BCPとは?策定率76.4%でもサイバー被害に弱い理由【2026年版】

2026年版・一次情報で確認

BCPとは?国のガイドライン53ページ中、「サイバー」は2回だけです

事業継続計画の意味、大企業の策定率76.4%との落差、地震とサイバー攻撃で何が決定的に違うのか、そしてサイバー版に書き足すべき項目まで。公的資料で確認してまとめました。

30秒でわかる「BCP」

  1. 不測の事態が起きても重要な事業を止めない、止まっても早く戻すための計画。Business Continuity Planの略です
  2. 大企業の76.4%が策定済み(内閣府)。ところがランサムウェア被害に遭った企業・団体では約18%でした(警察庁)
  3. 理由のひとつは出自です。内閣府のガイドライン(53ページ)で「地震」は18回出てきますが、「サイバー」は2回だけです
  4. 警察庁は明言しています。ランサムウェアの被害は地震等の物理的災害とは状況が異なり、復旧も広報も違う対応が要る
  5. 今日やること:自社のBCPを開いて「データが使えない」という章があるかだけ見る。無ければ、そこが穴です

「うちはBCPを作ってあります」。そう聞いて安心しかけた方へ。あるいは、上司から「サイバーのBCPも作っておいて」と言われて、何を書けばいいのか分からずに来た方へ。

BCPという言葉自体は難しくありません。難しいのは、いま日本にあるBCPの多くが地震を前提に書かれていることです。この記事は、まず定義を押さえ、次に地震用の計画がサイバー攻撃で動かなくなる理由を具体的に並べます。

⚠ この記事の前提

この記事は2026年8月20日時点の内容です。定義は内閣府『事業継続ガイドライン』(令和5年3月)、策定率は内閣府『令和5年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査』(令和6年3月)、被害企業の状況は警察庁『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』(2026年3月)から直接引用しています。

2つの策定率は、調べている相手が違います。内閣府は大企業・中堅企業への調査、警察庁はランサムウェア被害に遭った企業・団体への調査です。単純に引き算できる数字ではないことを、先にお断りしておきます。

CHAP1

第1章 / 全8章

BCPとは(やさしい定義)

「守る計画」ではなく「続ける計画」です

びーしーぴー 英:Business Continuity Plan

不測の事態が起きても重要な事業を中断させない、中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための、方針・体制・手順を示した計画。日本語では事業継続計画と呼びます。

分類
計画(文書)。それを回し続ける活動はBCMと呼び分けます
ひとことで
「壊れないようにする」ではなく「壊れても商売を続ける」ための段取り書
よく混同される語
BCM/防災計画/インシデントレスポンス/机上演習(第4章で扱います)
関係する立場
経営者が主役です。IT部門だけで作ると、必ず動きません

内閣府のガイドラインは、BCPをこう定義しています。この一文が本家の定義なので、そのまま引きます。

大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)と呼ぶ。

出典:内閣府 防災担当『事業継続ガイドライン — あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応 —』(令和5年3月)

ここで、注意深く読んでほしい部分があります。例として挙がっている6つの事象に、サイバー攻撃が入っていません。大地震、感染症、テロ、大事故、サプライチェーン途絶、経営環境の変化。この6つです。

公平に付け加えると、同じガイドラインの序文には「大事故、感染症のまん延、テロ等の事件、サプライチェーン途絶、サイバー攻撃など、事業の中断をもたらす可能性がある、あらゆる発生事象について適用可能である」とも書かれています。対象外ではありません。ただ、中心には置かれていない。この距離感が、第2章の数字につながります。

BCPとBCM、防災計画の違い

観点BCP(事業継続計画)BCM(事業継続マネジメント)防災計画
正体計画(文書)計画を作り、回し、直し続ける活動計画(文書)
守る対象事業(商売の継続)同左人命と資産
問い止まったとき、どう続けるかその備えを、どう保つか被害をどう減らすか
作って終わるか終わりがち(棚に置かれる)終わらない(見直し・訓練まで含む)終わりがち

