サイトの裏口が壊れたとき、私たちがパスワードを替える順番
世界のWebサイトの約7割が使う「PHP」に、大きな穴が見つかりました。
直すのはサイト側。でも使い回したパスワードは、私たちにしか替えられません。
先に結論:あわてず、「メール → お金 → 使い回し → パスキー」の順に鍵を替える
- PHPは、サイトを動かす裏方のプログラムです。今回の穴は、ログインしなくてもサイトを乗っ取られるおそれがあるもの。10月21日に修正版が出て、公表の前から攻撃の試みが見つかっています。
- 直すのはサイトを運営する側です。私たちのスマホを更新しても、この穴は直りません。
- 私たちに関係するのは、どこかのサイトで会員名簿(メールアドレスとパスワード)が盗まれたときです。使い回したパスワードは、ほかのサイトで次々に試されます。今はこの作業をAIやロボットで自動化しやすくなっています。
- だから替える順番は、①メール(2段階認証も)②カード・銀行・決済アプリ ③使い回している残り全部(パスワード管理アプリで)④パスキーの設定。
- 今日は①と②だけでも十分前進です。③と④は週末にまとめて。「PHPの件でパスワードを変えて」というメールのリンクは押さないでください。
穴をふさぐのはお店の仕事。名簿が盗まれても困らない状態にするのは、私たちの仕事です。
📋 この記事の内容
サイトの穴から、あなたのアカウントまでの道すじ
この記事の中身は、この1枚に入っています。上が「サイト側で起きること」、真ん中が「使い回しの有無で変わる結果」、下が「替える順番」です。
PHPの穴 → 名簿 → 使い回し → 替える順番
※図の②は「直していないサイトで、乗っ取られた場合に起こりうること」です。2026年10月24日時点で、今回の穴で情報が盗まれたという確定した発表は見当たりません。
あなたは「1本の鍵」で、全部のドアを開けていませんか
インターネットのサービスを、街のお店だと考えてください。通販、銀行、SNS、メール。それぞれのお店のドアを開ける鍵(パスワード)を、あなたは持っています。
お店は、お客さんの名簿を奥の部屋に置いています。名簿には、メールアドレスと、鍵の情報が載っています。
今回のニュースは、たくさんのお店が使っている同じ型の「裏口の錠」に欠陥が見つかったという話です。この錠がPHPです。錠のメーカーは直した錠をすぐ配りました。でも、付け替えるのは各お店です。付け替えが遅れたお店には、泥棒が入れてしまうかもしれません。
🏪 お店(サイト)
裏口の錠(PHP)を付け替える係。直すのはお店にしかできない。
📒 名簿
メールアドレスとパスワードの情報。泥棒が狙うのはこれ。
🔑 あなたの鍵
あなたにしか替えられない。1本を全部のドアで使っていると、1枚の名簿で全部開く。
怖いのは、泥棒が盗んだ鍵をほかのお店のドアでも試すことです。あなたが同じ鍵を、メールにも銀行にも使っていたら、全部開いてしまいます。
だから、私たちにできることははっきりしています。ドアごとに別の鍵にすること。そして、大事なドアから順番に替えることです。
💡 たとえの注意
厳密には、パスワードは「鍵」というより「合言葉」です。多くのサイトは、パスワードをそのまま名簿に書かず、元に戻しにくい形にして保存しています。それでも、短いパスワードや、よくあるパスワードは元に戻されることがあります。最初の理解として、鍵に置き換えています。
PHP2Shellを、3つの数字で
(言語が分かるサイトの69.3%)
(10点満点・2件とも)
攻撃の試みが見つかった
確定した発表(10/24時点)
出典:69.3%はW3Techs(2026年10月24日、サーバー側の言語が分かるサイトのうち)。9.2はPHP開発チームの評価(CVSS v4.0)。「4日前」はTenableのまとめによる、Amazonの脅威情報チームの観測(10月17日)。「未確認」は、この記事を書いた時点で確定した発表を見つけられなかったという意味です。
ひとことで言うと
PHPは、Webサイトの裏で動くプログラムの言葉です。WordPressのブログ、ネットショップ、会員サイトなどで広く使われています。
今回見つかった2つの穴(通称PHP2Shell)は、ログインしていない外の人が、サイトのサーバーで好きな命令を動かせるおそれがあるものです。サーバーで命令を動かせると、名簿を読む、ページを書き換える、といったことができてしまいます。
いつ、何があった?
