個人向けのサイバー保険は入るべきか|補償される被害と、されない被害

🛟 お金の守り方|個人向けサイバー保険

個人向けのサイバー保険は入るべきか補償される被害と、されない被害。
あなたの下には、もう「1枚目の網」が張ってあります

「ネットトラブル補償」「ネット詐欺保険」「火災保険のサイバー特約」。月数百円で入れる保険があります。でも、何が払われて、何が払われないのかを知らずに入ると、いちばん困ったときに「対象外です」と言われます。

ネットトラブル保険不正利用の補償ネット詐欺個人賠償・弁護士費用約款の読み方

🧭 結論:保険を探す前に「最初からある網」を確かめる。一番大きな被害は、保険の網の外にある

  1. 個人向けサイバー保険は「2枚目の網」です。1枚目は、カード会社・銀行・スマホ決済が最初から無料で付けている補償。盗まれて勝手に使われたお金は、多くがこの1枚目で戻ります。
  2. 保険が払うのは、主に①1枚目からこぼれた差額、②データ復旧やウイルス駆除の費用、③SNSなどで他人の情報を漏らして訴えられたときの賠償。上限は数万〜200万円ほどです(2026年10月に調べた例)。
  3. 払われないのは、だまされて自分で振り込んだお金。SNS型投資・ロマンス詐欺の被害は2025年に約1,834億円。ネットバンキング不正送金とカード不正利用を足した額の約3倍なのに、今回調べた保険はどれも対象外でした。
  4. 入る価値が出やすいのは、SNSで発信する家族がいる人、パソコンのトラブルで頼れる人がいない人、フリマ取引が多い人。単独で入る前に、今の火災保険やスマホの契約にもう付いていないかを確認しましょう。
  5. 全員:カードと銀行の補償の届出期限を確認。SNS・フリマを使う家族:賠償や詐欺の補償を比べる。投資・恋愛の話でお金を求められた人:保険では守れないので、送る前に #9110 か 188 に相談。

保険は「落ちたときに受け止める網」です。網の外に落ちないための一番の対策は、会ったことのない人にお金を送らないことです。

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まずこの1枚

あなたの下には2枚の網がある。保険は2枚目

サーカスの空中ブランコを思い浮かべてください。落ちたときのために、下に網が張ってあります。ネットのお金の被害も同じで、網は2枚あります。

  • 1枚目最初から付いている補償。クレジットカードの不正利用補償、銀行のネットバンキング補償、スマホ決済の補償などです。申し込み不要・無料で、カードや口座を作った時点で張られています。
  • 2枚目保険。1枚目からこぼれたお金を受け止めたり、1枚目にはない「費用」や「賠償」を受け止めたりします。自分で入る・お金がかかる・上限がある網です。
  • 網の外どちらの網も張っていない場所があります。だまされて、自分で振り込んだお金です。

※ 実際の補償は、会社ごとの規約や約款で細かく決まっています。網のたとえは、最初の理解のためのものです。

📌 ネットのお金の被害を受け止める「2枚の網」

落ちてくる被害 3つの種類 1枚目の網(無料) カード会社・銀行・決済アプリ 2枚目の網(保険) 自分で入る・上限あり 網の外 誰も受け止めない 盗まれた カード番号・パスワード を盗まれ、勝手に使われた 壊された・訴えられた ウイルスでデータが消えた SNS投稿で訴えられた だまされた 投資・恋愛の話を信じて 自分で振り込んだ こぼれた差額 すり抜ける すり抜ける ◎ 原則補償 △ 差額を上乗せ ○ 費用・賠償を払う 戻るのは口座の残りを 分け合う分だけ(救済法) 上限の例(2026年10月に調べた商品):上乗せ 5万〜100万円、費用 6万〜10万円、賠償 100万〜200万円。図は当サイトの整理です。

この図で覚えること

  • 盗まれたお金は、まず1枚目の網(カード会社・銀行)に連絡する。保険はその後
  • 費用と賠償は1枚目にない。ここが保険の本当の出番
  • だまされて自分で払ったお金は、保険でも戻らないことが多い。だから「払う前」が勝負
PARTS1

