スマホ・パソコンがウイルスに感染しているか、自分で確かめる方法「感染しました」の画面は、ほぼ偽物。家庭の健康チェックと同じ4段階で、5分から確かめる
画面に突然「ウイルスを検出しました」。スマホの電池がやけに減る。LINEから知らないメッセージが送られていた――。「もしかして感染?」と思ったとき、何をどの順番で見ればいいのかを、iPhone・Android・Windows・Macの4つに分けてまとめました。専門の知識はいりません。
🧭 結論:画面が言う「感染」より、自分が押した「許可」を確かめる
- 突然出る「ウイルスに感染しました」は、ほとんどが偽の警告です。IPA(情報処理推進機構)の相談窓口では、100件中およそ37件がこの偽警告でした(2026年4〜6月)。閉じれば終わり。表示された番号に電話しないでください。
- 本物の感染は、たいてい静かです。「症状がないから安全」とは言えません。逆に、電池の減りや動作の重さは、多くが感染以外の原因です。
- 確かめ方は「問診 → 見た目 → 持ち物検査 → 検査キット」の4段階。いちばん効くのは3番目の持ち物検査です。知らないアプリ、知らないプロファイル、知らない管理権限、知らない通知の許可、遠隔操作ソフトがないかを見ます。
- 検査キットは、OSに最初から入っている公式の検査(AndroidのPlay プロテクト、WindowsのWindows セキュリティ)を使います。警告画面がすすめるアプリは入れません。iPhoneには全体を調べるスキャンがありません。
- 遠隔操作ソフトを入れた・お金を払った・カード番号を入れたなら、自己診断より先に「ネットを切る・止める・相談する」。順番は第10章にまとめました。
いまの「感染」の多くは、あなたが押した「許可」から始まります。だから、見る場所は決まっています。
📋 目次
「感染かも」は4種類。確かめる順番は1つ
「感染したかも」と思ってから、答えが出るまで
覚えてほしいのは、この1枚だけです。「画面の警告はまず疑う」「症状より持ち物を見る」「見る場所は4か所」「危ないことをしていたら先に止める」。以下の章は、この絵を1つずつ確かめていきます。
感染チェックは「家庭でできる健康チェック」と同じ順番
体の調子がおかしいとき、いきなり精密検査は受けません。まず「いつから、何をしたか」を思い出し、顔色を見て、熱を測り、それでも心配なら病院に行きます。スマホやパソコンも同じです。
そしてもう1つ、健康チェックと同じ大事なことがあります。「病院を名乗る人が突然家に来て、今すぐ手術が必要ですと言ったら、まず疑う」。画面に突然出る「感染しました」は、まさにこの押しかけ医者です。
このたとえの限界
厳密には、ウイルスは体の病気と違って、自然にかかるものではありません。多くは「リンクを押す」「アプリを入れる」「許可を押す」など、どこかで人の操作が入っています。最初の理解として、順番の考え方だけ借りてください。
いちばん多い「感染かも」は、偽の警告だった
IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」には、3か月ごとに数千件の相談が届きます。その中で、いちばん多いのが「ウイルスを検出した」という偽の警告です。
出典:IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第2四半期(4月~6月)]」(2026年7月22日公表)。2番目に多い「不正ログイン」は423件(11.0%)でした。
偽の警告は、ウェブサイトを見ている最中に突然出てきます。警告音を鳴らし、画面いっぱいに広がり、「今すぐサポートに電話を」と迫ります。電話をかけると、遠隔操作ソフトを入れさせられ、サポート代やソフト代の名目でお金を取られます。これがサポート詐欺です。
本物の検出と、偽の警告の見分け方
❌ 偽の警告(押しかけ医者)
ブラウザの中に出る「ウェブページ」
- ネットを見ている最中に、突然出る
- 警告音・カウントダウンで急がせる
