東京はSNS詐欺では23位でしかない
古い詐欺と新しい詐欺では、危ない県の見分け方が正反対だった
結論:オレオレ詐欺が多い県と、SNS詐欺が多い県は、別の県である。しかも見分け方まで正反対だった。
- SNS型詐欺(投資・ロマンス)の被害額は、すでにオレオレ詐欺などの特殊詐欺を上回っている。令和7年で1,834億円 対 1,423億円。件数は約半分なのに被害額は多い。1件あたりの被害は約2.4倍。
- 首都圏はSNS型では上位ではない。特殊詐欺では東京5位・神奈川8位・埼玉12位なのに、SNS型では23位・29位・40位まで落ちる。とくに東京のロマンス詐欺は44位。SNS詐欺は都会の現象ではない。
- 効く指標が正反対だった。従来型の特殊詐欺が多いのは「もともと犯罪の多い県」。いっぽうSNS型が多いのは「この5年で犯罪が増えた県」。統計的に確かめると、この2つはきれいに入れ替わる。
- とくにロマンス詐欺は、5年前の犯罪水準とまったく関係がない(相関ほぼゼロ)。高齢化率とも無関係。過去の実績が通用しない、という意味で本当に新しい犯罪です。
- あなたが見るべきなのは「うちの県は昔から安全か」ではなく「この5年で増えたか」。増えている県に住んでいるなら、親世代への電話だけでなく、自分と子ども世代のSNSにも警戒を向けてください。
昔から治安がいい県は、SNS詐欺に対しては何の保証にもならない。
📋 目次
前回わかったことの、さらに先です
連載②では「知能犯(=詐欺とその仲間)が増えている県は、2年後に本当に詐欺の多い県になっていた」という話をしました。今回はその副産物を掘ります。分析中に、増え方が効く相手と効かない相手がはっきり分かれていることに気づきました。調べてみると、詐欺の種類によって「危ない県の見分け方」そのものが違っていたのです。
💰 SNS型詐欺は、もう「新顔」ではない
件数は特殊詐欺の半分。でも被害額は上回っています。
本題に入る前に、SNS型詐欺の規模を確認しておきます。ここを知らないと、後の話の重みが伝わらないからです。
警察庁が令和7年に認知したSNS型投資詐欺は9,523件、SNS型ロマンス詐欺は5,645件。合わせて15,168件です。いっぽう、オレオレ詐欺や還付金詐欺といった従来型の特殊詐欺(手口7種の合計)は27,832件。件数だけ見れば、SNS型は従来型の半分強にすぎません。
ところが被害額を見ると、話が逆転します。
📐 図1:件数は少ないのに、被害額は上回っている
1件あたりにならすと、従来型の特殊詐欺が約511万円なのに対し、SNS型は約1,209万円。1件で2.4倍の金額が奪われています。
「SNS型投資詐欺」は、SNSで知り合った相手や有名人をかたる広告から投資グループに誘い込み、偽の取引画面で利益が出ているように見せて入金させ続ける手口です。「SNS型ロマンス詐欺」は恋愛感情を利用するもので、最終的に投資話につながることも多い。どちらも数か月かけて信頼を作るため、被害額が桁違いに大きくなります。
警察庁のSOS47では「特殊詐欺」という列にSNS型も含めた総数が載っています。この記事では従来型の手口7種(オレオレ詐欺・預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗・架空料金請求詐欺・還付金詐欺など)の合計を「従来型の特殊詐欺」、SNS型投資とロマンスの合計を「SNS型」として、はっきり分けて扱います。
🏙️ 首都圏が下位に沈むという事実
同じ県が、詐欺の種類を変えるだけで順位を大きく落とします。
ここからが本題です。人口10万人あたりの発生率で都道府県を並べたとき、従来型の特殊詐欺とSNS型で、順位がまったく違うことに気づきました。
とくに極端なのが首都圏です。
📐 図2:詐欺の種類を変えると、首都圏は一気に沈む
埼玉県は従来型で12位なのに、SNS型では40位。28位も落ちます。千葉は19位から43位(24位差)、神奈川は8位から29位(21位差)、東京は5位から23位(18位差)。
さらに細かく見ると、東京都のSNS型ロマンス詐欺は全国44位です。特殊詐欺で全国5位の都道府県が、ロマンス詐欺では下から4番目。これはもう誤差では説明できません。