中身を分解する

「個人向けサイバー保険」の中身は4つの部品

「サイバー保険」という名前の1つの商品があるわけではありません。個人向けの商品をいくつか読み比べると、中身はだいたい次の4つの部品の組み合わせでできています。どの部品が入っているかで、守れる範囲がまったく違います。

① 上乗せ補償(盗まれた系)

カードやスマホ決済、ネットバンキングを勝手に使われたとき、1枚目の補償で戻らなかった分を払う。1枚目が先、保険は後。

② ネット詐欺補償(だまされた系)

偽の通販サイトに払った、フリマで商品を送ったのに代金が来ない、など。対象の手口が決まっていて、上限は5万円ほどと小さめ。

③ 費用補償(壊された系)

ウイルス感染のデータ復旧、マルウェアの駆除、弁護士への相談などの「直すためのお金」。電話相談や駆除のサービスが付く商品も多い。

④ 賠償補償(訴えられた系)

他人の個人情報をSNSに載せた、自分のスマホから情報が漏れた、などで訴えられたときの賠償金。普通の個人賠償責任保険では出ない部分。

実際の商品は、こう組み合わさっている(例)

2026年10月2日に、各社の公式ページと手引きで確認した内容です。おすすめではなく、部品の組み合わせ方の例として見てください。料金と上限は変わることがあります。

商品の例入り方・料金入っている部品上限の例見落としやすい条件
ソフトバンク「ネットトラブル補償」
引受:三井住友海上
セキュリティパック(月660円/770円)に付属①上乗せ ③費用 ④賠償不正送金5万円、スマホ不正決済100万円、賠償200万円、費用は年合計10万円不正送金はスマホへのサイバー攻撃が原因の場合で、銀行などから戻った分を差し引く。警察と銀行への届出が必要。誹謗中傷の名誉毀損、身代金は対象外。パック内のアプリを使っていないことが原因の事故も対象外
ドコモ「smartあんしん補償」のスマホ不正決済補償
引受幹事:東京海上日動
スマホ本体の補償(月330〜1,720円)に自動で付く①上乗せ1事故100万円(個人は1回まで)QRコード決済・後払い式電子マネーが対象。決済事業者の補償を超えた分だけ。事業者が不正と認めない場合や、本人の過失で事業者の補償がなかった場合は対象外
ジェイコム少額短期保険「ネットあんしん保険」単独で加入(月750円)③費用 ④賠償弁護士費用・賠償は1事故100万円、データ復旧1事故6万円(各年3事故まで)詐欺被害は弁護士費用などが対象。だまし取られたお金そのものを払う項目はない。費用は事前に保険会社の同意が必要
オンリーサービス「ネットトラブルSOS」のネット詐欺保険
引受:レスキュー損保
単独で加入(月550円)②ネット詐欺最大5万円対象はワンクリック詐欺・偽通販サイトへの送金・偽フリマでの代金未払い。同じ相手からの被害は1回目だけ。盗まれた系(不正送金・不正利用)は対象外。警察への盗難届の受理が条件
東京海上日動「ホームサイバーリスク費用補償特約」火災保険(トータルアシスト住まいの保険)の特約③費用(相談・駆除サービス)公式ページに上限の記載なし電話相談とマルウェアのリモート駆除のサービスが付く。仕事専用の機器、自分で業者を手配した場合、操作方法の相談は対象外
損保ジャパン「住宅内サイバーリスク補償」火災保険(THE すまいの保険)の特約③費用実費(上限は公式ページに記載なし)建物と家財の両方を保険の対象にした契約だけ。最新版のOSやソフトを使っていないことが原因の費用、漏れた個人情報が悪用された損害は対象外

※ ソフトバンクとドコモは「スマホ契約のオプション」、ジェイコムとオンリーサービスは「単独の保険」、東京海上日動と損保ジャパンは「火災保険の特約」です。ジェイコム少額短期保険のような少額短期保険は、保険会社が破綻したときの「保険契約者保護機構」の対象外です(金融庁)。

「サイバー保険に入っている」は、どの部品のこと?