- 電話番号が書いてある
- 「このアプリを入れて」「今すぐ購入」と言う
- 機種名が書いてある(ブラウザが送る情報から自動で差し込めるので、本物の証拠にならない)
✅ 本物の検出(かかりつけ医)
OSやセキュリティソフトの「通知・画面」
- Windows セキュリティ、Play プロテクトなどが出す
- 電話番号は書いていない
- その場でお金を求めない
- 「削除」「隔離」などの操作を、そのソフトの画面で案内する
- ブラウザを閉じても、設定の中に履歴が残る
IPAは「偽の警告が表示されただけなら、ウイルスには感染していない」と説明しています。パソコンではEscキーを3秒ほど長押しして全画面を解除し、右上の「×」で閉じます。閉じられないときはCtrl+Alt+Deleteを同時に押して、再起動を選びます。スマホでは、そのタブを閉じる(閉じられなければブラウザのアプリを終了する)だけです。IPAには、パソコンで閉じ方を練習できる体験サイトもあります(出典欄)。
スマホでは「アプリを入れさせる」形もある
スマホの偽警告は、電話ではなくアプリのインストールへ誘導する形もあります。IPAによると、入れたアプリを起動すると自動で続く有料の申し込み(サブスクリプション)の画面が出て、承認すると課金が始まります。アプリを消しただけでは解約されません。持ち物検査(第5章)で「サブスクリプション」も見る理由です。
もっと詳しい手口は、このサイトのサポート詐欺とClickFix攻撃、体験しながら学べるサポート詐欺を見破れ!詐欺バスターで解説しています。
あなたの「かも」はどれ? 入口で見る場所が変わる
まず、何がきっかけで「感染かも」と思ったのかを分けます。きっかけによって、確かめる場所がまったく違うからです。
- A 画面に「感染しました」と出たほとんどが偽の警告です。閉じれば終わり。心配なのは、そのあと何かを押した・電話した・入れた場合だけ。→ 第10章へ
- B 動きが重い・電池が減る・熱い多くは古い電池、空き容量不足、更新直後の処理など、感染以外の原因です。→ 第4章の危険度マップで仕分け
- C SNS・LINE・メールが勝手に動く端末の感染より、アカウントの乗っ取りを先に疑います。端末を調べても何も出ないことがあります。→ 第7章へ
- D リンクを押した・アプリを入れた・ファイルを開いたいちばん確かめる価値があるケースです。→ 第5章の持ち物検査と、第6章の検査キットへ
問診のメモ:3つだけ思い出す
書き出しておくと、相談するときにも役立ちます
- いつから?(日付と時間。「昨日の夜、ニュースを見ていたら」くらいでよい)
- 何を押した・入れた・入力した?(リンク、アプリ名、パスワード、カード番号、電話をかけたか)
- 画面に何が出た?(スクリーンショットがあれば一番よい。電話番号や金額も)
例:2人の「かも」(架空の例)
- Aさん夜、パソコンでレシピを見ていたら、画面が真っ赤になり「Windowsがウイルスに感染しました。今すぐ電話を」と警告音が鳴った。電話はせず、Escキーを長押しして閉じた。→ 入口A。感染していない。念のためブラウザの通知の許可だけ確かめた。
- Bさん宅配便の不在を知らせるSMSのリンクを押し、「配達状況の確認に必要」と言われてアプリを入れた。その後、スマホから知らないSMSが送られていると友人に言われた。→ 入口D。持ち物検査が必要。宅配業者を名乗るSMSから偽アプリを入れさせる手口は、以前から知られています。
症状の危険度マップ:その不調、たぶん感染じゃない
「スマホ ウイルス 症状」で調べると、たくさんの症状が並びます。でも、その多くは感染していない端末でも普通に起きます。症状だけで感染を決めないことが大切です。3色に分けました。
🟢 感染以外の可能性が高い
まず普通の原因を疑う
- 電池の減りが早い(2〜3年使っている、画面が明るい、位置情報を使うアプリが多い)
- 動作が重い(空き容量が少ない、OSを更新した直後)
- 本体が熱い(充電しながら使う、ゲーム・動画)