逆方向の県もあります。沖縄県は従来型24位からSNS型7位へ、鳥取県は10位から6位(ロマンス詐欺では全国3位)へ。鹿児島県も18位から10位(ロマンス4位)へ上がります。
「詐欺が多いのは都会」は、SNS型には当てはまらない
従来型の特殊詐欺は、名簿を使った電話や受け子の受け渡しといったその場に人がいる手口が中心で、人口が密集する都市部に集中します。ところがSNS型は、その傾向がほとんど見られません。むしろ地方の県のほうが上位に来ています。
🔄 効く指標が正反対だった
ここがこの記事の核心です。
では、SNS型が多い県には何か共通点があるのか。連載②で使った知能犯認知件数(詐欺とその仲間の件数)を2つの見方で並べて、どちらがよく当たるかを比べました。
- 水準=2023年度に、その県で知能犯が何件あったか(もともと犯罪が多い県か)
- 増加分=2019年度から2023年度で、何件ぶん増えたか(この5年で増えた県か)
結果を先に書きます。従来型の特殊詐欺には「水準」が効き、SNS型には「増加分」が効きました。しかも、きれいに入れ替わります。
| 説明に使った指標 | SNS型(合計) | SNS型投資 | ロマンス | 従来型の特殊詐欺 |
|---|---|---|---|---|
| 知能犯 増加分(2023−2019) | 0.819 | 0.763 | 0.790 | 0.632 |
| 知能犯 2023年度の水準 | 0.765 | 0.773 | 0.648 | 0.798 |
| 知能犯 2019年度の水準 | 0.145 | 0.249 | −0.033 | 0.510 |
| 高齢化率 | −0.143 | −0.239 | 0.021 | −0.433 |
| DID人口比率(都市化の度合い) | −0.083 | 0.048 | −0.269 | 0.330 |
数値は相関係数。1に近いほど強く関係し、0なら無関係、マイナスは逆の関係。47都道府県すべてで計算。
注目してほしいのはロマンス詐欺の列です。2019年度の水準との相関が−0.033、つまりほぼゼロ。高齢化率との相関も0.021でゼロ。5年前にその県で犯罪が多かったかどうかは、今のロマンス詐欺の多さをまったく説明しません。効くのは「この5年で増えたかどうか」だけです。
ただし、「増加分」と「2023年度の水準」は互いに強く関係しています(相関0.853)。増えた県は当然、今の水準も高いからです。そこで片方の影響を取り除いて、もう片方だけの効き目を測るという計算をしました。統計では偏相関といいます。
📐 図3:片方の影響を取り除くと、役割がはっきり分かれる
SNS型では増加分(0.494)が水準(0.222)の2倍以上効いています。ところが従来型の特殊詐欺では水準(0.641)が圧倒的で、増加分はマイナス(−0.156)になってしまう。完全に役割が入れ替わっています。
これが意味するのは、「うちの県は昔から治安がいいから安心」という感覚が、SNS型詐欺に対しては何の保証にもならないということです。オレオレ詐欺なら「もともと多い県かどうか」で見当がつきます。しかしSNS型は、静かだった県で急に増えます。
🔢 47都道府県 増加分ランキング
知能犯が「何件ぶん増えたか」の順に全県。右がSNS型の順位です。
増加分(人口10万人あたり、2023年度−2019年度)の大きい順に47県を並べました。右の2列が、令和7年のSNS型と従来型それぞれの順位です。
| 順 | 都道府県 | 増加分 | 増え方の大きさ | SNS型 順位 | 従来型 順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 香川県 | +68.8 | 1位 | 1位 | |
| 2 | 佐賀県 | +45.2 | 4位 | 4位 | |
| 3 | 滋賀県 | +32.7 | 3位 | 6位 | |
| 4 | 岐阜県 | +30.9 | 9位 | 14位 | |
| 5 | 兵庫県 | +29.2 | 2位 | 3位 | |
