ペネトレーションテストとは?金融庁が示した不十分な事例5選

2026年版・一次情報で確認

ペネトレーションテストとは?金融庁が「不十分な事例」を名指しで公表しています

脆弱性診断との違い、TLPTという第3の枠、レッド・ブルー・ホワイトの3チーム、そして発注する側が決めておくべきこと。監督官庁が公表した好事例と課題事例をもとにまとめました。

30秒でわかる「ペネトレーションテスト」

  1. 攻撃者と同じやり方で実際に侵入を試みるテスト。穴を一覧にする「脆弱性診断」とは、目的が違います
  2. 上位にTLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)があります。組織全体を対象に、実在の攻撃者の手口を再現するものです
  3. 金融庁は2025年6月、TLPTの「望ましい事例」と「不十分な事例」を公表しました。判定基準が公開されている、珍しい分野です
  4. 不十分な例の筆頭は「テスト環境で実施」「予算に収まるようスコープを狭める」。やった事実より、やり方で価値が決まります
  5. 今日やること:見積書を開いて対象が本番環境か、範囲はどこまでかを確認する。そこがこのテストの本体です

「ペネトレーションテストをやりましょう」と提案されて、何を頼むことになるのか確かめに来た方へ。あるいは、見積書に「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」が並んでいて、違いが分からずに来た方へ。

この記事は発注する側の目線で書きます。手を動かす側の話—どんなツールで、どう攻めるか—は既存の記事に譲り、ここでは「何を頼むと、何が返ってくるのか」に集中します。判断の材料には、金融庁が公表している好事例と課題事例を使います。

⚠ この記事の前提

この記事は2026年8月20日時点の内容です。定義・体制・事例は金融庁『金融分野におけるITレジリエンスに関する分析レポート』(2025年6月)、法律の条文はe-Gov法令検索から直接引用しています。

引用元は金融分野の資料です。金融機関を対象にした記述なので、他業種にそのまま当てはまるとは限りません。ただし、テストの設計と評価の考え方は業種を問わず参考になるため、その前提で紹介します。

CHAP1

第1章 / 全8章

ペネトレーションテストとは(やさしい定義)

「穴を探す」ではなく「目的を達成できるか試す」

ぺねとれーしょんてすと 英:penetration testing

許可を得たうえで、攻撃者と同じ方法で実際に侵入を試み、どこまで到達できるかを確かめるテスト。侵入テストとも呼ばれます。

分類
評価・検証の手法。合格/不合格を出す検査ではありません
ひとことで
建物の鍵を1つずつ確認するのが脆弱性診断、実際に忍び込んで金庫まで行けるか試すのがこちら
よく混同される語
脆弱性診断/TLPT/レッドチーム演習/机上演習(第4章で扱います)
関係する立場
発注する組織側。個人が他人のシステムに行うと犯罪になります

いちばん多い誤解が、脆弱性診断との混同です。両者は似た作業をしますが、目的とゴールがまったく違います。そして日本では、その上にTLPTという3つ目の枠があります。金融庁の資料が、この3つを明確に区別しています。

観点脆弱性診断ペネトレーションテストTLPT
目的弱点を網羅的に洗い出す決めた目標に到達できるか試す組織全体の検知力と対応力まで評価する
対象の広さ特定のシステム単体特定のシステム単体組織全体(端末・人・プロセスを含む)
成果物脆弱性の一覧と深刻度侵入経路と到達点の記録攻撃シナリオごとの検知・対応の評価
攻撃者の想定特になし一般的な攻撃手法実在する攻撃グループを特定して再現
向いている場面個別システムの技術的な弱点を知りたい同左(より実践的に)組織として攻撃に気づけるかを知りたい

区分は金融庁『金融分野におけるITレジリエンスに関する分析レポート』(2025年6月)の記述にもとづきます。同資料は「TLPTでは、脆弱性診断やペネトレーションテストと異なり、特定のシステム単体にスコープを絞らず、組織全体をスコープとすることが望ましい」「個別システムの技術的な脆弱性を評価したい場合は、脆弱性診断やペネトレーションテストの活用が適している」としています。

大事なのは、どれが上等かという話ではないことです。個別システムの弱点を知りたいなら脆弱性診断やペネトレーションテストが適しており、組織の検知力を知りたいならTLPTが要る。目的が先で、手法は後です。