- 迷惑メールが増えた(アドレスが名簿に出回った。端末の感染とは別の話)
🟡 持ち物検査をする
何かを許可した可能性
- ブラウザの最初のページや検索エンジンが勝手に変わった
- 「ウイルス」「当選」などの通知が何度も出る
- カレンダーに身に覚えのない予定が次々入る
- 入れた覚えのないアプリ・拡張機能がある
- データ通信量が急に増えた
🔴 すぐ対処する
第10章の順番へ
- 知らない「プロファイル」「デバイス管理アプリ」がある
- 知らないアプリに「ユーザー補助」の許可がある
- 自分のスマホからSMSが勝手に送られている
- 言われるままに遠隔操作ソフトを入れた
- カード・口座・キャリア決済に身に覚えのない利用がある
「症状がない=安全」でもない
お金や情報を盗むタイプは、気づかれないほど長く稼げるので、わざと症状を出しません。症状は「きっかけ」にはなりますが、「答え」にはなりません。答えは次の持ち物検査で探します。
機種別:知らない物・知らない許可を見る場所
ここがこの記事の中心です。いまの不正なアプリの多くは、OSの弱点をこじ開けるより、「許可して」と頼んで、人に押させるほうを選びます。押された許可は、設定の決まった場所に記録が残ります。そこを見れば、症状よりずっと確かな手がかりになります。
コツ:設定の「検索窓」を使う
設定画面の場所は、機種やOSの版で少しずつ違います。迷ったら、設定アプリの上にある検索窓に、下の太字の言葉を入れてください。それがいちばん早く着きます。
🤖 Android
- アプリの一覧:入れた覚えのないもの、名前が「設定」「システム」のようにまぎらわしいもの、アイコンが見当たらないもの設定 → アプリ → すべてのアプリ
- デバイス管理アプリ:知らないアプリがオンなら🔴。管理権限を持つと消しにくくなります検索「デバイス管理」
- ユーザー補助:画面を読み取り、代わりにタップできる強い権限。知らないアプリがオンなら🔴検索「ユーザー補助」
- 不明なアプリのインストール:ブラウザやLINEなどに許可が出ていたらオフに検索「不明なアプリ」
- サイトの通知:知らないサイトの通知許可を消すChrome の︙ → 設定 → サイトの設定 → 通知
- 定期購入:身に覚えのない申し込みを解約Play ストア → プロフィール → お支払いと定期購入
🍎 iPhone
- プロファイル(VPNとデバイス管理):会社や学校から配られていないのに何か入っていたら🔴。項目自体がなければ何も入っていません設定 → 一般 → VPNとデバイス管理
- カレンダー:知らないカレンダーから「ウイルス感染」などの予定が届くなら、そのカレンダーの照会を解除。iOS 26以降は「迷惑参加依頼を報告」もできますカレンダー → カレンダー → ⓘ → 照会を解除
- サブスクリプション:偽警告から入れたアプリの課金を解約設定 → 自分の名前 → サブスクリプション
- サインイン中のデバイス:自分のApple Accountに知らない機器がないか設定 → 自分の名前 → 下のデバイス一覧
- 安全チェック:誰に何を共有しているか、どのアプリに何を許可しているかを一度に見直せる設定 → プライバシーとセキュリティ → 安全チェック
🪟 Windows
- インストールされているアプリ:「インストール日」で並べ替え、心当たりのある日のものを見る設定 → アプリ → インストールされているアプリ
- 遠隔操作ソフト:AnyDesk、TeamViewerなど、自分で入れた覚えのない画面共有・遠隔操作のソフトは🔴
- スタートアップ アプリ:起動時に勝手に動く知らないものCtrl+Shift+Esc → タスク マネージャー → スタートアップ アプリ
- ブラウザの拡張機能:入れた覚えのないものを削除Chrome・Edge の拡張機能 → 拡張機能を管理
- サイトの通知:右下に「ウイルス」通知が出る原因の多くはこれブラウザの設定 → サイトの設定(Cookie とサイトのアクセス許可)→ 通知