BCPとBCMは対立するものではありません。BCPはBCMという活動の中で作られる成果物のひとつです。ガイドラインが平成25年の改定でBCMを前面に出したのは、「計画書を1回作って棚に置く」状態を避けるためでした。

防災計画との関係も同じで、どちらが上ということはありません。防災計画は人と建物を守り、BCPは商売を止めない。目的が違うので、両方要ります。

「事業継続計画」と「業務継続計画」

細かいことですが、資料を読み比べると表記が揺れています。内閣府は「事業継続計画(BCP)」、警察庁は「業務継続計画(BCP)」と書いています。行政機関では自らの業務を止めない計画という意味で「業務継続計画」が使われることが多く、企業向けには「事業継続計画」が一般的です。指しているものはほぼ同じなので、読み替えて問題ありません。

第1章 おわり — 次は第2章

CHAP2

第2章 / 全8章

なぜ今これが問題なのか

作ってある会社は多い。しかし被害の現場では少ない

まず、BCPそのものの普及状況から。内閣府が隔年で行っている調査の結果です。

区分策定済み策定中を含めると前回調査からの変化
大企業76.4%85.6%5.6ポイント増
中堅企業45.5%57.6%5.3ポイント増

出典:内閣府 防災担当『令和5年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査』(令和6年3月)。前回は令和3年度調査。業種別では金融・保険業が76.6%で最も高く、運輸業・郵便業66.2%、建設業63.4%と続いています。

大企業では4社に3社が策定済み。普及という意味では、BCPはもう特別なものではありません。ところが、実際にサイバー攻撃を受けた現場を見ると、数字がまったく違います。

調査対象BCP策定済み
内閣府(令和5年度)大企業76.4%
内閣府(令和5年度)中堅企業45.5%
警察庁(令和7年)ランサムウェア被害に遭った企業・団体約18%

この3つは同じ物差しではありません。内閣府は大企業・中堅企業を対象にした調査、警察庁はランサムウェア被害を届け出た企業・団体へのアンケートで、中小企業が多く含まれます。それでも、被害の現場で「計画があった」組織が5社に1社に届かないという事実は、そのまま受け止める価値があります。

ガイドラインを数えてみる

なぜ落差が生まれるのか。ひとつの手がかりが、BCPの本家である内閣府ガイドラインの語の出現回数にあります。本文をすべて数えました。

出現回数
地震18回
感染症11回
情報セキュリティ11回
サイバー2回

内閣府『事業継続ガイドライン』(令和5年3月/全53ページ、本文約57,700字)を筆者が全文検索して数えました(2026年8月20日)。回数は文脈を問わない単純な出現数です。なお令和5年3月の改定では「情報セキュリティー強化などを明示」が改定点として挙げられています。

誤解のないように書きますが、これはガイドラインの欠陥という話ではありません。このガイドラインは内閣府の防災担当が出しているもので、東日本大震災の教訓から発展してきた文書です。自然災害に厚いのは当然です。

問題は受け取る側にあります。この文書をお手本にしてBCPを作れば、当然、地震のBCPができあがる。そしてそれは、サイバー攻撃では想定どおりに動きません。

警察庁が、そこをはっきり書いています

令和7年の報告書はこう述べています。「ランサムウェアによるデータの暗号化は地震等の物理的災害とは被害の状況が異なり、調査・復旧作業や広報の在り方も、物理的災害時とは異なる対応が求められるため、サイバー攻撃を想定したBCPを事前に準備しておく必要がある」。公的資料が、災害BCPとサイバーBCPは別物だと明言しているわけです。次の章で、その「異なる対応」の中身を並べます。