- 10月17日:Amazonの脅威情報チームが、この穴を狙う試みを観測(公表の4日前)。
- 10月20日:PHP開発チームが「重大な修正を明日出す」と予告。
- 10月21日(日本時間の夜):修正版を公開。「完全な回避策はなく、更新だけが安全な選択」と発表。直後から、複数のセキュリティ会社が攻撃の試みを観測。
- 10月22日:JPCERT/CCが注意喚起。「国内でも広く使われている」として、すぐの対策と、攻撃を受けていないかの調査を呼びかけ。
- 10月23日:PHP開発チームが、条件が限られる別の穴(3つ目)についても情報を公開。
⚠ 「盗まれた」と「盗まれるおそれ」は違う
10月24日時点で、攻撃の試みは多くの会社が観測しています。一方、攻撃が成功して情報が盗まれたという確定した発表は見当たりません。JPCERT/CCは「攻撃を受けていないと断定することはできません」としています。「まだ分からない」のが今の正確な状態です。だからこそ、分かってから慌てるより、先に鍵を替えておく方が楽です。
サイトの穴が、あなたのメールに届くまで
サイトの穴が、なぜ私たちのアカウントの話になるのか。会社員のAさんの例で見てみます。(人物と流れは架空です。よくある流れをまとめました)
- Aさんは、趣味の通販サイトに会員登録している。パスワードは、メールや銀行と同じ「いつもの1つ」。
- その通販サイトは、PHPの更新が遅れた。攻撃者が裏口から入り、会員名簿を持ち出す。【お店の問題】
- 名簿の中身が、ロボットに渡される。「このメールアドレスと、このパスワード」の組み合わせを、ほかのサイトに次々と入れて試す(パスワードリスト攻撃)。
- Aさんのメールが開く。同じパスワードだったからです。攻撃者は、メールの転送設定をこっそり付けることもあります。
- 「パスワードを忘れた」ボタンが押される。再設定のメールは、乗っ取られたAさんのメールに届く。通販、決済アプリ、SNSが次々に奪われる。
- カードが使われる・友だちに詐欺のメッセージが届く。Aさんが気づくのは、明細を見たときや、友だちから連絡が来たとき。
🚨 メールは「合鍵を作る機械」
ほとんどのサービスは、「パスワードを忘れた」ときの再設定をメールで受け付けます。つまりメールを取られると、ほかのドアの鍵も作り直されてしまいます。最初にメールを守るのはこのためです。
警察庁の統計でも、2025年に検挙された「他人のIDとパスワードを使った不正アクセス」399件のうち、手口で一番多かったのは「パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ」84件(5件に1件)でした。警察庁は、複数のサイトで同じIDとパスワードの組み合わせを使わないよう呼びかけています。
「試して回る手間」が、AIで下がった
盗んだパスワードをほかのサイトで試す手口は、昔からあります。変わったのは、攻撃する側の手間です。
| くらべる点 | 少し前 | 今 |
|---|---|---|
| 試す作業 | プログラムを書ける人が、手順を組んで動かす | 手順をAIに任せる例が出てきた。Googleの脅威情報チームは、AIの仕組みにほぼ任せきりで、6時間足らずで数千件の認証情報を奪った事件を報告(2026年9月) |
| だます準備 | にせサイトを作るのに手間と技術が要る | 生成AIを一部使って、大手通販サイトに似せたにせサイトを作った事件が国内で検挙された(警察庁・2026年3月公表) |
| 攻撃の数 | 手間がかかるので、狙う相手を選ぶ | 1回あたりの手間が下がるほど、ばらまく攻撃が増えやすい |
| 守る側の基本 | パスワードを頭で覚える | パスワードは道具に覚えさせる。可能ならパスキーにして、盗まれる鍵そのものをなくす |
Googleの報告はクラウドへの侵入事件で、パスワードの使い回しを試した事件ではありません。「AIで攻撃の手順を自動化できる」ことを示す例として載せています。AIでパスワードリスト攻撃が何倍に増えたか、という一次資料の数字は見つけられませんでした。