💻 Mac
- ログイン項目と機能拡張:起動時に動く知らないもの(macOS Sequoia 15以降の名前。以前は「ログイン項目」)システム設定 → 一般 → ログイン項目と機能拡張
- プロファイル・デバイス管理:会社や学校のものでなければ確認システム設定の検索「プロファイル」「デバイス管理」
- アプリケーション:Finderの「アプリケーション」に知らないもの
- Safariの機能拡張と通知Safari → 設定 → 機能拡張/Webサイト → 通知
会社や学校から支給されたスマホ・パソコンには、正規の「プロファイル」「デバイス管理」「遠隔サポート用ソフト」が入っていることがあります。消すと仕事の仕組みが止まるので、先に情報システムの担当者に聞いてください。Appleも、プロファイルを消すと関連する設定・アプリ・データも消えると案内しています。
知らないアプリが見つかって、普通に削除できないとき(Android)は、セーフモードで起動すると、自分で入れたアプリが一時的にすべて止まります。その状態で削除を試します。セーフモードの入り方は機種ごとに違うので、メーカーのサポートページで確認してください(Googleの公式ヘルプもそう案内しています)。
公式のスキャンを使う。警告がすすめるアプリは使わない
検査キットは、OSに最初から入っている公式の検査で十分なことが多いです。すでに市販のセキュリティソフトを入れているなら、そのソフトの「フルスキャン」でも構いません。
| 機種 | 公式の検査 | 使い方 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| Android | Google Play プロテクト | Play ストア → 右上のプロフィール → Play プロテクト → 「スキャン」。設定の歯車で「Play プロテクトによるアプリのスキャン」がオンか確認 | Play以外から入れたアプリも確認します。有害と判断したアプリは無効化・削除されることがあります |
| Windows | Windows セキュリティ(Microsoft Defender) | スタートで「Windows セキュリティ」を検索 → ウイルスと脅威の防止 → クイック スキャン。心配なら「スキャンのオプション」→ フル スキャン | さらに念入りにするなら「Microsoft Defender ウイルス対策(オフライン スキャン)」。Windowsを読み込む前に調べるので、隠れるタイプに強い。再起動するので作業を保存してから |
| Mac | XProtect など(自動) | 手動で動かす画面はありません。システム設定 → 一般 → ソフトウェアアップデートでmacOSを最新にすると、検査の中身も更新されます | 心配が強いときは、信頼できる会社の市販ソフトを公式サイトから入れる |
| iPhone | (全体スキャンなし) | 設定 → 一般 → ソフトウェアアップデートで最新に。あとは第5章の持ち物検査 | アプリは互いの中身をのぞけない仕組み(サンドボックス)なので、パソコンのような全体スキャンをするアプリは作れません |
「ウイルスチェックします」というサイトやアプリに注意
- ウェブサイトは、あなたのスマホやパソコンの中身を調べられません。「無料でチェック」「今すぐスキャン」と言うページは、偽物を疑ってください。
- 偽の警告から入れる「スキャンアプリ」「高速化アプリ」は、それ自体が課金や情報を取る目的のものがあります(第2章)。
- 検査アプリを入れるなら、自分で公式ストアや会社の公式サイトを開いて探します。警告画面のボタンからは入れません。
パソコンで「このファイルが怪しい」と具体的に分かっているときは、VirusTotalでの調べ方やタスクマネージャーでの見方を、別の記事マルウェアを発見したときに本当にマルウェアか確認する方法で詳しく解説しています。
「勝手に投稿」の多くは、端末ではなくアカウントの問題
