査を年代別に並べたら、対策の穴がぴったり2か所にありました。
そして年代ごとに、やられている中身も違いました。

🏷️ 通信利用動向調査 🏷️ 令和7年 🏷️ n=35,794人 🏷️ 年代別

⚡ 先に結論(5行)

  1. セキュリティ対策をしていない人の割合は、年代で並べるときれいなU字になります。6〜12歳が22.7%、80歳以上が17.7%。いちばん低い50代はわずか3.4%です。両端だけが5〜7倍も高い。
  2. その谷は「意識の差」ではなく「できることの差」でした。パソコンやスマホの操作が「いずれもできない」人は6〜12歳45.5%、80歳以上51.4%。30代はわずか3.7%。対策率のカーブとぴったり重なります。
  3. 被害の中身も年代でまるで違います。フィッシング被害は40代が12.2%でピークなのに、80歳以上は5.9%。逆にウイルス感染だけは60代13.0%・70代12.9%と突出していて、20代(4.5%)の約3倍です。
  4. いちばん不安を感じているのは60代(81.1%)。ところが80歳以上は58.9%と急に下がります。不安すら感じないまま、対策もスキルもない層が最後に残る、という形になっています。
  5. あなたがやること:子どもには「端末のパスワードロック」、親世代には「ソフトの自動更新をオンにする」。この2つだけで、いちばん深い谷の底が埋まります。自分自身には「情報の確かめ方」──全年代で実施率6.6%と、唯一ぽっかり空いた穴です。

📌 一言でいうと ── 対策していないのは「意識が低い人」ではなく、「やり方が分からない人」でした。だから声かけより、代わりに設定してあげるほうが効きます。

01

📖 この調査は何か

アンケート結果ではなく、国が毎年やっている大規模な統計調査です。

🗒️

35,794人に聞いた「ネットの使い方」

この記事で使うのは、総務省の「通信利用動向調査」(令和7年)です。世帯・企業のインターネット利用のようすを毎年調べている統計で、今回使うのは世帯構成員編──つまり個人ひとりひとりに聞いた結果です。

回答した人数は35,794人。6歳から80歳以上までが年代ごとに集計されているので、「何歳の人がどうしているか」を横に並べて見ることができます。ネット記事によくある数百人規模のアンケートとは、精度がまったく違います。

読み方 1

対象は「ネットを使った人」

セキュリティの設問に答えているのは、過去1年間にインターネットを利用した人だけです。 まったく使っていない人は最初から入っていません。つまりこの記事の数字は、「ネットを使っている人の中での話」です。

利用者ベース
読み方 2

複数回答なので合計は100%を超える

対策や被害の項目はあてはまるものを全部選ぶ形式です。だから「ソフトを最新にする49.9%」「パスワードロック49.0%」のように、 足すと100%を超えます。それぞれ独立した割合として読んでください。

複数回答
読み方 3

被害は「自己申告」

被害の数字は、本人が「あった」と答えたものです。気づいていない被害は入りません。 これはあとで効いてくる大事な点で、「被害がない」と答えた人が本当に無事とは限らないことを意味します。

気づけた分だけ
02

📉 対策率のカーブに、谷が2つある

年齢順に並べるだけで、ここまではっきり形が出ます。

まず「インターネットを使うとき、何らかのセキュリティ対策をしているか」という質問への答えを、年代順に並べます。

📊 セキュリティ対策を行っている人の割合(年代別)

60% 70% 80% 90% 100% 全体平均 88.4% 64.3 94.3 81.7 65.3 6-12歳 13-19 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80歳〜 谷① 谷② 出典:総務省「令和7年通信利用動向調査」世帯構成員編(n=35,794)

真ん中が高く、両端がストンと落ちる。50代の94.3%を頂点にして、6〜12歳(64.3%)と80歳以上(65.3%)がほぼ同じ低さまで下がります。差はおよそ30ポイントです。

これを裏返して「対策を行っていない」と答えた人の割合で見ると、形がもっとはっきりします。今度はきれいなU字になります。

📊 「セキュリティ対策を行っていない」と答えた人の割合

年代回答者数対策あり対策していない
6〜12歳1,79064.3%
22.7%
13〜19歳2,63588.4%
5.1%
20代3,07492.0%
4.0%
30代3,83692.2%
4.4%
40代5,35792.8%
4.0%
50代6,65494.3%
3.4%
60代6,53891.7%
4.6%
70代4,68781.7%
9.4%
80歳以上1,22365.3%
17.7%
全体35,79488.4%
6.4%