ポイントは、攻撃者は1件ずつ狙わないということです。あなたを狙うのではなく、名簿の全員を順番に試します。「自分なんか狙われない」は通用しません。使い回しをしていれば、それだけで当たりになります。
当てはまる数を数えてください
✅ パスワードの使い方チェック(当てはまるものを数える)
- 同じパスワードを、2つ以上のサービスで使っている
- 「いつもの文字+サイト名」「いつもの文字+数字」のように、少しだけ変えて使っている
- メール(Gmail・Yahoo!メール・Outlookなど)に、2段階認証を付けていない
- カード会社・銀行・決済アプリのパスワードが、メールと同じか似ている
- パスワードを、紙・メモアプリ・頭の中だけで管理している
- パスキーを1つも設定していない
- 0個よくできています。この記事の「手順4 パスキー」で、さらに鍵を減らせます。
- 1〜2個当てはまった項目だけ、今週中に直しましょう。メールの項目があれば今日。
- 3個以上今日、手順1と2をやってください。どこかで名簿が漏れたとき、まとめて開いてしまう状態です。
クイズ:正しいのはどっち?
問1 スマホを最新に更新すれば、今回のPHPの穴は直る?
答え:直りません。PHPは、サイトを動かすサーバー側のプログラムです。直すのはサイトの運営者です。ただ、スマホの更新はほかの穴をふさぐので、それはそれで続けてください。
問2 最初にパスワードを替えるなら、銀行とメールのどっち?
答え:メールです。メールを取られると、「パスワードを忘れた」から銀行やカードの鍵まで作り直されてしまいます。メールを先に固めてから、お金のドアに進みます。
問3 「Hana2026!」をサイトごとに「Hana2026!ama」「Hana2026!rak」と変えるのはOK?
答え:おすすめしません。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のハンドブックも、規則性のある付け足しは「2つ以上漏れれば推測される」としています。サイトごとに、まったく別のパスワードにするのが基本です。覚える必要はありません。パスワード管理アプリに覚えさせます。
鍵を替える順番は、この4つ
全部を一度にやらなくて大丈夫です。今日は1と2。3と4は週末にまとめて、くらいの気持ちで進めてください。
🚨 始める前に:リンクから行かない
こういうニュースの後には、「PHPの脆弱性のため、パスワードの変更をお願いします」というにせのメールやSMSが出回りやすくなります。パスワードの変更は、いつも使っている公式アプリか、自分で登録したブックマークから行ってください。メールやSMSのリンクは押しません。
手順1 メールアドレスのパスワードを替える(+2段階認証)
メールは、ほかのすべての鍵を作り直せる「合鍵の元」です。ここだけは今日やってください。
- パスワードを、ほかでは使っていない長いものに替える。Gmailなら、Googleアカウントの「セキュリティ」→「パスワード」。Yahoo!メールやOutlook、携帯会社のメールも同じように、アカウントの設定画面から替えます。新しいパスワードは、その場でパスワード管理(手順3)に保存させると忘れません。
- 2段階認証(ワンタイムパスワード)をオンにする。パスワードに加えて、スマホのアプリや通知、6桁のコードで本人確認する仕組みです。警察庁も、ワンタイムパスワードなどの2段階の認証を使うよう呼びかけています。Googleなら「セキュリティ」→「2段階認証プロセス」です。
- こっそり付けられた仕掛けがないか見る。知らない転送設定(Gmailは「設定」→「すべての設定を表示」→「メール転送とPOP/IMAP」)、知らないログイン中の端末、知らない再設定用の電話番号やメールアドレスがないか確認します。あれば消します。
💡 GoogleやAppleのアカウントも「メール」と同じ扱い
手順3で使うパスワード管理は、GoogleアカウントやApple Accountの中にあります。ここが取られると、保存した鍵が全部見られます。メールと同じく、最初に固めるアカウントです。
手順2 カード・銀行がつながっているアプリのパスワードを替える