LINEやInstagramから勝手にメッセージが送られた。この場合、スマホの感染ではなく、パスワードが盗まれてアカウントが乗っ取られたことのほうが多いです。乗っ取りは別の場所から行われるので、自分のスマホをいくら調べても何も出てきません。IPAの相談でも「不正ログイン」は偽警告に次ぐ2番目(423件)でした。
| サービス | 見る場所 | 見るポイント |
|---|---|---|
Google アカウントの「セキュリティ診断」(myaccount.google.com/security-checkup) | 知らない端末、最近のセキュリティ関連の操作、連携しているアプリ | |
| Apple Account | iPhoneの設定 → 自分の名前 → デバイス一覧 | 自分の物ではない機器 |
| LINE | ホーム → 設定 → アカウント → ログイン中の端末 | 使っていないパソコン・タブレットのログイン |
| Microsoft | Microsoft アカウントの「セキュリティ」→ サインイン アクティビティ | 知らない国・時間のサインイン |
知らないログインがあれば、そのサービスのパスワードを変えて、2段階認証をオンにします。同じパスワードを使い回している他のサービスも変えます。詳しくはアカウント乗っ取りとは?原因・対策・最初の10分へ。
昔のウイルスは「暴れた」。今のウイルスは「黙って働く」
「ウイルスに感染すると画面がおかしくなる」というイメージは、昔のウイルスのものです。いまは目的が変わったので、見つけ方も変わりました。
| 比べる点 | 昔のイメージ | いま |
|---|---|---|
| 目的 | いたずら、腕試し | お金、アカウント、個人情報 |
| 症状 | 画面が乱れる、ファイルが消える | ほとんど出ない。気づかれない方が長く稼げる |
| 入り方 | メールの添付、持ち込んだ記録媒体 | 偽の警告、SMSのリンク、偽アプリ、そして「許可して」と人に押させる |
| 「感染」の正体 | ウイルスという1つのプログラム | 偽の警告(感染なし)、許可の悪用、遠隔操作、アカウントの乗っ取りなど、いくつもの形 |
| 見つけ方 | ウイルス対策ソフトのスキャン | 持ち物検査(許可の見直し)+公式のスキャン+アカウントの確認 |
だからこの記事は、スキャンより先に「持ち物検査」を置いています。スキャンは「知られている悪いプログラム」を見つけるのは得意ですが、あなたが自分で入れて許可した正規の遠隔操作ソフトは、悪い物とは判断されません。
5分でできる持ち物検査と、3問クイズ
今日5分:自分のスマホで確かめる
- アプリ一覧に、入れた覚えのないアプリはない
- (iPhone)設定 → 一般 → VPNとデバイス管理 に、知らないものはない
- (Android)「デバイス管理」「ユーザー補助」で、知らないアプリがオンになっていない
- ブラウザの「通知」を許可しているサイトは、自分が知っているものだけ
- サブスクリプション(定期購入)に、身に覚えのないものはない
- OSが最新になっている
全部チェックできたら、今のところ大きな心配はありません。1つでも引っかかったら、第5章に戻ってその項目を確かめてください。
Q1. 警告に「あなたのiPhone 15は13個のウイルスに感染」と自分の機種名が出ていた。本物?
答え:偽物と考えてよいです。ブラウザはページを開くとき、機種やOSの情報を相手のサイトに伝えます。偽の警告はそれを自動で差し込んでいるだけです。機種名が合っていることは、本物の証拠になりません。
Q2. 無料のウイルスチェックサイトで「感染なし」と出た。これで安心?
答え:安心の材料になりません。ウェブサイトは端末の中身を調べられないので、「感染あり」も「感染なし」も、画面に表示しているだけです。確かめるなら公式の検査(第6章)と持ち物検査(第5章)を使います。
Q3. 偽の警告から入れたアプリを削除した。もう大丈夫?