同じ「ネットトラブル」の名前でも、①しかない商品もあれば、③④だけの商品もあります。自分がどの被害を心配しているかを先に決めて、その部品が入っているかで選ぶのが近道です。

TABLE2

早見表

補償される被害・されない被害 13場面

よくある13の場面で、1枚目の網(最初からある補償)と2枚目の網(保険)がそれぞれ受け止めるかを並べました。

◎ほぼ戻る ○条件を満たせば出る △一部・少額・個別判断 ×出ないことが多い

場面1枚目の網(最初からある補償)2枚目の網(保険)ひとこと
1. カード番号を盗まれ、勝手に使われた◎カード会社の不正利用補償。JCBは明細の通知から60日以内の届出が条件。家族の利用やカードの貸し借りは対象外×ほぼ出番なしいちばん守られている
2. ネットバンキングに入られ、勝手に送金された○銀行の補償。過失がなければ原則補償(全銀協の申し合わせ)。過失があると減額や対象外も。楽天銀行は被害から30日以内の通知が必要△差額の上乗せ(例:最大5万円)まず銀行へ電話
3. スマホ決済(QRコード決済)を勝手に使われた○決済事業者の規約による補償○上乗せ(例:最大100万円)保険は事業者の補償を超えた分だけ
4. 証券口座に入られ、勝手に売買された△2025年5月、大手・ネット証券10社が「一定の補償」を申し合わせ。額は個別の事情で決まる×今回調べた個人向けの商品には見当たらず多要素認証の設定が先
5. 偽の通販サイトで買って、届かない△カード払いなら支払い停止を相談。振込なら振り込め詐欺救済法(口座の残りを分ける)△少額(例:最大5万円、1回目だけ)支払い方法で道が分かれる
6. フリマで商品を送ったのに、代金が払われない△フリマアプリの事務局の対応は、アプリの規約しだい△少額(例:最大5万円)取引はアプリの中だけで
7. SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺で振り込んだ×本人の送金。振込先の口座に残っていた分を被害者で分ける救済法のみ×今回調べた商品では対象外(弁護士費用だけ出る商品はある)被害額は最大なのに網がない
8. サポート詐欺で電子マネーを買わされた△発行元に利用停止と救済を相談×出ないことが多い番号を伝えたらすぐ発行元へ
9. ウイルス感染で、データ復旧や駆除を頼んだ×なし○費用(例:データ復元10万円、データ復旧6万円)保険の得意分野
10. ランサムウェアで「身代金」を払った×なし×身代金は対象外と明記する商品がある払っても戻る保証はない
11. 他人の個人情報をSNSに載せて訴えられた×普通の個人賠償責任保険は、名誉毀損やプライバシー侵害が対象外○サイバー型の賠償(例:100万〜200万円)子どものSNSで心配なのはここ
12. 悪口を書いて名誉毀損で訴えられた×同上×対象外と明記する商品がある書かないことが唯一の対策
13. SNSで誹謗中傷された(自分が被害者)×なし○弁護士費用(例:1事故100万円、火災保険の弁護士費用特約)損害賠償の請求を弁護士に頼める

※ ◎○△×は、各社の公式ページ・手引き・業界団体の資料をもとにした当サイトの整理です。実際に払われるかは、契約している商品の約款と、個別の事情で決まります。

⭕ 保険が得意なこと

  • 1枚目の網からこぼれた差額
  • データ復旧・ウイルス駆除・相談の費用
  • SNSや情報漏えいで訴えられたときの賠償
  • 誹謗中傷されたときの弁護士費用

❌ 保険が苦手なこと

  • だまされて自分で振り込んだ大きなお金
  • 身代金
  • 自分が書いた悪口による名誉毀損
  • セキュリティ更新を怠ったことが原因の被害
DATA3

数字で見る

一番大きな被害は「網の外」にある

2025年(令和7年)の警察庁の資料から、ネットのお金の被害を「盗まれた系」と「だまされた系」に分けて並べてみます。

2025年のネットのお金の被害(億円)