次はお金が動くドアです。IPAも、お金の情報を登録しているサービスや、メールアドレスをIDにしているサービスでは、特に使い回しを避けるよう書いています。
- 対象を書き出す。カード会社の会員サイト・アプリ、ネットバンキング、証券口座、決済アプリ(QRコード決済など)、カードを登録している通販サイト。
- メールと違う、それぞれ別のパスワードに替える。2段階認証やログイン通知があれば、一緒にオンにします。
- ついでに明細を見る。心当たりのない請求があれば、カード裏面の電話番号に連絡します。
手順3 使い回している残りを、パスワード管理アプリで替えていく
残りのサービスは、パスワード管理アプリを使って片付けます。鍵を全部入れておくキーケースのようなものです。あなたが覚えるのは、キーケースを開ける方法(スマホの画面ロックやGoogle・Appleのアカウント)だけになります。
- 使い回しを洗い出す。Googleパスワードマネージャーなら「パスワード チェックアップ」で、漏洩・使い回し・脆弱なパスワードが一覧になります(パソコンのChromeか、passwords.google.com)。iPhoneやMacの「パスワード」アプリは「セキュリティ」の項目で、安全性が低いパスワード・侵害されたパスワードが見られます。
- 大事な順に替える。個人情報が多いもの(通販・ポイント・携帯会社)→ SNS → そのほか。変更画面では、アプリが作るランダムで長いパスワードをそのまま使います。
- 使っていないアカウントは退会する。鍵を替えるより、ドアそのものをなくす方が確実です。
どのアプリを選ぶかは、次の章の表を見てください。
手順4 パスキーを設定する
パスキーは、顔や指紋でスマホのロックを外すだけでログインできる鍵です。たとえるなら、合鍵が作れない電子錠。サイトの名簿にあなたの「鍵そのもの」が置かれないので、名簿が盗まれても、使い回しという弱点がそもそも生まれません。にせサイトでは動かないので、だまされて鍵を渡す心配も減ります。IPAも、パスキーが使えるなら使うよう勧めています。
- まずは手順1・2で替えたアカウントから。Google、Apple、Microsoft、Yahoo! JAPAN、dアカウント、au ID、楽天IDなど、大きなサービスから対応しています。設定画面の「パスキー」や「セキュリティ」を探します。
- 2台目の鍵を用意する。スマホをなくしたときのために、別の端末にも登録するか、予備の入り方(予備の連絡先など)を確認しておきます。
- パスワードが残るサービスもある。パスキーを足しても、パスワードでのログインが残るサービスがあります。その場合、残ったパスワードも長く、使い回さないものにしておきます。
✅ ここまでできたら
どこかのお店で名簿が盗まれても、あなたが替えるのはそのお店の鍵1本だけになります。ニュースのたびに慌てなくて済む状態です。
パスワード管理アプリは、まず「無料の標準」で十分
新しく何かを買う必要はありません。多くの人は、いつも使っているスマホやブラウザに最初から入っているもので十分です。
| 種類 | 向いている人 | 費用 | 使い回しの洗い出し | パスキーの保存 |
|---|---|---|---|---|
| Googleパスワードマネージャー | Androidスマホ、Chromeをよく使う人(iPhoneのChromeでも使える) | 無料 | ○ パスワード チェックアップ | ○ |
| Apple「パスワード」アプリ(iCloudキーチェーン) | iPhone・iPad・Macでそろえている人 | 無料 | ○「セキュリティ」の項目 | ○ |
| 専用のパスワード管理アプリ(1Password、Bitwardenなど) | iPhoneとWindowsなど、メーカーがばらばらの機器を使う人。家族で共有したい人 | 有料が中心(無料プランがある製品もある) | ○ 多くの製品にある | ○ 多くの製品が対応 |
| 紙のノート | スマホが苦手な家族の、ごく一部の大事なアカウント | 無料 | × 自分で見比べる | × |