TLPTとは何か

金融庁は、TLPTを次のように定義しています。

自組織が抱えるリスクを個別具体的に分析した上で、攻撃者が採用する戦術、手法を再現し疑似的な攻撃を仕掛けることで、侵入・改ざんの可否や検知の可否、対応の迅速性・適切性を検証する、より実践的なテストを指す。レッドチームテストとも呼ばれる。

出典:金融庁『金融分野におけるITレジリエンスに関する分析レポート』(2025年6月)脚注24

ポイントは「検知の可否」と「対応の迅速性・適切性」が評価対象に入っていることです。侵入できたかどうかだけでなく、守る側が気づけたか、気づいてから何分で動けたかを測る。だから組織全体が対象になり、だから守る側には知らせずに実施します。

第1章 おわり — 次は第2章

CHAP2

第2章 / 全8章

なぜ今これが問題なのか

「やったかどうか」では、もう評価されません

ペネトレーションテストは、長らく「実施した」という事実だけが語られてきました。それが変わりつつあります。監督官庁が、テストの中身を評価して公表し始めたからです。

金融庁は2024年度、TLPTについて2つの施策を実施しています。1つは「TLPT実証事業」—地域金融機関の実態を把握するため、実際にいくつかの金融機関でTLPTを行い、よく見つかる脆弱性を業界に還元する取組み。もう1つが「TLPT事例分析」—実施事例を集め、好事例と課題を整理し、匿名化・一般化して公表する取組みです。

その結果が、2025年6月のレポートに載っています。保険会社の事例から抽出された「望ましい事例」と「不十分な事例」です。要点を抜き出します。

観点望ましい事例不十分な事例(課題事例)
実施環境本番環境で実施しているテスト環境で実施している
予算とスコープ組織全体を対象に、なるべく範囲を制限しない予算が過少で、予算内に収まるようスコープを狭めている
体制経営者が目的を理解し、テスト計画を承認して推進しているレッドチームとブルーチームだけが定義され、ホワイトチームの体制や役割が不明確
脅威の分析自組織を狙いうる攻撃グループを調査し、公開情報から得られる糸口も調べている脅威情報の調査・分析を省き、あらかじめ決めたシナリオだけでテストしている
想定する攻撃者実際に金融業界を攻撃した実績のあるグループを選び、手口をMITRE ATT&CKで整理している具体的な攻撃者を想定していない
結果の使い方攻撃が成功しなくても侵入された前提で先に進め、リスクを可視化している攻撃が成功しなかったことをもって、そこで終わりにする

出典:金融庁『金融分野におけるITレジリエンスに関する分析レポート』(2025年6月)図表2および同章の記述を要約。2024事務年度に保険業を対象に実施した事例分析にもとづくもので、金融分野の話である点にご留意ください。

上から2つに注目してください。テスト環境で実施することと、予算に合わせて範囲を狭めること。どちらも現場では「現実的な判断」として日常的に行われていますが、金融庁はこれを課題事例として挙げています。理由も書かれています。

テスト環境については「開発環境では、人員や業務プロセスが本番環境と異なることが多く、現実のリスクを正確に評価することが困難である」。スコープについては「特定のシステムやシナリオだけにスコープを限定するとTLPTの目的を達成できない」。いずれも、テストの目的が「穴探し」ではなく「組織として気づけるかの評価」だから出てくる指摘です。

経営層の関与が足りないと、こうなる

同じレポートには、もう一段踏み込んだ記述があります。「経営陣の関与不足などにより、テストの制限事項が多くなり、TLPTの目的が達成されなくなる事例が認められている」。テストが骨抜きになる原因を、現場ではなく経営の関与不足に置いています。

さらに、結果の受け止め方についても書かれています。経営層がテストで攻撃が成功した原因について現場担当者の責任を問う姿勢を取るのではなく、判明したリスクに対応するための施策推進や追加的なリソース投入をサポートする姿勢を取ることが有用である—と。「攻撃が通った=担当者の失点」にした瞬間、次からテストは形だけになります。

ただし、金融庁はこうも書いています

「TLPTとしては不十分なテストであっても、サイバーセキュリティの強化に資する側面がないわけではないため、そうした金融機関の取組み自体が否定されるものではない」。つまり、テスト環境で範囲を絞ってやったテストにも意味はあります。問題は、それをTLPTと呼んで「うちは対応済み」と考えてしまうことです。何をやったのかを正確に呼ぶ。それだけで、次に何が足りないかが見えます。