| 6 | 青森県 | +25.7 | 27位 | 32位 | |
| 7 | 長崎県 | +25.2 | 13位 | 16位 | |
| 8 | 鹿児島県 | +23.8 | 10位 | 18位 | |
| 9 | 奈良県 | +22.1 | 12位 | 11位 | |
| 10 | 愛媛県 | +21.7 | 32位 | 33位 | |
| 11 | 島根県 | +21.5 | 26位 | 20位 | |
| 12 | 広島県 | +21.3 | 19位 | 23位 | |
| 13 | 福岡県 | +21.1 | 17位 | 13位 | |
| 14 | 和歌山県 | +19.9 | 16位 | 17位 | |
| 15 | 大阪府 | +18.5 | 11位 | 2位 | |
| 16 | 三重県 | +17.7 | 5位 | 7位 | |
| 17 | 愛知県 | +17.1 | 8位 | 9位 | |
| 18 | 秋田県 | +16.5 | 30位 | 41位 | |
| 19 | 山口県 | +16.2 | 34位 | 36位 | |
| 20 | 徳島県 | +15.8 | 15位 | 27位 | |
| 21 | 宮城県 | +15.6 | 24位 | 22位 | |
| 22 | 茨城県 | +13.9 | 22位 | 37位 | |
| 23 | 沖縄県 | +13.5 | 7位 | 24位 | |
| 24 | 鳥取県 | +13.2 | 6位 | 10位 | |
| 25 | 宮崎県 | +12.9 | 38位 | 44位 | |
| 26 | 石川県 | +10.5 | 14位 | 15位 | |
| 27 | 新潟県 | +9.8 | 35位 | 28位 | |
| 28 | 熊本県 | +9.7 | 21位 | 34位 | |
| 29 | 大分県 | +9.5 | 20位 | 26位 | |
| 30 | 岡山県 | +9.0 | 25位 | 21位 | |
| 31 | 長野県 | +8.1 | 31位 | 29位 | |
| 32 | 山形県 | +6.6 | 39位 | 42位 | |
| 33 | 富山県 | +6.2 | 47位 | 30位 | |
| 34 | 静岡県 | +4.4 | 37位 | 35位 | |
| 35 | 福井県 | +4.4 | 33位 | 40位 | |
| 36 | 千葉県 | +4.3 | 43位 | 19位 | |
| 37 | 山梨県 | +4.3 | 41位 | 43位 | |
| 38 | 東京都 | +3.7 | 23位 | 5位 | |
| 39 | 北海道 | +3.0 | 46位 | 45位 | |
| 40 | 高知県 | +2.3 | 18位 | 25位 | |
| 41 | 岩手県 | +2.0 | 28位 | 31位 | |
| 42 | 福島県 | +1.9 | 36位 | 38位 | |
| 43 | 神奈川県 | +1.6 | 29位 | 8位 | |
| 44 | 群馬県 | +1.2 | 42位 | 47位 | |
| 45 | 埼玉県 | +1.2 | 40位 | 12位 | |
| 46 | 京都府 | 0.0 | 44位 | 39位 | |
| 47 | 栃木県 | −3.2 | 45位 | 46位 |
増加分=人口10万人あたりの知能犯認知件数の、2023年度と2019年度の差。ピンクの行は増加分もSNS型も上位10位以内、青の行は「SNS型と従来型で順位が大きく食い違う県」。
数字でまとめると、増加分トップ10県のSNS型の平均順位は11.3位。いっぽう増加分ワースト10県は35.1位です。ほぼ上半分と下半分に分かれています。
いちばんわかりやすいのが富山県でしょう。増加分は33位と伸びておらず、SNS型では投資もロマンスも全国47位、つまり両方とも最下位です。従来型の特殊詐欺では30位と真ん中あたりですから、SNS型だけが突出して少ない。
🤔 なぜこうなるのか(ここからは仮説)
データが示すのはここまでで、以下は説明の試みです。