第2章 おわり — 次は第3章

CHAP3

第3章 / 全8章

地震のBCPが、サイバーで動かない理由

7つの前提が、まるごと入れ替わります

地震とサイバー攻撃を並べると、BCPが前提にしている条件がことごとく違うことが分かります。ここがこの記事の中心です。

前提地震のときサイバー攻撃のとき
1. 被害が見えるか見える(建物、設備、通れない道)見えない。端末は無傷のまま、データだけ開かない
2. 原因調査が要るか不要。原因は明らかで、すぐ復旧に入れる調査が終わるまで再開できない。どこから入られ、どこまで触られたか分からないため
3. 復旧の見通し目途が立てられる(資材、人員、工期)立てにくい。調査結果しだいで日数が動く
4. バックアップ別拠点にあれば無事一緒に暗号化されている場合が多い(警察庁)
5. 加害者の有無いない。余震はあるが悪意はないいる。まだネットワークの中に残っている可能性がある
6. 広報の中身被災状況と復旧見込み個人情報が漏れたかどうかを必ず聞かれる。「調査中」と言い続ける期間が発生する
7. 世間の反応同情される責任を問われうる(対策は十分だったか)

4はランサムウェア攻撃の流れとして警察庁が「復旧を妨害するため、バックアップも一緒に暗号化される場合が多い」と記述している点にもとづきます。2・3・6は同報告の「調査・復旧作業や広報の在り方も、物理的災害時とは異なる対応が求められる」という記述を、筆者が実務の観点で分解したものです。

この表のなかで、地震のBCPが最も対応できていないのは2番目です。地震の計画は「安全が確認できたら復旧を始める」と書けます。しかしサイバー攻撃では、「原因が分かるまで、動かしてはいけない」という段階が挟まります。急いで復旧すると、残っていた攻撃者にもう一度やられる。この待ち時間を、地震の計画は想定していません。

サイバー版BCPが動く順番

段階やること地震のBCPに書いてあるか
1 検知異常に気づく。誰が判断するかを決めておく「発災の判断基準」はある。異常の判断基準は無いことが多い
2 隔離感染端末をネットワークから切り離す無い
3 保全電源を切らずにログと痕跡を残す無い。むしろ逆のことが書いてある場合がある
4 調査侵入経路と影響範囲を確定させる無い
5 業務の代替止まっている間、手作業や別手段で回すある(ここは流用できます)
6 復旧安全を確認してから戻すあるが、「安全確認」の中身が違う
7 公表取引先・顧客・監督官庁・警察へ連絡する連絡網はあるが、漏えい報告の宛先が抜けている

3について、警察庁は「慌てて電源をオフにすると、ログ等の侵入の痕跡が失われてしまい、その後のフォレンジック調査が困難になる可能性がある」と明記しています。災害時の「まず電源を落とす」という常識が、そのままでは通用しません。

5に注目してください。地震のBCPで作った「止まっている間どう回すか」の部分は、そのまま使えます。手書きの伝票、電話での受注、紙の名簿。全部作り直す必要はありません。足りないのは前半(1〜4)と、後半の公表の部分だけです。ここが実務的にいちばん大事な結論です。

第3章 おわり — 次は第4章

CHAP4

第4章 / 全8章

よくある誤解と、間違えやすい似た用語

「備えてある」の中身が、ずれています

🚨 いちばん危ない誤解

「バックアップを取ってあるので、止まってもすぐ戻せます」— 警察庁は、ランサムウェア攻撃の流れとして「復旧を妨害するため、バックアップも一緒に暗号化される場合が多い」と書いています。ネットワークにつながったままのバックアップは、攻撃者から見れば単なる別のフォルダです。さらに、データを盗んでから暗号化する手口では、復旧できても「公開する」という脅しは残ります。バックアップは必要条件であって、十分条件ではありません。