※ 「対策あり」と「対策していない」を足しても100%になりません。無回答があるためです。

🚨 重要

50代の3.4%に対して、6〜12歳は22.7%(6.7倍)、80歳以上は17.7%(5.2倍)。無防備な人の割合が、両端だけ跳ね上がっています。しかもこの2つの層は、家庭の中でいちばん相談されにくい層でもあります。

03

🔑 谷の正体は「できることの差」

意識の問題だと思われがちですが、数字は別のことを言っています。

🤔

「対策していない=意識が低い」なのか?

この調査には、パソコンやスマホで何ができるかを聞いた設問もあります。「ファイルのコピー・貼り付け」「ソフトのダウンロードやインストール」といった具体的な操作を並べて、できるものを選んでもらう形式です。

その中の「いずれもできない」という回答を年代別に並べると──セキュリティ対策のカーブと、ほとんど同じ形が出てきます。

🔧 対策の谷と、スキルの谷が重なる

0% 30% 60% 45.5% 51.4% 22.7% 17.7% 3.7% / 4.4% 6-12歳 13-19 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80歳〜 操作が「いずれもできない」 「対策していない」 出典:総務省「令和7年通信利用動向調査」世帯構成員編

2本の線が、同じところで上がって同じところで下がっています。操作ができない人が多い年代ほど、対策していない人も多い。「ソフトのダウンロードやインストールができる」という項目で見ると、差はさらに極端です。

年代ダウンロード/インストールができる操作が「いずれもできない」
6〜12歳10.5%45.5%
20代72.0%3.6%
30代74.1%3.7%
50代65.8%6.3%
60代48.2%14.0%
70代22.0%29.6%
80歳以上5.0%51.4%
🧭

ここが、この記事でいちばん大事なところです

80歳以上で「ダウンロードやインストールができる」人は20人に1人。この状態の人に「ウイルス対策ソフトを入れてくださいね」と言っても、言葉としては届いても、行動には変わりません。できないことを頼んでいるからです。

つまり必要なのは注意喚起ではなく、代わりに設定してあげること。家族が一度スマホを預かって自動更新をオンにするほうが、10回声をかけるより確実に効きます。

⚠ 注意

この2本の線が重なっているからといって、「スキルがないから対策しない」と断定はできません。年齢という共通の要因が、両方に影響しているだけかもしれないからです。ただ、少なくとも「意識が低いから対策していない」という説明よりは、数字と整合します。

04

🧩 対策の中身が、年代でまるで違う

「対策している」の一言の中身を開けると、まったく別の景色が出ます。

この調査では、どんな対策をしているかを10項目たずねています。年代別に並べると、同じ「対策している」でも中身が入れ替わっていることが分かります。

📊 実施している対策の中身(年代別・複数回答)

対策全体6-12歳30代50代60代80歳〜
端末にパスワードロック49.0%33.8%62.8%55.8%40.0%15.7%
ソフトウェアを最新にする49.9%34.9%59.7%57.4%45.0%22.0%
ウイルス対策ソフトを入れる32.2%12.0%31.6%39.6%40.5%18.7%
携帯会社などのセキュリティサービス31.3%10.9%22.9%36.7%41.0%31.3%
迷惑メール対策をする28.1%8.0%30.1%35.1%31.6%14.4%
信頼できるアプリだけ使う28.8%17.4%29.8%34.5%33.4%16.9%
不明な無線LANに接続しない29.1%13.1%34.0%31.6%30.7%20.3%
個人情報の入力を控える26.9%15.1%26.5%31.2%32.5%19.8%
情報の正確性を確かめる6.6%1.9%9.1%7.7%7.1%2.4%

※ 緑は各行の最高値、赤は特に低い値。複数回答のため合計は100%を超えます。

この表からは、3つの発見が読み取れます。

発見 1

若い世代は「自分で守る」

30代はパスワードロック62.8%、ソフト更新59.7%と自分の手で設定する対策が突出しています。 一方でウイルス対策ソフトは31.6%と平均並み。「道具を買う」より「設定でしのぐ」スタイルです。