製品ごとの細かい違い(暗号化のしかた、過去の事故、乗っ取られたときの戻し方)は、パスワード管理アプリ9製品を7つの壁で安全性比較とGoogle・Appleのパスワード管理で十分?有料アプリとの違いにまとめています。料金はプランと時期で変わるので、公式サイトで確認してください。
⚠ キーケースの鍵は、いちばん強く
パスワード管理アプリは、開けられると中身が全部見えます。だから、キーケースを開けるアカウント(Google・Apple・専用アプリのアカウント)に2段階認証かパスキーを必ず付けてください。手順1でメールと一緒に固めるのは、このためです。
PHP2Shellの詳細(2026年10月24日時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| CVE | CVE-2026-109618(メモリ不足の処理中に、途中までしか初期化されていない内部データを有効なものとして扱う)/CVE-2026-109619(解放済みメモリを指す内部状態が残り、同じワーカーの次のリクエストが使う。use-after-free) |
| 深刻度 | CVSS v4.0 9.2(2件とも、PHP開発チームの評価)。出回った「10.0」は誤りとPHP Foundationが説明 |
| 影響 | 認証なしのリモートコード実行のおそれ。Webリクエストを処理するPHP全般(PHP-FPM、Apache mod_php、php-cgi、FrankenPHP、LiteSpeed)。mod_phpが最も危険で、アプリのコードが動く前に1回のリクエストで発動する実証がある |
| 修正版 | 8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35(2026-10-21)。Linuxディストリビューションの版番号は異なることがあるので、各ベンダーの告知を確認 |
| 古い版 | 8.1以前は公式の更新なし。7.4・8.0・8.1は最小限のソース修正(バックポート)のみ。5.4〜7.3は修正なし。8.2も2026-12-31でサポート終了 |
| 回避策 | PHP側は「完全な回避策はない」。post_max_size を下げる、session.upload_progress.enabled=0(リクエスト解析前に効く場所で設定。ini_set() や .user.ini は不可)などで一部の経路を狭められるだけ。変更後は全ワーカーを再起動。WAFは一時しのぎ |
| 悪用状況 | 試みは観測(Amazon・Cloudflare・watchTowr・Unit 42など)。CISAは10-21時点で悪用を観測せず、10-23時点でKEV未登録(Tenableのまとめ)。検証済みの実用的な攻撃コードは確認されていない |
| 侵害調査(JPCERT/CC) | 異常な長さ・形式の PHPSESSID Cookie、不審な multipart/form-data、メモリ上限エラーやHTTP 500の急増、ワーカーの異常終了・頻繁な再起動の痕跡。疑わしければログを保全して隔離 |
| 3つ目の穴 | CVE-2026-115560(10-23に情報提供)。session.serialize_handler を実行中に php へ切り替えるなど条件が限られ、PHP側は「起こりにくい」として通常リリースで修正予定。当面は session.upload_progress.enabled=0 を推奨 |
💡 WordPressでブログやお店を持っている人へ
- レンタルサーバーなら:管理画面で今のPHPのバージョンを見て、サーバー会社のお知らせを確認します。共用サーバーのPHP本体を直すのはサーバー会社です。古い版(8.1以前)を選んでいるなら、対応している版へ切り替えを検討します。
- 自分でサーバーを管理しているなら:修正版へ更新し、PHP-FPMやApacheを再起動。JPCERT/CCの観点でログを確認します。
- 会員がいるサイトなら:万一に備えて、管理者アカウントの2段階認証と、会員への連絡手順を確認しておきます。
よくある質問
自分がよく使うサイトがPHPかどうか、調べた方がいい?