第2章 おわり — 次は第3章

CHAP3

第3章 / 全8章

実際にどう進むのか

3つのチームと、知らせる人・知らせない人

本格的なテストでは、関係者が3つのチームに分かれます。この役割分担を知らないまま発注すると、第2章の「ホワイトチームが不明確」という課題事例をそのままなぞることになります。

チーム誰か役割
レッドチームテスト実施者。通常はペネトレーションテスト事業者のメンバー攻撃者が実施しうる攻撃を行い、侵入能力を模倣する権限が与えられている
ブルーチーム自社の守り手。通常はCSIRT(SOCや運用担当を含む場合も)攻撃に対してセキュリティ状況を維持し、システムの安全な運用に責任を持つ
ホワイトチーム両者を調整する主催者側ルールの実効性を確保し、実施を監視し、問題を解決し、質問を受け付ける

定義は金融庁レポートの脚注26〜28にもとづきます。小規模な組織でホワイトチームを組めない場合は、ブルーチームの責任者が兼ねることも考えられると同レポートは述べています。その場合も、他のブルーチーム担当者には知らせません。

ここが、このテストのいちばん独特なところです。守る側には知らせない。知らせてしまうと、その日だけ監視が厚くなり、普段の検知力を測れなくなるからです。ただし、全員に伏せるわけでもありません。

相手事前に知らせるか理由
ブルーチームの担当者知らせない普段どおりの検知力・対応力を測るため
経営層知らせるテストの実施を承認し、推進する立場のため
情報システム部門の責任者知らせる不測の事態に備えるため
広報部門の責任者知らせる本物の事故と誤認した対外発表を防ぐため

進み方と、つまずきやすい場所

段階やることつまずきやすい点
1 目的合わせ何を知りたいのかを発注側と実施側で揃える「とりあえず攻めてください」で始めてしまう
2 脅威分析自組織を狙いうる攻撃グループと、公開情報から得られる糸口を調べるここを省くと、既製シナリオのテストになる
3 シナリオ設計実在の攻撃者の手口を再現する筋書きを作る自社の環境と関係のない筋書きになる
4 実施本番環境で、ブルーチームに知らせずに実行するテスト環境で実施してしまう
5 評価侵入の可否だけでなく検知できたか、何分で動けたかを評価する「侵入されなかった」で終わりにする
6 改善判明したリスクに予算と人を付ける報告書を受け取って終わりにする

段階と留意点は金融庁レポートの推奨事項6点(テスト目的の認識合わせ/スコープの設定とテスト内容/経営層の関与/関係者との連携・通知/実施中のホワイトチームの対応/共同利用システムへのテスト)をもとに、筆者が発注側の流れとして整理したものです。

同レポートは、テスト内容についても踏み込んでいます。「事前に決定する検証項目は最低限実施する内容として定義しつつ、テスターがテスト中に得られた情報に応じて柔軟に実施内容の拡張をする形が望ましい」項目表を全部埋めて終わり、という発注の仕方とは相性が悪い、ということです。

第3章 おわり — 次は第4章

CHAP4

第4章 / 全8章

よくある誤解と、間違えやすい似た用語

「通らなかった」は、ゴールではありません

🚨 いちばん危ない誤解

「攻撃が成功しなかったので、うちは大丈夫です」— 金融庁が挙げる望ましい事例は、その先にあります。テストベンダーの攻撃が成功せず一定水準の対策があると確認できた場合でも、それに止まらず「侵入された前提」でさらにテストを進め、自社のリスクを可視化して改善点を特定している組織を好事例としています。侵入を防げたかどうかは出発点で、入られた後どうなるかまで見て、はじめてこのテストの元が取れます。