設定型30代がピーク
発見 2

60代は「人に任せる」

60代はウイルス対策ソフト40.5%、携帯会社のセキュリティサービス41.0%と、この2つだけ全年代で最高です。 自分で設定する代わりに、お金を払って外に任せている形。これは合理的な戦略で、実際60代の対策実施率は91.7%と高い水準を保っています。

外注型60代がピーク
発見 3

80代は、任せることもできていない

80歳以上で唯一まともに残っているのが携帯会社のセキュリティサービス31.3%で、これは全体平均とほぼ同じ。 逆に言えばそれ以外がすべて崩れています。パスワードロック15.7%、ソフト更新22.0%、ウイルス対策ソフト18.7%。 契約時に付いたものだけが残っている状態に見えます。

契約時のまま要サポート
全年代共通の穴

「情報を確かめる」は6.6%

情報の正確性をファクトチェック団体やテレビ・新聞で確認する人は、全体でわずか6.6%。 いちばん高い30代でも9.1%です。ほかの対策が軒並み30〜60%あるなかで、ここだけ桁がひとつ違います。 機械では防げない、いま最も薄い守りです。

全年代で最低偽情報対策
💡

子どもの谷は、実は「パスワードロック」で説明できる

6〜12歳の対策実施率が低いのは、項目を見ると理由がはっきりします。パスワードロック33.8%、ソフト更新34.9%、ウイルス対策ソフト12.0%。どれも保護者が設定してあげる種類のものです。子ども本人の意識ではなく、渡すときに設定したかどうかがそのまま数字になっています。

05

💥 やられている中身も、年代で違う

対策が違えば、通り抜けてくる被害も違います。

同じ調査で、過去1年間にどんな被害にあったかも聞いています。ここが今回いちばん意外な結果でした。

📊 過去1年間の被害経験(年代別・複数回答)

年代迷惑・架空請求メール個人情報の漏えいフィッシングウイルス感染被害は特にない
6〜12歳14.0%3.2%1.6%2.8%55.3%
13〜19歳47.1%7.1%4.3%3.9%26.1%
20代67.2%12.4%8.7%4.5%16.6%
30代71.8%19.1%11.5%7.1%13.5%
40代74.7%17.2%12.2%9.2%13.4%
50代75.9%16.0%11.4%9.0%13.6%
60代70.8%15.0%10.3%13.0%15.9%
70代55.8%15.1%6.8%12.9%23.9%
80歳以上40.1%8.7%5.9%9.1%32.8%
全体64.1%14.2%9.3%8.5%19.4%
🎣

フィッシング

ピークは40代(12.2%)
80歳以上は5.9%とむしろ低い

🦠

ウイルス感染

ピークは60代(13.0%)
20代(4.5%)の約3倍

🪪

個人情報の漏えい

ピークは30代(19.1%)
サービス利用量に比例

📧

迷惑・架空請求

ピークは50代(75.9%)
4人に3人が受信

フィッシングの被害率がいちばん高いのは40代で、高齢者はむしろ低い。これは「フィッシングに引っかかるのはお年寄り」という一般的なイメージと逆です。理由はおそらく単純で、ネットバンキングやネット通販をたくさん使っている人ほど、偽物のメールが届く機会も多いから。使う量が多ければ、その分だけ当たる回数も増えます。

一方でウイルス感染だけは、60代・70代が突出して高い。そしてこの2つの年代は、前のセクションで見たとおり「ソフトウェアを最新にする」が45.0%→33.5%と落ちていく層でもあります。更新をしないと感染しやすくなるという関係が、そのまま表に出た形です。

🚨

「被害は特にない」を鵜呑みにできない理由

6〜12歳の55.3%、80歳以上の32.8%が「被害は特にない」と答えています。ただしこの数字は自己申告です。迷惑メールが来たことは分かりやすいですが、ウイルスに感染していることや、個人情報がどこかに流れたことは、教えてもらえなければ気づけません。