似ている用語どう違うか使い分けの目安
BCM計画を作り、訓練し、直し続ける活動全体文書ならBCP、営みならBCM
防災計画人命と資産を守る計画。商売の継続は目的ではない人を守るのが防災、事業を守るのがBCP
インシデントレスポンス事故そのものを技術的に止めて調べる手順止める手順がIR、その間も商売を回すのがBCP
机上演習作った計画を机の上で試す訓練BCPは台本、机上演習はリハーサル
事業継続力強化計画中小企業向けに国が用意した認定制度の計画制度に乗るならこちら。中身の考え方は共通です
よくある思い込み実際は
BCPがあるから、サイバー攻撃にも対応できる警察庁は「物理的災害時とは異なる対応が求められる」と明記しています。前半の手順が丸ごと足りません
BCPはIT部門が作るもの止める業務・続ける業務を選ぶのは経営判断です。IT部門だけでは決められません
まず電源を落として被害を止める警察庁は「慌てて電源をオフにすると、ログ等の侵入の痕跡が失われる」としています。切るのはネットワークです
作れば終わりガイドラインがBCMという言い方を前に出したのは、まさにそれを避けるためです
大企業の話で、中小企業には関係ない警察庁は中小企業の被害が多いとして、政府広報と共同で注意喚起の動画まで作っています
止まった業務は、全部同時に戻す戻す順番を決めるのがBCPの中身です。全部同時は、実際には不可能です

第4章 おわり — 次は第5章

CHAP5

第5章 / 全8章

個人・家庭でやること

家庭版のBCPは、5分で作れます

BCPは会社の話ですが、考え方は家庭にも効きます。「使っているサービスが、明日止まったら?」という問いに、いくつ答えを持っているか。それだけです。

止まるもの用意しておく代替かかる手間
ネットバンキング・決済アプリ別の支払い手段と、少額の現金10分
スマホ(故障・紛失・通信障害)家族の連絡先を紙に書いて持つ5分
クラウド上の写真・書類手元の機器にも複製を持つ30分
会員サイト・行政手続き紙の控えを1部だけ残す随時

会社のBCPと同じで、大事なのは完璧さではなく「代替がある」という状態です。全部の代替を用意する必要はありません。止まると本当に困るものを2つか3つ選んで、そこだけ手を打てば十分です。

第5章 おわり — 次は第6章

CHAP6

第6章 / 全8章

会社・組織でやる対策

ゼロから作らず、既存のBCPに書き足します

すでにBCPがあるなら、作り直す必要はありません。第3章で見たとおり、「止まっている間どう回すか」の部分は流用できます。足りないのは前半と、公表まわりです。次の8項目を書き足せば、サイバー版になります。

書き足す項目具体的に書くこと難しさ
1. 異常時の判断者誰が「これは事故だ」と宣言するか。不在時の代理も軽い
2. 連絡先の一覧保守事業者、セキュリティ事業者、警察、監督官庁、取引先の窓口軽い
3. 切るものと、切らないものネットワークは切る/電源は落とさないと明記する軽い
4. 業務の優先順位止めてよい業務と、何があっても続ける業務の一覧中(経営判断)
5. 目標復旧時間業務ごとに「何時間以内に戻すか」。調査の時間も見込む
6. 手作業の代替手順システムなしで受注・出荷・支払をどう回すか中(既存BCPから流用可)
7. 公表文のひな型第一報の型。「調査中」と言い続ける期間がある前提で作る
8. 身代金への方針払うか払わないかを平常時に決めておく(当日は判断できません)重い(経営マター)

項目は筆者による整理です。8について、警察庁は身代金の支払いに関し「犯罪グループ等の活動資金となることが懸念される」「暗号化されたデータの復号が保証されない」といった点を挙げています。

BCP等で連絡先を整理して記載しておくと、被害発生時に円滑な連携が可能になる。

出典:警察庁サイバー警察局『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』(2026年3月)

2番目の「連絡先の一覧」は、8項目のなかでいちばん軽くて、いちばん効きます。事故の当日、担当者は社内システムにアクセスできません。連絡先が社内サーバの中にしか無い会社は、誰にも電話できないという状態になります。紙で持つか、社外からも見られる場所に置いてください。

作ったあとにやること

書き足したら、一度机の上で動かしてみてください。手順は机上演習とは?うまくいった演習ほど、価値がありませんにまとめています。誰が判断するかを決める体制の話はCSIRTとは?「規格はない」と公式資料が言い切る体制の作り方で扱っています。