答え:課金が続いている可能性があります。IPAは「アプリをアンインストールしただけでは解約されない」と注意しています。iPhoneは設定のサブスクリプション、AndroidはPlay ストアの定期購入から解約します。
どこまで進んだかで、やることが変わる
偽の警告やSMSのあと、どこまで進んでしまったかで分けます。自分に当てはまる一番下の段を読んでください。
- A 見ただけ・閉じた感染していません。何もしなくて大丈夫です。通知を「許可」してしまっていたら、ブラウザの設定で取り消します。
- B 電話した・話しただけ端末は無事です。ただ、名前・住所・カード番号などを話したなら、その情報がねらわれます。カードは会社に連絡して止めます。不安ならIPAに相談を。
- C 遠隔操作ソフトを入れた・操作された下の手順①〜⑤へ。相手はあなたの画面を見て、操作できる状態でした。
- D お金を払った・カードやネットバンキングを入力した手順①〜⑤に加えて、すぐにカード会社・銀行へ。プリペイドカード(電子マネー)で払ったなら発行会社にも連絡し、警察に相談します。
遠隔操作ソフトを入れてしまったときの順番
- ネットを切る。Wi-Fiをオフにし、LANケーブルを抜きます。相手がもう一度つなぐのを防ぎます。
- 入れさせられたソフトを削除する。Windowsなら「インストールされているアプリ」から、AnyDesk・TeamViewerなど言われて入れたものをアンインストールします。
- システムの復元、できなければ初期化。IPAは、相手が何を仕込んだか分からないため、システムの復元(遠隔操作される前の日付に戻す)を勧め、できない場合はパソコンの初期化を勧めています。写真や書類は先に外付けの記録媒体へ。
- 別の端末からパスワードを変える。遠隔操作中に開いたサービス(メール、ネットバンキング、通販)から順に。操作されたパソコンでは変えません。
- 相談する。IPA 情報セキュリティ安心相談窓口(03-5978-7509、平日10:00〜17:00)。お金の被害があれば警察(相談専用電話 #9110、または最寄りの警察署)、契約トラブルは消費者ホットライン188へ。
知らないアプリやプロファイルを削除しても不安が残る、削除できない、🔴の症状が続く――そのときは初期化がいちばん確実です。①写真や連絡先などデータだけを保存 ②端末を初期化 ③アプリは公式ストアから入れ直す ④パスワードは別の端末で変える、の順です。バックアップから「全部そのまま」戻すと、知らないアプリや設定も戻ることがあるので注意してください。また、アカウントの乗っ取りは、端末の初期化では直りません(第7章)。
今日やることは3つだけ
- 偽の警告の閉じ方を覚える。パソコンはEscキーを3秒長押し → ×。ダメならCtrl+Alt+Deleteで再起動。表示された番号には電話しない。家族にも1回伝えておくと、いちばん多い被害を防げます。
- 5分の持ち物検査をする。アプリ一覧、プロファイル・デバイス管理、ユーザー補助、通知の許可、サブスクリプション。第9章のチェック表をそのまま使ってください。
- OSを最新にして、公式の検査をオンにする。AndroidはPlay プロテクト、WindowsはWindows セキュリティ。検査アプリを入れるなら、自分で公式ストアを開いて探します。
もう一歩深い確認(家族のパソコンを見てあげる人へ)
ここから先は、普段からパソコンに慣れている人向けです。一般の方は読み飛ばしてかまいません。
| 対象 | 方法 | 見るもの |
|---|---|---|
| Windows | Microsoft公式の Sysinternals「Autoruns」 | タスク マネージャーでは見えない自動起動(レジストリのRunキー、タスク スケジューラ、サービス、ブラウザの拡張)を一覧で確認 |
| Windows | Windows セキュリティ → 保護の履歴 | 過去に検出・隔離されたもの。いつ何が見つかったかで、侵入の時期の見当がつく |
| Windows | netstat -ano とタスク マネージャーのPID | 外部と通信し続けている見慣れないプロセス。リソース モニターの「ネットワーク」タブでも見られる |
| Android | USBデバッグ+ adb shell pm list packages -3 | 自分で入れたアプリ(システム以外)の正式なパッケージ名。画面の表示名をごまかすアプリを見分けられる |
| iPhone | Appleの脅威通知・ロックダウンモード | 国家レベルの高度なスパイウェアは一般の検査で見つけにくい。Appleは検出時にロック画面・設定・メールで通知し、2021年以降150を超える国の利用者に送ってきた |
Appleの脅威通知をかたる偽物に注意
Appleは、本物の脅威通知がリンクを押させたり、ファイルを開かせたり、アプリやプロファイルを入れさせたり、パスワードや確認コードを聞いたりすることはないと説明しています。そうした依頼がある「通知」は偽物です。
職場のパソコンで、感染の疑いが強い(重要な情報を扱う、社内に広がるおそれがある)ときは、自分で調べ続けず、ネットから切り離した状態で担当部署に渡してください。自分で調べるほど、調査に必要な痕跡が上書きされます。会社の対応の流れはインシデント発生から最初の30分、ウイルス対策ソフトとEDRの違いはEDRとは?で解説しています。
よくある疑問
iPhoneはウイルスに感染しないって本当?