ここまでに示した数字はすべて公的統計から計算したもので、誰でも再現できます。しかし「なぜそうなるのか」については、このデータからは証明できません。以下はもっともらしい説明の候補であって、確かめられた事実ではない、と理解して読んでください。
もっともらしい説明は「手口が土地に縛られているかどうか」の違いです。
土地に根を張る犯罪
名簿を手に入れ、かけ子が電話をかける拠点を構え、現金やカードを受け取る受け子を現地で動かす必要があります。人と場所への投資が要るぶん、いちど根を張った地域で繰り返される。だから「もともと多い県で、今も多い」という形になります。
土地を必要としない犯罪
アカウントと広告費さえあれば、どの県の誰にでも同じコストで届きます。現地の拠点も、受け子も要らない。送金は振込や暗号資産で完結します。既存の縄張りと関係なく、新しい地域に一気に広がれる構造です。
この見方に立つと、いくつかの数字がうまく説明できます。首都圏がSNS型で順位を落とすのは、従来型が「都市に人と拠点が集まるから多い」という理由で成り立っているのに対し、SNS型にはその理由が当てはまらないから。地方の県が上位に来るのは、SNSを通じてなら地方も都市も等しく狙えるから。
そして「増加分が効く」のは、SNS型がまだ広がっている最中の犯罪だからと考えられます。もう根を張り終えた従来型は「水準」で測れますが、今まさに新しい県へ入り込んでいるSNS型は「どこで増えているか」にしか現れない、というわけです。
この仮説が正しいなら、こう予測できるはずです
SNS型がある県に十分広がり切ったあとは、増加分ではなく水準で測れるようになる——つまり従来型と同じ振る舞いに変わっていくはずです。2024年度以降のデータが出たら、この予測が当たるかどうかを確かめられます。当たらなければ、この説明は捨てることになります。
🔬 この関係は本物か、検証した
1県か2県の極端な値で生まれた見せかけの関係、という可能性を潰します。
相関の話で最も多い落とし穴は、極端な1点が全体を引っ張っているだけというものです。実際この連載でも以前、「一人暮らし世帯が多い県ほどフィッシング被害が多い」という関係が、東京都を1つ外しただけで消えたことがありました。
今回も同じ疑いを持つべきです。香川県は増加分も+68.8と突出し、SNS型でも1位。この1県が関係を作っているのではないか。確かめました。
| 計算に使った県 | 県数 | 増加分との相関 | 順位で見た相関 |
|---|---|---|---|
| 全47都道府県 | 47 | 0.736 | |
| 香川県を除く | 46 | 0.719 | |
| 香川・佐賀を除く | 45 | 0.700 | |
| 香川・佐賀・鹿児島を除く | 44 | 0.691 | |
| さらに東京・大阪も除く | 42 | 0.707 |
消えませんでした。香川を外しても0.736、上位3県をまとめて外しても0.700。順位だけで計算した相関(外れ値の影響を受けにくい方法)にいたっては、0.736から0.691までしか下がりません。5県を削っても関係は保たれています。
さらに、データを無作為に取り直す計算を2,000回くり返して、相関が取りうる範囲を出しました。結果は0.624〜0.914。下限でも0.6を超えているので、「たまたまそう見えただけ」という説明は難しいと言えます。
外れ値を抜いても、順位に置き換えても、取り直しても、関係は残りました。「知能犯が増えた県ほどSNS型詐欺が多い」は、見せかけの関係ではないと考えてよさそうです。ただし、これは県という単位での関係であって、そこに住む個人が騙されやすいという話ではありません(後述)。
🏠 あなたの県の読み方
順位表から、やるべきことに落とし込みます。
増加分が上位の県
香川・佐賀・滋賀・岐阜・兵庫・鹿児島
SNS型が来ている。投資話と恋愛を装った接触に警戒
従来型だけ上位の県
東京・神奈川・埼玉・千葉
電話の詐欺は多いまま。SNS型はまだ相対的に少ない
両方が下位の県
富山・北海道・栃木・群馬
今は静か。ただし「増えていない」は今年までの話
SNS型だけ上位の県
沖縄・鳥取・高知
従来型は中位でもSNS型は上位。従来の感覚が通じない