第6章 おわり — 次は第7章

CHAP7

第7章 / 全8章

もし起きたら:最初の10分

この順番だけは、計画に書いておいてください

警察庁が示している初動の考え方に沿って並べます。災害時の常識と1か所だけ違うので、そこを太字にしました。

やることやってはいけないこと理由
1感染した端末をネットワークから隔離する(LANケーブルを抜く/無線を切る)そのまま使い続ける被害の拡大を止めるのが最優先です
2電源は切らない慌てて電源をオフにするログ等の侵入の痕跡が失われ、その後の調査が困難になります
3ログなどのデータを保全する先に復旧作業を始める初動は「拡大防止とデータ保全」だと警察庁が示しています
4BCPの連絡先一覧を開き、警察と関係機関へ通報する社内だけで抱える初動対応の助言や復号ツールの提供を受けられる場合があります
5対応態勢を整えてから、調査・復旧に入る担当者の判断で戻し始める原因が分からないまま戻すと、もう一度やられます
6第一報の公表文を、確認できた事実だけで出す「漏えいはありません」と早期に断定する調査前の断定は、後から訂正することになります

1〜5は警察庁『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』の「ランサムウェア被害後の対応策」の記述にもとづきます。6は筆者による整理です。

連絡先(BCPに書いておく先)

  • 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口/サイバー攻撃対策の窓口
  • JPCERT/CC インシデント報告
  • IPA サイバーセキュリティ相談窓口(企業組織)
  • 保守事業者・クラウド事業者・セキュリティ事業者の緊急連絡先(契約書に記載があります)
  • 個人情報が関わる場合の報告先、業種ごとの監督官庁
✅ ここまでできたら

隔離してデータを保全し、通報して態勢を組んだ時点で、BCPが本来やるべき仕事は始まっています。ここから先は、止まっている業務を代替手段でどう回すか—つまり、地震のBCPで作ってきた部分の出番です。前半さえ書き足しておけば、後半は既にあなたの会社が持っています。

第7章 おわり — 次は第8章

CHAP8

第8章 / 全8章

関連用語と、次に読む記事

計画・体制・訓練・材料で、ひと揃いです

この用語とセットで覚えると理解が早くなる語です。

第8章 おわり — 最後にFAQ

FAQ?

よくある質問

BCPについてよく聞かれること

実際に検索されている疑問から

BCPとBCMは何が違うのですか?

BCPは計画(文書)、BCMはその計画を作り、訓練し、見直し続ける活動全体です。内閣府のガイドラインは平成25年の改定でBCMを前面に出しました。理由は単純で、計画書を一度作って棚に置いただけでは動かないからです。

災害用のBCPがあれば、サイバー攻撃にも使えますか?

半分だけ使えます。「止まっている間、手作業や代替手段でどう業務を回すか」の部分はそのまま流用できます。足りないのは前半—異常の判断、ネットワークの隔離、電源を切らないこと、ログの保全、原因調査が終わるまで復旧できないという待ち時間—と、公表まわりです。警察庁も「物理的災害時とは異なる対応が求められる」と明記しています。

中小企業でも作るべきですか?

作る価値があります。警察庁はランサムウェア被害について中小企業での被害が多いとして、政府広報と共同で注意喚起の動画を制作しています。完璧な文書である必要はありません。連絡先の一覧を紙で持つところから始めるだけでも、事故当日の動きが変わります。

BCPを作っている会社はどれくらいありますか?

内閣府の令和5年度調査では、大企業の76.4%、中堅企業の45.5%が策定済みでした。一方、警察庁が令和7年にランサムウェア被害を受けた企業・団体へ行ったアンケートでは、BCP策定済みの組織は約18%でした。調査の対象が違うため単純比較はできませんが、被害の現場に計画が届いていない可能性を示す数字です。

出典・参考

最終更新:2026年8月20日/次回見直し予定:2027年3月(警察庁の年次資料の公表と、内閣府の実態調査の更新に合わせて)

コメント