仕組みの上ではかなり難しくなっていますが、ゼロではありません。OSの弱点をねらう高度なスパイウェアの例がありますし、プロファイルやカレンダーのように「自分で許可させる」手口もあります。何より、アカウントの乗っ取りは機種に関係なく起きます。iOSを最新にし、持ち物検査を時々することが基本です。
セキュリティソフトは入れたほうがいい?
WindowsではWindows セキュリティが最初から入っていて、他のソフトを入れていなければ自動で動きます。追加で市販ソフトを使うのは選択肢の1つです。スマホで入れる場合は、名前の知られた会社のものを、自分で公式ストアを開いて入れてください。偽の警告から入れるのは避けます。
スキャンで何も出なかった。もう安心していい?
知られている悪いプログラムは見つかりにくい状態、という意味です。100%の証明にはなりません。持ち物検査で知らない物がなく、アカウントにも知らないログインがなく、🔴の症状もなければ、まずは様子見で大丈夫です。
初期化すれば、必ずきれいになる?
ほとんどの場合は消えます。ただし、バックアップからアプリや設定をまるごと戻すと、問題も一緒に戻ることがあります。また、盗まれたパスワードや乗っ取られたアカウントは、端末を初期化しても元に戻りません。パスワード変更と2段階認証は別にやりましょう。
家族のスマホの画面に偽の警告が出たと電話が来た。何と言えばいい?
「その番号には電話しないで。画面のタブを閉じれば大丈夫。閉じられなければ電源を入れ直して」の3つで足ります。電話をかけてしまった、アプリを入れてしまった、と言われたら第10章の順番で一緒に確かめてください。
そもそも、どうやって感染するの?
感染の入口(メール、偽サイト、偽アプリ、記録媒体など)と予防策は、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染した!原因と対策でまとめています。この記事は「感染しているかを確かめる」ことに絞りました。
📚 出典・参考資料(2026年9月30日確認)
相談状況・手口(IPA)
- IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第2四半期(4月~6月)]」(2026年7月22日)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/reports/2026q2outline.html - IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第1四半期(1月~3月)]」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/reports/2026q1outline.html - IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/measures/fakealert.html - IPA「サポート詐欺の『偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト』を公開」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2023/mgdayori20231219.html - IPA「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」(2024年11月19日、2025年4月3日更新)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2024/mgdayori20241119.html - IPA「スマートフォンの偽セキュリティ警告から自動継続課金アプリのインストールへ誘導する手口にあらためて注意!」(2022年10月25日)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2022/mgdayori20221025.html - IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」(連絡先・受付時間)
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/about.html
各社の公式ヘルプ
- Google Play ヘルプ「Google Play プロテクトを使用してアプリの安全性とデータ プライバシーを確保する」
https://support.google.com/googleplay/answer/2812853?hl=ja - Android ヘルプ「Android をセーフモードで再起動して問題のアプリを確認する」
https://support.google.com/android/answer/7665064?hl=ja - Apple サポート「iPhoneで構成プロファイルをインストールする/削除する」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph6c493b19/ios - Apple サポート「iPhoneでカレンダーを削除する/イベントを削除する」
https://support.apple.com/ja-jp/102444 - Apple サポート「Appleの脅威通知と傭兵型スパイウェアからの保護について」
https://support.apple.com/ja-jp/102174 - Apple サポート「Macでログイン時に項目を自動的に開く」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mh15189/mac - Microsoft サポート「Microsoft Defender でウイルスまたはマルウェアのスキャンを開始する方法」
https://support.microsoft.com/ja-jp/defender/how-to-start-a-scan-for-viruses-or-malware-in-microsoft-defender
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🩺 画面の「感染しました」より、自分の「許可しました」を見る
押しかけ医者(偽の警告)は閉じて終わり。本当に確かめたいときは、問診 → 見た目 → 持ち物検査 → 検査キットの順に。見つかったら、切る・止める・相談する。


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