盗まれた系(1枚目の網がある)だまされた系(網の外)

ネットバンキング不正送金盗まれた系・個人と法人の合計
約104億円
約510億円
SNS型投資・ロマンス詐欺だまされた系
約1,834億円

出典:警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」p.3・p.31、同「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」。集計の仕方が違う統計を並べているので、大きさの目安として見てください。

約614億円盗まれた系の合計
(不正送金+カード)
約1,834億円SNS型投資・
ロマンス詐欺
約3倍だまされた系は
盗まれた系の
約1,423億円特殊詐欺(参考)
電話・対面も含む

盗まれた系の被害には、カード会社や銀行の補償という1枚目の網があります。一方、だまされた系は本人が自分の意思で振り込んだ扱いになるため、1枚目の網がありません。そして今回調べた個人向けの保険も、SNS型投資・ロマンス詐欺を対象にしていませんでした。つまり被害額がいちばん大きいところに、網が張られていないのです。

昔と今:網が張られた場所と、被害が起きる場所がずれてきた

網が想定してきた被害

  • ウイルスやフィッシングで盗まれる
  • 勝手にログインされ、勝手に使われる
  • 銀行の補償の申し合わせは2008年。カード会社の補償も「本人以外の利用」が前提

いま大きくなっている被害

  • SNSで知り合った人を信じて自分で振り込む
  • 本人の操作なので「勝手に使われた」にならない
  • 1件あたりの額が大きく、保険の上限(数万〜100万円)では足りない

なぜ「自分で払ったお金」は保険になりにくいのか(当サイトの見方)

保険は「思いがけない事故」で生まれた損を、みんなで出し合ったお金から払うしくみです。だまされた送金は本人の判断が入るうえ、1件の額が大きくなりがちです。SNS型投資詐欺は2025年、1件あたり平均で約1,350万円でした(約1,288億円÷9,523件、当サイト計算)。偽通販のように額が小さく、手口がはっきりした被害だけを、5万円ほどの上限で引き受ける商品があるのは、このためだと考えられます。

CHECK4

あなたは大丈夫?

入るべき? 5つの質問で4タイプに分ける

次の5つのうち、当てはまるものに印を付けてください。

✅ 当てはまるものは?

  • Q1. 家族(特に子ども)が、SNSに写真や文章をよく投稿している
  • Q2. パソコンやスマホが変になったとき、相談できる人が身近にいない
  • Q3. フリマアプリや個人間の売り買いをよくする
  • Q4. スマホ決済にカードや銀行口座をつなぎ、よく使っている
  • Q5. 投資や副業、恋愛の話でお金を送ってほしいと言われたことがある
  • A. どれも当てはまらない単独の保険は急がなくてよいタイプ。カードと銀行の補償条件(届出期限)を確認しておけば、まず十分です。
  • B. Q4だけ上乗せ補償をスマホの契約で持っていないか確認。決済事業者の補償を超える被害は多くないので、重ねて入る前に今の契約を見ます。
  • C. Q1・Q2・Q3のどれか保険が役に立ちやすいタイプ。Q1なら④賠償と弁護士費用、Q2なら③費用と相談サービス、Q3なら②ネット詐欺補償が入っているかで比べます。まず火災保険の特約で足せないかを確認。
  • D. Q5が当てはまる保険では守れないタイプ。お金を送る前に、家族や警察相談専用電話 #9110、消費者ホットライン 188 に相談してください。送ってしまったら、すぐに振込先の銀行と警察へ。