似ている用語どう違うか使い分けの目安
脆弱性診断弱点を網羅的に洗い出す。侵入の成否は問わない一覧が欲しいなら診断、到達できるか知りたいならペネトレ
TLPT組織全体を対象に、実在の攻撃者を想定して検知力・対応力まで測るシステムを測るか、組織を測るか
レッドチーム演習TLPTの別名として使われます(金融庁も「レッドチームテストとも呼ばれる」と記載)ほぼ同義。文脈で読み替えて構いません
机上演習システムを操作せず、机の上で対応を模擬する訓練実際に攻めるか、話し合うか
ASM/EASM外から見える資産を継続的に発見・監視する取組みASMは常時の把握、ペネトレは期間を区切った検証
よくある思い込み実際は
ペネトレーションテストをやれば、脆弱性が全部見つかる目的が違います。網羅性を求めるなら脆弱性診断です。ペネトレは「到達できるか」を見ます
合格・不合格が出る検査だ判定は出ません。出るのは侵入経路と、気づけたかどうかの記録です
テスト環境でやれば十分金融庁は課題事例としています。開発環境では人員や業務プロセスが本番と異なるためです
守る側にも予告してから始めるブルーチームには非通知が望ましいとされています。予告すると普段の検知力を測れません
攻撃が通ったら、担当者の責任だ金融庁は、経営層が責任を問う姿勢ではなく施策とリソースを支える姿勢を取ることが有用としています
一度やれば、しばらく安心環境も攻撃手法も変わります。やった時点のスナップショットだと理解してください

第4章 おわり — 次は第5章

CHAP5

第5章 / 全8章

個人でやるときの線引き

技術の練習は自由、相手を選ぶのは自由ではありません

ペネトレーションテストの技術そのものは、学んで悪いものではありません。むしろ、守る側になるほど必要になります。問題は「どこに向けるか」だけです。ここだけは、はっきり線があります。

やること可否根拠・注意点
自分で用意した練習環境や、自分のサーバを攻撃する問題なし学習の王道です。手順は下のリンク先で解説しています
学習用に公開されている演習サイト・CTFで練習する問題なし提供側が許可している範囲で行ってください
勤務先のシステムを、上司の口頭了解だけで試す危険範囲・期間・方法を書面で決めていないと、後で説明できません
他人のサイトやサービスを、許可なく試す犯罪になりえます「善意で確かめただけ」は理由になりません

最後の行について、条文を挙げておきます。他人のIDやパスワードなどを使って、権限のないシステムを使える状態にする行為は不正アクセス禁止法第3条で禁止されており、違反すると同法第11条により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています(e-Gov法令検索で2026年8月20日に確認)。動機が善意かどうかは、条文には書かれていません。

手を動かして学びたい方へ

自分のサーバを使った練習の手順は【初心者OK】ペネトレーションテストとは?自分のサーバを安全に攻撃する全手順、実際に使われるツールと、それが攻撃側に転用される仕組みはペネトレーションテストツールとは何か?「正義の味方」が「敵の武器」に変わる仕組みで扱っています。

第5章 おわり — 次は第6章

CHAP6

第6章 / 全8章

会社・組織で発注するときに決めること

見積もりを取る前に、8つだけ決めてください

発注する側がここを決めていないと、テストの中身は事業者任せになります。第2章の課題事例は、ほとんどが発注側が決めなかったことから生まれています。

決めること選択肢と目安決めないとどうなるか
1. 目的穴の一覧が欲しいのか、到達可否か、検知力か手法が決まらず、期待と結果がずれる
2. 実施環境本番環境が望ましい(金融庁)現実のリスクを測れない
3. スコープ組織全体か、システム単体か。人とプロセスを含めるか予算に合わせて勝手に狭められる
4. 想定する攻撃者自社を狙いうる実在のグループを1つ以上既製のシナリオを流されて終わる
5. 通知範囲ブルーチームには非通知。経営層・情シス責任者・広報責任者には通知本物の事故と誤認して対外発表してしまう
6. 中止条件業務影響が出たときに誰がどう止めるか(リスク管理計画)止め方が分からず、実務が混乱する
7. 成果物侵入経路の記録、検知できた/できなかった項目の一覧読んでも次の手が決まらない報告書が届く
8. 改善の予算テスト費用と別に、直すための予算を先に確保する問題が分かっただけで終わる

2・3・4・5は金融庁レポートの推奨事項と課題事例にもとづきます。1・6・7・8は筆者による整理です。8がいちばん忘れられます。テストは問題を見つける作業であって、直す作業ではありません。

準備として効くこと

スコープを決めるには、まず自社が外からどう見えているかを知る必要があります。その考え方はASM/EASMとは?見つけたあとは、ツールの仕事ではありませんに、想定攻撃者を決める材料は脅威インテリジェンス実践ガイドにまとめています。