いちばん伝えたいのは、対策の相手が世代ごとに違うということです。
従来型の特殊詐欺は被害者の大半が高齢者で、連載①で見たとおり、預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗・還付金詐欺では被害者の約9割が65歳以上でした。対策も「親世代に電話の話をする」で合っています。
いっぽうSNS型は、そこが変わります。SNSで投資に誘われる相手も、恋愛感情を持たせられる相手も、高齢者に限りません。実際、SNS型の多さは高齢化率とほとんど関係がありませんでした(相関 −0.143、ロマンス詐欺にいたっては0.021)。自分自身と、子ども世代も対象です。
① SNSで知り合った相手からの投資の誘いは、例外なく詐欺だと考える。本物の証券会社や銀行が、SNSのDMやLINEグループで個人に投資を持ちかけることはありません。
② 「儲かっている取引画面」を見せられたら、そこで止まる。画面はいくらでも作れます。出金しようとすると手数料や税金を要求される、というのが典型的な流れです。
③ 会ったことのない相手に送金しない。ロマンス詐欺は数か月かけて信頼を作ります。「会えない理由」が次々に出てくる時点で、相手が誰であれ送金はしない、と決めておく。
また、②で見たとおり、SNS型は「これまで詐欺が少なかった県」で増えます。「うちの県は昔から治安がいい」という感覚は、この手口に対しては根拠になりません。むしろ、警戒が薄い地域ほど狙い目だと考えたほうが自然です。
📚 データの出どころと注意
同じ数字を再現できるように、条件を残します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SNS型・従来型の件数と被害額 | 警察庁 SOS47「発生状況」より令和7年(2025年)の都道府県別・手口別データ。従来型=手口7種の合計、SNS型=SNS型投資詐欺+SNS型ロマンス詐欺 |
| 知能犯認知件数 | 総務省「社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)」K 安全 K420104(e-Stat 統計表ID 0000010111)、2019〜2023年度 |
| 人口・高齢化率 | 総務省 人口推計(2024年10月1日現在) |
| DID人口比率 | 令和2年国勢調査の人口集中地区人口 ÷ 総人口 |
| 増加分の定義 | 人口10万人あたり知能犯認知件数の、2023年度の値 − 2019年度の値 |
| 検証方法 | 外れ値を順に除いた再計算、順位に置き換えた相関(スピアマン)、偏相関、ブートストラップ法(2,000回)による95%の範囲 |
読み違えを避けるために、4点だけ補足します。
1つ目。これは県という集団の傾向で、個人の被害の遭いやすさではありません。「増加分が上位の県の人は騙されやすい」という読み方は誤りです(統計では生態学的誤謬と呼ばれます)。県ごとの数字から個人の性質を推し量ることはできません。
2つ目。相関は因果ではありません。知能犯が増えたことがSNS型詐欺を引き起こした、とは言えません。両方の背後に共通の原因があるだけかもしれず、実際その可能性が高いと考えています。
3つ目。認知件数は警察が把握した件数です。県警の体制や、被害を届け出やすい風土が混ざります。とくにSNS型は「恥ずかしくて届け出ない」ケースが多いとされ、実際の被害はもっと多いと考えるべきです。
4つ目。時点がずれています。知能犯は2023年度まで、SOS47は令和7年(2025年)。2年の差があります。この記事は「2年前の増え方が、今のSNS型詐欺とどう対応しているか」を見たものです。
この連載について
①では令和7年のデータで「今どの県が危ないか」と、高齢化率をめぐる思い込みを検証しました。②では時間軸を足して「どの県で増えているか」と、香川県の的中を扱いました。③にあたる本記事は、②の分析中に見つかった副産物を掘り下げたものです。


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