対策率が最も低い2つの層で「被害なし」の回答が最も多い、という組み合わせは、安全の証拠ではなく、気づけていない可能性のサインとして読むほうが安全です。

06

🌀 不安と対策が、ねじれている

いちばん不安なのは60代。でも、いちばん危ないのは80代でした。

この調査は「インターネットを使うとき不安を感じるか」も聞いています。並べてみると、対策率とはまた違う形が出ます。

年代不安を感じる対策している操作ができないこの層の状態
6〜12歳48.5%64.3%45.5%不安も薄く、対策も薄い
20代63.3%92.0%3.6%できるので、やっている
40代72.6%92.8%4.4%できるので、やっている
50代79.8%94.3%6.3%最も対策している層
60代81.1%91.7%14.0%最も不安を感じている
70代73.9%81.7%29.6%不安はあるが、手が届かない
80歳以上58.9%65.3%51.4%不安すら感じていない
全体70.2%88.4%16.7%—

60代がピーク(81.1%)で、そこから80歳以上では58.9%まで下がります。20代(63.3%)より低い水準です。ところが同じ80歳以上は、対策率も操作スキルも最低。不安・スキル・対策の3つが同時に低いのが、この層の特徴です。

不安の中身を見ると、もうひとつ大事な数字が出てきます。

😟 具体的な不安の中身(不安を感じる人の中で・複数回答)

不安の内容全体50代60代
個人情報や利用履歴が漏れていないか
89.8%
92.0%89.0%
ウイルスに感染していないか
60.2%
66.1%63.9%
詐欺や架空請求にあわないか
54.7%
59.6%61.3%
どこまで対策を行えばよいか
44.0%
49.8%49.5%
電子決済を信頼できるか
42.1%
52.7%47.3%

「どこまでセキュリティ対策を行えばよいか」が不安、と答えた人が全体で44.0%。50代・60代では約半数です。これは、対策を何もしていない人の不安ではありません。94.3%が何らかの対策をしている50代の、その半分が「これで足りているのか分からない」と言っているのです。

✅ 「どこまでやればいいか」への答え

この調査の数字から言えば、優先順位ははっきりしています。①ソフトの自動更新をオンにする ②端末にロックをかける ③迷惑メールの振り分けを設定する。理由は2つあって、いずれも一度設定すれば終わること、そして更新率が落ちる60代・70代でウイルス感染率が最も高くなっていることです。逆に毎日気を張り続ける種類の対策は、続かないぶん当てにできません。

※ ただし「更新している年代ほど被害が少ない」という単純な関係が全年代で成り立つわけではありません。6〜12歳や80歳以上は更新率も被害率も低く出ますが、これはネットを使う量そのものが少ないことの影響と考えられます。

07

🛠️ 年代別・今日やること

谷が2つなら、埋める作業も2つです。

👧 谷① 子ども(6〜12歳)にすること

  • 端末にパスワードロックをかける(実施33.8%)
  • 自動更新をオンにしてから渡す(実施34.9%)
  • アプリを入れるときは親の承認が要る設定に
  • 「変なメッセージが来たら見せて」を怒らない約束とセットで
  • 本人にやらせず、渡す側が設定を済ませる

👴 谷② 親世代(70代・80代〜)にすること

  • スマホを一度預かって自動更新をオンにする(80代の実施22.0%)
  • 画面ロックを設定する(80代の実施15.7%)
  • 契約している携帯会社のセキュリティサービスの中身を一緒に確認
  • 「困ったら電話して」の連絡先を待受に貼る
  • 口で説明せず、代わりに設定する(操作できない人が51.4%)

🧑‍💻 自分(20〜50代)にすること

  • フィッシング被害率が最も高いのは40代。他人事ではない
  • メールのリンクからではなくアプリやブックマークから開く
  • 使うサービスが多い人ほどパスワードの使い回しをやめる
  • 実施率6.6%の「情報を確かめる」を意識的に足す
  • 「自分は大丈夫」が最も外れやすい年代だと知っておく

🦠 60代・70代に特に効くこと

  • この層はウイルス感染の被害率が13.0%・12.9%と最高
  • 原因側の「ソフトを最新にする」は45.0%→33.5%と低下
  • やることは1つ、自動更新をオンにするだけ
  • ウイルス対策ソフトの契約は期限切れになっていないか確認
  • すでに40.5%が入れているので、買い足しより見直しが先
1