第6章 おわり — 次は第7章

CHAP7

第7章 / 全8章

結果を受け取ったら:最初の10分

報告書を開く前に、決めておくことがあります

ペネトレーションテストの結果は、たいてい読んで気持ちのいいものではありません。ここでの振る舞いが、次回のテストの質を決めます。

やることやってはいけないこと理由
1読む前に「担当者の評価には使わない」と全員に宣言する誰のミスかを探し始める金融庁も、責任を問う姿勢ではなく支える姿勢が有用としています
2結果を2つに分ける—「侵入された経路」と「検知できなかった項目脆弱性の一覧としてだけ読む後者こそ、このテストでしか分からない情報です
3直すものと、受け入れるものをその場で仕分ける全部やると決めて、結局どれも進まない優先順位を付けるのは発注側の仕事です
4直すものに担当者と期限と予算を付ける「検討する」で終えるここまでやって、はじめてテスト費用が回収されます
5次回に持ち越す宿題を書き残す(スコープ外だった領域など)報告書を保管して終わり次のテストの設計図になります

2が要点です。侵入経路は脆弱性診断でも近いものが出ますが、「攻撃されていたのに気づけなかった」という事実は、実際に攻めてもらわないと分かりません。

参考にできる公的資料・窓口

  • 金融庁『金融分野におけるITレジリエンスに関する分析レポート』(TLPTの好事例・課題事例)
  • 金融情報システムセンター(FISC)『金融機関等におけるTLPT実施にあたっての手引書』
  • IPA サイバーセキュリティ相談窓口(企業組織)
  • JPCERT/CC(テスト中に本物の攻撃が疑われた場合の相談先)
  • 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口
✅ ここまでできたら

結果を2つに分け、直すものに期限と予算が付いた時点で、このテストは投資として成立しています。侵入されたかどうかは、実のところ大きな問題ではありません。「気づけなかった項目が1つ減ったか」—次回、そこだけ比べてください。それが、この種のテストで唯一意味のある前後比較です。

第7章 おわり — 次は第8章

CHAP8

第8章 / 全8章

関連用語と、次に読む記事

測る・見つける・訓練する。役割が違います

この用語とセットで覚えると理解が早くなる語です。

第8章 おわり — 最後にFAQ

FAQ?

よくある質問

ペネトレーションテストについてよく聞かれること

実際に検索されている疑問から

脆弱性診断とペネトレーションテストは、どちらを頼めばいいですか?

目的で決めます。個別システムの技術的な弱点を網羅的に知りたいなら脆弱性診断決めた目標にたどり着けるかを試したいならペネトレーションテストです。金融庁の資料も「個別システムの技術的な脆弱性を評価したい場合は、脆弱性診断やペネトレーションテストの活用が適している」としています。組織の検知力・対応力まで測りたい場合は、さらに上位のTLPTになります。

本番環境でやるのは危なくないですか?

リスクはあります。だからこそ中止条件と連絡体制(リスク管理計画)を先に決めます。そのうえで金融庁は本番環境での実施を推奨しています。理由は「開発環境では、人員や業務プロセスが本番環境と異なることが多く、現実のリスクを正確に評価することが困難である」ためです。テスト環境での実施は、同庁の資料で課題事例として挙げられています。

なぜ自社の防御チームに知らせないのですか?

知らせると、その期間だけ監視が厚くなり、普段どおりの検知力・対応力を測れなくなるからです。金融庁もブルーチームには非通知が望ましいとしています。一方で、不測の事態に備えて経営層・情報システム部門の責任者・広報部門の責任者には事前に知らせておくべきだとされています。

攻撃が1つも成功しなかったら、それで終わりでいいですか?

もったいない使い方です。金融庁が挙げる望ましい事例は、攻撃が成功せず一定水準の対策を確認できた場合でも、そこで止まらず「侵入された前提」でテストを進め、リスクを可視化して改善点を特定している組織です。侵入を防げたかどうかより、入られた後に気づけるかを測るほうが、得られるものが多くなります。

出典・参考

最終更新:2026年8月20日/次回見直し予定:2027年7月(金融庁のITレジリエンス分析レポートが例年6月頃に公表されるため)

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