※ この診断は、考え方の目安です。保険の加入をすすめたり、すすめなかったりするものではありません。

RULES5

入る前に

約款・手引きで見る5つのポイント

保険の細かい決まりは、「約款」や「補償の手引き」「重要事項説明書」に書いてあります。全部読むのは大変なので、この5つだけ探してください。

  1. 何が「事故」か。「盗まれた(不正利用)」なのか、「だまされた(詐欺)」なのか、「費用」なのか。同じ詐欺でも、対象の手口が名前で決まっていることがあります(例:ワンクリック詐欺・偽通販・偽フリマだけ)。
  2. 1枚目の網との関係。「決済事業者の補償を超えた分」「金融機関から戻った分を差し引く」と書いてあれば上乗せ型です。1枚目への届出が先で、事業者の認定書類が必要なこともあります。
  3. 上限と回数。「1事故◯万円」だけでなく、「年間の合計」「1回目だけ」も見ます。ソフトバンクの費用補償は年合計で最大10万円です。
  4. 条件と期限。警察への届出、銀行への届出、何日以内の連絡か。付属のセキュリティアプリを使っていないと対象外になる商品もあります。
  5. 払われない場合。身代金、名誉毀損、家族や同居人が関わった場合、仕事中の事故、古いOSのまま使っていた場合など。「保険金をお支払いしない主な場合」という見出しを探すと早いです。
QUIZ6

読者参加

どの網が受け止める? 3問クイズ

Q1. 宅配業者を名乗るSMSのリンクからカード番号を入れたら、知らない買い物をされた。

答え:1枚目の網(カード会社)。本人の利用ではないので、不正利用の補償の対象になりえます。ただし番号を入力したのは本人なので、カード会社が事情を調べて判断します。すぐにカード会社へ電話してカードを止め、届出期限内に申し出ましょう。

Q2. パソコンがウイルスに感染し、業者にデータ復旧を頼んだら8万円かかった。

答え:2枚目の網(保険の費用補償)。1枚目の網には「直すための費用」がありません。費用補償が入った保険なら、上限の範囲で払われる可能性があります。ただし、事前に保険会社の同意が必要な商品や、自分で業者を手配すると対象外になる商品があるので、頼む前に連絡を。

Q3. SNSで知り合った「投資の先生」に、言われるまま300万円を振り込んだ。

答え:網の外。本人の送金なので、銀行の不正送金補償も、今回調べた保険も対象外です。戻る可能性があるのは、振込先の口座にお金が残っていた場合に、被害者で分け合う振り込め詐欺救済法の手続きです。すぐに振込先の銀行と警察に連絡してください。口座が凍結されるのが早ければ、お金が残っている可能性があります。

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今やること

今日やること3つ

  1. 1枚目の網を確かめる。使っているカード会社・銀行・スマホ決済の「不正利用の補償」のページを開き、届出期限と連絡先をスマホのメモに保存。例:JCBは明細の通知から60日以内、楽天銀行のネットバンキングは被害から30日以内の通知。
  2. もう入っていないか棚卸しする。スマホの補償・セキュリティパック、火災保険の特約(個人賠償・弁護士費用・サイバー)、カードの付帯サービス。同じ部品に二重で払っていないか、足りない部品はどれかを確認します。
  3. 網の外を予防する。会ったことのない人から投資・副業・恋愛の話でお金を求められたら、送る前に家族か #9110・188 に相談。家族にもこのルールを共有しておきます。
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専門的な話

もっと詳しく:数字の定義と保険のしくみ

数字の定義

  • ネットバンキング不正送金:2025年は4,747件・約103億9,700万円で、手口の約9割がフィッシング(警察庁 令和7年情勢 p.3)。個人と法人の合計で、2025年は電話でメールアドレスを聞き出す「ボイスフィッシング」による法人口座の被害が急増しました。
  • クレジットカード不正利用:約510億円(前年比約9%減)。日本クレジット協会の数字を警察庁が引用(同 p.31)。
  • SNS型投資・ロマンス詐欺:2025年確定値は、投資詐欺9,523件・約1,288億円、ロマンス詐欺5,645件・約546億円、合計約1,834億円(警察庁、2026年6月5日公表の確定値)。
  • 特殊詐欺:2025年確定値は27,832件・約1,423億円。電話や対面で現金・カードを渡す手口も含むため、棒グラフの比較からは外しました。
  • 証券口座:2025年の不正売買金額は約7,408億円(金融庁・フィッシング対策協議会の数字を警察庁が引用、同 p.30)。これは「勝手に売買された金額」で、被害者の損失額ではありません。
  • 「約3倍」は、約1,834億円 ÷(約104億円+約510億円)で当サイトが計算したものです。