📱 端末を手に取る(本人にやらせない)

「やっておいてね」では動きません。操作ができない人が80歳以上で51.4%、6〜12歳で45.5%いるからです。実際に端末を借りるところから始めます。

2

🔄 自動更新をオンにする

設定アプリから、OSとアプリの自動更新を両方オンにします。これが効く根拠は明確で、更新率が落ちる60代・70代でウイルス感染率が最も高くなっているためです。

3

🔒 画面ロックをかける

80歳以上の実施率は15.7%、6〜12歳は33.8%。紛失・盗難の被害は全体で7.2%あり、ロックがなければ中身がそのまま渡ります。数字を暗記できないなら顔認証や指紋で構いません。

4

📞 「困ったら連絡する先」を決めておく

設定より大事かもしれない部分です。60代は81.1%が不安を感じているのに、相談先がなければ止まります。家族の誰か1人を決めて、本人が見える場所に書いておきます。

08

📝 注意点とまとめ

都合よく読まないために、この数字の限界を先に書いておきます。

注意 1

被害はすべて自己申告

「被害にあった」と本人が認識したものだけが数字になります。気づいていない感染や漏えいは入りません。 対策率が低い層で「被害なし」が多いのは、そのためかもしれません。

注意 2

6〜12歳の回答方法は不明

小学生が自分で答えたのか、保護者が代わりに答えたのかは、公開されている統計表からは分かりません。 「子ども本人の意識」ではなく「その家庭の状態」として読むのが安全です。

注意 3

2つの線が重なっても因果ではない

対策率とスキルのカーブが一致していても、「スキルがないから対策しない」と証明されたわけではありません。 年齢という共通の要因が両方を動かしている可能性が残ります。

注意 4

収入による差も出ているが、年齢と重なる

世帯年収200万円未満の対策率は79.9%、1,000万〜1,500万円では92.1%と差があります。 ただし収入が低い層には高齢者が多く含まれるため、収入だけの効果とは言えません。この記事では年代を主軸にしています。

注意 5

令和7年時点の調査

スマートフォンの設定画面もOSの既定値も年々変わります。自動更新が最初からオンになる機種が増えれば、この谷は自然に浅くなる可能性があります。 毎年更新される調査なので、翌年の数字と比べる価値があります。

注意 6

「対策あり」の基準はゆるい

10項目のうち1つでも選べば「対策している」に入ります。50代の94.3%も、中身は人によってまちまちです。 高い数字を見て安心しないでください。

ここまで見てきたことを、もう一度まとめます。

1

対策の谷は、子どもと80代の2か所にある

対策していない人の割合は6〜12歳22.7%、80歳以上17.7%。最も低い50代(3.4%)の5〜7倍です。

2

その谷は、操作スキルの谷とぴったり重なる

「いずれもできない」は6〜12歳45.5%、80歳以上51.4%。30代はわずか3.7%。意識ではなく、できることの差として現れています。

3

被害の中身は年代でまるで違う

フィッシングは40代(12.2%)がピーク、ウイルス感染は60代(13.0%)がピーク。「高齢者が危ない」の一言では説明できません。

4

いちばん危ないのは、不安すら感じていない層

80歳以上は不安58.9%・対策65.3%・スキル最低の三重の谷。逆に60代は81.1%が不安を感じており、対策率も91.7%と保てています。

この調査を通して見えたのは、セキュリティ対策の差が「ちゃんとしている人」と「していない人」の差ではないということです。両端に落ちているのは、意識が低い人たちではありません。設定画面にたどり着けない人たちです。

だとすれば、記事を読んだり注意喚起を聞いたりして状況が変わるのは、真ん中の年代だけということになります。谷の底にいる人には、言葉ではなく手が必要です。

✅ この記事の持ち帰りポイント

今週末、子どものタブレットと、親のスマホを一度借りてください。やることは「自動更新をオン」と「画面ロックをかける」の2つだけ。所要時間は1台5分です。この2つは、いちばん深い2つの谷でいちばん抜けている項目そのものです。

そして自分自身については、実施率6.6%という数字を覚えておいてください。情報が本当かどうかを確かめる習慣だけは、どんなソフトを入れても代わりにやってはくれません。いま最も空いている穴は、機械の外側にあります。

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