外からは確実には分かりませんし、分かっても利用者にできることはほとんどありません。どのサイトが漏れても困らないように、使い回しをなくす方が確実です。サイトからお知らせが来たら、公式アプリやブックマークから内容を確認してください。
2段階認証を付けていれば、パスワードは使い回しても平気?
平気ではありません。2段階認証がないサービスもありますし、SMSのコードをだまし取る手口や、ログイン後の「通行証(Cookie)」を盗む手口もあります。二段階認証でも乗っ取られる理由も参考にしてください。使い回しをやめることと2段階認証は、セットで考えます。
何も起きていなくても、パスワードは定期的に変えるべき?
IPAは「漏えい・侵害が確認された場合は速やかに変更」と書いています。何もないのに毎月替えるより、サイトごとに別の長いパスワードにする方が効きます。今回のように「漏れたかどうか分からない」ときは、使い回している所から替えておくのが安心です。
パスキーにしたら、パスワードはなくなる?
サービスによります。パスキーを足しても、パスワードでのログインが残るサービスは多くあります。設定でパスワードを無効にできるサービスもあります。残る場合は、そのパスワードも長く、使い回さないものにしておきます。
「PHPの脆弱性のためパスワードを変更してください」というメールが来た。
本物かどうか、メールだけでは判断しないでください。リンクは押さず、いつもの公式アプリかブックマークからログインして、お知らせ欄を確認します。にせのログイン画面にパスワードを入れてしまうと、鍵を替えるつもりが鍵を渡すことになります。
パスワード管理アプリ自体が乗っ取られたら、全部漏れない?
その心配があるので、管理アプリを開けるアカウントを、いちばん強くします(2段階認証かパスキー)。そのうえで、メモ帳アプリや紙にばらばらに書いておくより、管理アプリにまとめた方が、全体としては安全にしやすいと考えられています。
あわせて読む:パスワード使い回しの危険性と対策/二段階認証・パスキーの設定方法/情報漏洩から個人が守る方法/パスワードが破られた実例12件
📚 出典(2026年10月24日に確認)
PHP2Shellについて
- PHP「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」「PHP 8.5.12, 8.4.27, 8.3.36 and 8.2.35 released」(2026-10-21)、「Informational advisory: Session upload progress」(2026-10-23)https://www.php.net/
- JPCERT/CC「PHPにおける複数の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)に関する注意喚起」(2026-10-22)https://www.jpcert.or.jp/at/2026/at260033.html
- JVN「JVNVU#99905564」(2026-10-23)https://jvn.jp/vu/JVNVU99905564/
- Tenable「php2shell (CVE-2026-109618, CVE-2026-109619): Frequently Asked Questions」https://www.tenable.com/blog/php2shell-cve-2026-109618-cve-2026-109619-frequently-asked-questions-about-critical-php-remote
- W3Techs「Usage statistics of PHP for websites」(2026-10-24)https://w3techs.com/technologies/details/pl-php
パスワード・AIについて
- 国家公安委員会・総務省・経済産業省「不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」(2026-03-12公表)PDF 7・8・10ページ
- IPA「情報セキュリティ10大脅威2026 解説書[組織編]」PDF 56〜57ページ(認証を適切に運用する)
- 内閣サイバーセキュリティセンター「インターネットの安全・安心ハンドブック」Ver.5.10 PDF 32ページ
- Cloud Security Alliance「Research Note: GTIG Agentic Credential Harvesting」(2026-09-09。Google Threat Intelligence Groupの2026-09-08の報告を解説)https://labs.cloudsecurityalliance.org/research/csa-research-note-gtig-agentic-credential-harvesting-2026090/
- Google アカウント ヘルプ「パスワードの安全性を確認する(パスワード チェックアップ)」https://support.google.com/accounts/answer/9457609?hl=ja
- Apple サポート「パスワードアプリでパスワードやパスキーを作成・管理し、Apple製デバイス間で共有する」https://support.apple.com/ja-jp/120758
穴をふさぐのはお店。鍵を分けるのは、あなた。
今日はメールと、お金のアプリの2つだけ。それだけで、次のニュースで慌てる量がぐっと減ります。


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