保険のしくみで知っておきたいこと

  • 上乗せ型は「差額」しか払わない:ソフトバンクの手引きは、不正送金の損害額から「他人(金融機関を含む)から回収または補てんされる金額」を差し引くと定めています。ドコモの不正決済補償も「決済事業者等の補償範囲を超えた分」です。
  • 個人賠償責任保険の範囲:日本損害保険協会は、個人賠償責任保険の対象は他人の「身体」や「財物」の損害で、名誉毀損やプライバシー侵害は対象外と説明しています。SNSのトラブルは、サイバー型の賠償補償や弁護士費用特約で考えます。
  • 銀行の補償:全国銀行協会は2008年2月19日、ネットバンキングの不正な払い戻しについて、銀行に過失がなくても顧客に過失がなければ原則補償する申し合わせをしました。過失の有無や程度で、減額や対象外になることがあります。
  • 証券会社の補償:日本証券業協会は2025年5月2日、大手・ネット証券10社が約款にかかわらず「一定の被害補償」を行う方針を公表しました。補償はIDやパスワードの管理状況なども考えて、個別に決まります。
  • 少額短期保険:少額短期保険業者は保険契約者保護機構の対象外です。代わりに一定の供託金が義務付けられています(金融庁)。
FAQ9

よくある疑問

よくある疑問

火災保険に「個人賠償責任特約」を付けています。SNSのトラブルも大丈夫ですか?

他人の物を壊した、ケガをさせた、という賠償が中心です。日本損害保険協会の説明では、名誉毀損やプライバシー侵害は対象外です。SNSで他人の情報を載せて訴えられる心配があるなら、サイバー型の賠償補償が入っているかを確認してください。

投資詐欺に効く保険はありますか?

今回(2026年10月)調べた個人向けの商品では、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺で振り込んだお金そのものを払うものは見つかりませんでした。弁護士費用が出る商品はありますが、相手が誰か分からない・海外にいる場合は、取り返せるとは限りません。送る前に相談することが一番の守りです。

セキュリティアプリを入れていないと、補償されないことがありますか?

あります。たとえばソフトバンクのネットトラブル補償は、セキュリティパックで提供しているサービスを利用していないことが原因の事故は対象外としています。損保ジャパンの住宅内サイバーリスク補償も、最新版のOSやソフトを使っていないことが原因の費用は対象外です。

ランサムウェアで払った身代金は、保険で戻りますか?

個人向けの商品では、身代金を対象外と明記しているものがあります(例:ソフトバンクのネットトラブル補償。マルウェアの調査・対応の費用は対象でも、身代金は対象外)。払ってもデータが戻る保証はありません。

証券口座を乗っ取られました。保険で補償されますか?

今回調べた個人向けの保険には、証券口座の不正取引を対象にしたものは見当たりませんでした。まず証券会社に連絡してください。2025年5月に大手・ネット証券10社が「一定の補償」を行う方針を申し合わせていて、額は個別の事情で決まります。

いくつも入れば安心ですか?

上乗せ型は「ほかから戻った分を差し引く」しくみなので、同じ部品に重ねて入っても、受け取れる額が単純に増えるとは限りません。部品ごとに1つそろっていれば十分なことが多いです。

📚 出典(2026年10月2日に確認)

保険・補償サービス

業界団体・金融機関

公的機関

  • 警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」p.3・p.30・p.31
  • 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日)
  • 金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」 https://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/furikome/
  • 金融庁「少額短期保険業制度について」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/syougaku/index.html

商品の料金・上限・条件は改定されることがあります。加入や請求の前に、必ず各社の最新の約款・重要事項説明書を確認してください。本記事は特定の保険商品の加入をすすめるものではありません。

保険は2枚目の網。1枚目を確かめ、網の外には落ちない

盗まれたら、まずカード会社・銀行へ。直す費用と訴えられたときは、保険の出番。
だまされて振り込むお金には、どの網もありません。送る前に、ひと呼吸と相談を。

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